フェルマーの料理

岳たちに海の病気をすぐに伝えなかった西門の真意をしっかり察している鋭い姿がさすが。西門を店に連れて来て経営権の譲渡を勧める姿も、命がけでKを盛り立ててきた岳のために絶対にKを存続させたいという担当医としての強い思いを感じさせました。海に病気の説明をする時の淡々とした、でも何処か自分の無力さを憂うような表情も印象的でした。

洋服を着ている姿、初めて見ました。これまでの見た目のインパクトが強すぎたせいか、倒れた海に真っ先に駆け寄って脈をみたり、無理をする海に渋い顔を向ける姿など、何てことない仕草でも「ちゃんとしたまともなお医者さんだ」っていう謎の安心感がある。しっかり忠告はするけど無理強いする雰囲気がないところも、言っても聞かない海の性格と強い意志をちゃんと理解しているのが伝わってきて、二人の付き合いの長さや信頼関係を感じさせるところも良かったです。

寒空の中、外でも裸のままな姿も「何で裸なんですか」って岳にストレートに訊かれてるのも面白過ぎる。笑わそうとしてるわけじゃないから余計にシュールさが際立ってジワジワきます。はぐらかして岳に招待を明かさないのも、岳と海の会話を曖昧な微笑みを浮かべながら聞いているところも、台詞はないけどやたら意味深な感じを醸し出していて好奇心を搔き立てられるところも良かったと思います。

西門に渡された資料を見た時の緊張感漂う表情がとても良かったです。いつも笑顔で飄々としているから余計にそのシリアスな空気が印象深く感じられ、海が抱える秘密の重大さをより際立たせていたのも良かったと思います。見た目のインパクトが強いただの変わり者ではない新たな顔が垣間見れたのも新鮮で良かったです。

毎回ピリついた雰囲気の密会シーンだけど、全く気にせず一人ヘラヘラ笑っていたりご機嫌にお喋りしていたり、空気を読まない姿が淡島のマイペースな性格や3人のヒエラルキーを感じさせて良いですね。限られた出番の中で、表情のちょっとした変化や声のトーンで淡島の人柄をしっかり表現しているところもさすがだと思います。

今のところ毎回ラスト付近に登場するだけだけど、何度見ても上半身裸でテーブルにつく姿に新鮮に驚くし、強烈なインパクトで目を引きます。岳と渋谷のやりとりを面白がるように見ているところや、他人事っぽい第三者的な立ち位置の口調も「この人何者なんだ？」っていうミステリアスな雰囲気を際立たせていて良いと思います。

1話ラストにちらっと登場しただけだけど、上半身裸でコース料理を食べるというシュールな姿がインパクト大で、しっかり存在感を示していたと思います。現実にはいないだろう漫画ならではの独特なキャラだけど、普通に馴染んでいて違和感がないところも凄いなと感じました。