らんまん

医療技術が現代とは比べものにならない時代に、体の弱い子どもを残し、死期を悟っている母親がやれることは、子どものために微笑む己の記憶を残し、良い人生を送れるように前向きな言葉を贈るしかない。それがヒサというキャラを演じるポイントになる。広末さんの演技はうまいとは言えなくても、十分にその要求を満たしているし、母性の本能みたいなものを感じさせてくれた。あの母性はやはり年齢を重ね、自身も母親だからこそ滲み出てくるものだろうし、年齢なりに女優として成長しているなと思う。

10代の時から変わらないぶりっこ演技、不自然な声の出し方、感情が高ぶると目をかっと見開く、いい子風に口角上げ続けるなどなど、意味不明な縁演技ばかり。楽しみにしていたドラマだけどまたこの人が出てきてげんなり。母性も感じないし儚げなんて雰囲気ちっとも感じないポジティブオーラ。キャラ設定とキャスティングがちぐはぐ。役者としての才能は感じないが、固定ファンがいるのはわかった。

お姑さんにもう長くない命を悟りながら子供たちのことを頼むシーンにすごく感動しました。嫁として勤めを果たせない申し訳ない気持ち、病気で寝込むしかない歯がゆい気持ち、子供たちのそばにずっといたいのにいられない気持ち、抑えた表現の中で精一杯の気持ちが溢れていました。もらい泣きです。

優しくて温かい語り方が素敵で、それでいて薄幸そうで儚げで。決して病的には見えないけれど、それを補って余りある雰囲気がある。

病弱なお母さんの設定らしく儚げで、子供たちに向ける目はどこまでも優しく広末さんのお母さんとしてのキャリアが活きているのだろうなと思いました。万太郎とのやり取りで柔らかな口調の中にもきちんとした躾がありいいお母さんだなと思いました。