フェルマーの料理

卓越した料理人へはほど遠い　薄っぺら　
表情も作り過ぎて役には合ってない

W主演のわりにあまり存在感がないというか、毎回印象に残らないのがイマイチ。渋谷たちとの密会シーンも貫禄がなく、彼らと対等にやりとりしているような器の人間に見えません。何か大きな企みがあるようだけど、失敗しそうだなあ、この人で大丈夫なのかなあって心配になってしまいます。明るい髪色にブラックのコックコートがよく似合い、ビジュアルは漫画のように格好良いので余計に残念に感じます。

化粧濃すぎでしょ。オーナーとしてもやってるのかもしれないけど、料理人ならもう少し抑えてほしい。線の細さが気になって先輩としての貫禄がやっぱりイマイチだね。意地悪な言い方も試しているというよりいじめて楽しんでいるように見えてしまうのが残念。

長身に黒のコックコートが映えてとても格好良いんだけど、若く見える顔立ちのせいか何かを企んで思い通りに他人を動かすような底の知れないミステリアスさや迫力があまり感じられないのがイマイチ。ナヨっとしてるとまでは言わないけど、人の良さや柔らかさが隠しきれていなくて、役に合っていない気がするのも残念です。

いつもみたいに「さすが志尊淳」という感じではないんだよね。まだ役が馴染まないというか。得体の知れなさはわかるんだけれど、なんかもう少し足りないというか。好きな役者さんだけに楽しみにしているんだけれど。

調理場での動きが格段に良くなった岳や彼の数式ノートを盗み見た時の「やるなあ」というような満足げな笑みや、何か掴みかけている岳を見つめる期待するような眼差しが印象的でした。目をかけている岳の成長をただ喜んでいるというのではなく、その先にある自分の企みを実現する手応えを実感しているように見え、何を成し遂げようとしているのか、朝倉の謎や不穏さがより際立って感じられたのも良かったと思います。

何か企んでいるような不敵な笑みや、先の先まで読んでいるような余裕を感じさせる佇まいが朝倉のミステリアスさを際立たせていて良かったです。岳の才能を買っているのは伝わってくるけど、それ以外本当は何を考えているのかよく分からない、感情や温度を感じさせない表情や低めの声のトーンも役の雰囲気に合っていて良かったと思います。