警視庁アウトサイダー

水をかけられたり机に顔を押し付けられたり、かなり陰湿で強引な取り調べを受けていてハラハラしたけど、最後に上司を殴るシーンでスカっとさせてもらいました。殴ったあとの表情もスッキリした良い顔してたし、事件が解決したからか、纏う空気も余計な力が抜けて穏やかに感じられたのも良かったと思います。

蓮見に情報提供するシーンが毎回出てきますが、人目を忍んで小声で話していても台詞が聞き取りやすいところが良いですね。早口気味なのも手短に目立たないようにという緊張感が伝わってきます。誰かの気配に気づいてハッとした表情になるところも、一瞬だったんだけど強く印象に残り、有働に正体がバレてしまう後の展開への良い伏線になっていたと思います。

「直人を通さずに連絡するの止めて下さい」と架川に忠告するシーン、蓮見との強い絆と信頼関係が感じられて良かったです。二人で支え合いながらずっと捜査を続けてきたんだろうなって伝わってくる。梶間に面会してきたという架川に「元気にしてましたか？」と食い気味に尋ねる姿も、羽村にとっていかに梶間の存在が大きく大切なものかが伝わってきて良かったです。

絶望して自暴自棄になった荒んだ姿から、梶間と出会って徐々に穏やかな良い表情に変わっていく様子がとても良かった。梶間に対する深い感謝や憧れの気持ちが伝わってきて、犯罪に手を染めてまで羽村が梶間と蓮見のために動く説得力がありました。ドタバタシーンや小ネタが多いドラマだけど、落ち着いた低い声と鋭い眼差しで、一瞬でシリアスな空気に変えるところもさすがだなと思います。

てっきり蓮見の敵だと思ってたけど、あの企み顔も何か思案してるような渋い表情も怪しい行動も、すべて蓮見を監視対象から外すためのものだったんですね。そういう展開でも全く違和感のない、敵味方どちらとも取れそうな絶妙な演技のバランスがさすがでした。敵だと厄介だけど、こういう頭のキレそうな人が味方だと頼もしくて安心感があります。これから架川たちとどんな関りを見せてくれるのか楽しみです。

蓮見が捨てた缶コーヒーを見つけた時のニヤっとした悪そうな笑みや、コソコソすることもなく堂々と刑事課にやってきて部屋を物色しようとする大胆さ、監察係として問題のある架川や蓮見を見張るのは当然だけど、それだけではなさそうな企みや悪意を滲ませた演技が上手いです。何を考えているのかよく分からない、掴みどころのないミステリアスさがあって、登場シーンは少ないけどインパクトがあります。

上司に「架川が鷲見組の犬だと必ずはっきりさせますよ」と宣言するシーン、静かな口調だけど凄みと迫力があって印象に残りました。鋭い視線やニヤっとした笑みも、架川のシッポを掴んでやるという強い覚悟や自信を感じさせて良かったです。出番はとても少なかったけど、しっかり存在感を示していたのもさすがだと思います。