緊急取調室 (第５シーズン)

間接的ではあるけど、さも当然という調子で渡辺をイケメンって褒めちゃうのが良かった。皮肉とか揶揄いとか一切なく、真面目トーンだから余計に刺さる。サラッと褒めてそれをスッと受けとめる、二人の関係性が微笑ましくて素敵だなって思いました。

去っていく金本の背中に「成果なしだってよ、ケッ」って吐き捨てる姿が小学生の子供みたいで、牽制はしつつも文句や悪口は一切口にしなかった渡辺との落差が面白かったです。金本の嫌味に憤って戦闘モードになっても、渡辺が金本に詰め寄っていくとスッと自身の怒りは鎮めて抑えに回る姿も、モツナベコンビのバランスの良さが感じられて良かったです。

矢代の養子たちに自身の過去を話し、「人は本当に辛いことは言わないもの」「ほんの少しでも力になれることがあれば頼ってくれると嬉しい」と寄り添う姿が良かった。状況は違うけど、辛いことを抱えてそれを言い出せない二人の姿が過去の自分と重なったのかなあって、その辛さを知る監物だからこそ出来る手の差し伸べ方が素敵でした。

梶山のパシリ扱いに怒ってたけど、とっておきの情報を掴んだ時はドヤ顔で「ちゃんと頭下げてお願いしろ」って態度に出まくっていて、何だかんだお互い様な感じがモツさんらしくて笑っちゃいました。たまに見せる小学生男子みたいな子供っぽさと、それを宥める大人な渡辺との息ぴったりな凸凹コンビっぷりも楽しくて好きです。

意気揚々と「吉報だ」って登場したのに何度もスルーされちゃう姿が、不憫なんだけどおかしくて笑ってしまいました。よくあるお決まりのパターンだけどちゃんと面白いのが凄い。無責任な近藤に激昂する姿も、監物の正義感の強さや、身勝手な行動で若者の命が奪われたことへの憤りや悔しさが伝わってきて良かったです。

ゴミの中から証拠品を捜すシーンで頭に鉢巻代わりのタオルを巻いていたり、ゴミ置き場の臭いに一瞬クラっときてたり、ちょいちょいコミカルな小芝居を挟んでくるところが好き。特に今回は取り調べシーンがメインで場面の変化が少なかったから、モツナベコンビのやりとりがドラマ全体にメリハリを生む良いスパイスになっていたと思います。

ちょくちょくキントリに顔を出して情報提供してくれる姿が頼もしい。何の遠慮もなくデスクに置いてあるパンを食べちゃうのも、気心知れた付き合いの長さが感じられて良かった。暴れた辻本に殴られたのか、突然鼻血出して登場したのも、辻本の取り調べを「あのクソ野郎が」って私情丸出しで見ている姿も、場の緊張感を乱さない程度にほどよくコミカルさがあって良かったと思います。