女神[テミス]の教室～リーガル青春白書～

自分がまだ立てていない場所に立てている友人を眩しく見たり、自分の不安を押し殺してみんなを応援したりと人懐っこい顔にふっと見せる寂しい表情がとても上手ですよね。その泥臭さにいじらしさを感じ母性本能をくすぐられます。

ちょっと陰のある笑顔や無理して明るく振舞っているような不自然さが、不合格だったらどうしようという不安や焦りを感じさせました。理想と現実の差に悩み葛藤する真中たちに「せっかく法律家になったんだから乗り越えろよ」と涙ながらに訴える姿も、自分がスタートラインすら立てていない苛立ちや「皆に頑張って欲しい」という応援したい気持ち、桐矢の複雑な心境が伝わってきてグッときました。自分のことで精一杯なのに、皆が話し合えるように飲み会をセッティングしてあげるところも、仲間思いで気遣い屋の桐矢らしさが感じられて良かったと思います。

照井に「検事の仕事は任せた」と託されて「了解！」と元気に敬礼する姿が、お調子者の桐矢らしくてほっこりしました。皆に「大丈夫かあ？」ってイジられてるところも、照井のスパルタ指導にあたふたしてるのも、無事に卒業が決まって「照井先生のおかげです！」って握手して感激してる姿も、どれも愛されキャラ全開で微笑ましかったし、そういう役がホント嫌味なく似合うところも良いなと思いました。

期末テストの存在をすっかり忘れていて、頭を抱える姿がほのぼのしていて良かった。塾講師の事件の胸糞悪さや法律の理不尽さに触れて鬱々とした気持ちになっていたから、桐矢の明るさとお茶目さにかなり救われました。天野の目標を訊いて「向日葵ちゃんならなれるよ」って背中を押すシーンも、力強い口調でお世辞に聞こえず、本当に心からそう思ってると伝わる真剣さと天野への信頼が感じられたのも良かったと思います。

落ち込む照井が心配で何かと連絡取ろうとしたり、しつこく構ってしまうところが優しくてお節介な桐矢らしくて良かったです。照井に警察呼ばれそうになったり、犬に吠えられて大騒ぎしながら逃げ回ったり、ちょっと残念で３枚目っぽい姿も良い味出してました。見てるこちらまでつられて笑っちゃいそうな、目が無くなるくらいの人懐っこい笑顔も桐矢の人柄の良さそのものを表しているようで良いですね。

津山の死に人一倍ショックを受けてなかなか立ち直れない姿が印象的でした。いつもは仲間を明るく励ます立場にいる人だから余計に無理して笑う顔や陰のある表情が際立っていて、桐矢の姿から法律家の責任の重さを再認識することが出来たと思います。検事になる不安や怖さを口にするシーンや、柊木の言葉や仲間たちの励ましに涙する姿も、素直で真っすぐな桐矢らしさが出ていて見ごたえがあり、グッときました。

藍井ゼミに選ばれなかった時の反応が、これまで見たことないくらいの暗く沈んだ落ち込み具合で心配したけど、そこから気持ちを入れ替えてモチベーションをアップさせるポジティブさや逞しさが桐矢らしくて、見ていて応援したくなります。真中とすっかり仲良しになってる姿も微笑ましい。柊木に成長を褒められた時の、心底嬉しそうな満面の笑顔もとても良かったです。

法律上ペットはモノ扱いと知ってショックを受ける姿が優しい桐矢らしくて良かったです。怖がる照井を気遣って、拒否されても無理やり一緒に帰宅したり、皆で話し合いをしてる時もおちゃらけて場の空気を明るくしたり、明るくて温かくてホント良い子。そういうキャラをあざとさや嫌味を感じさせずに自然に演じられるところが前田さんの魅力だしすごいなと思います。

距離の近い水沢と天野を見かけてソワソワしたり、無理やり二人の間に入り込んでみたり、成人男性とは思えない初々しい反応が良いですね。それをあざとくなく自然に演じられるのもすごい。模擬裁判でも初回とは比べものにならない頼もしさを見せてくれて、桐矢の成長っぷりが感じられたのも良かったです。桐矢がいるだけで、その場がほのぼのと温かい空気になるところも前田さんならではの魅力だなと感じます。

なんでもスマートにできるわけじゃなくて成績も良くない劣等感みたいなものが見えるところがいじらしくて応援したくなっちゃうんですよね。人一倍素直で伸びしろをとても感じます。キラキラした目を見ると若いっていいなと思います。

仲の良い天野と水沢を見て胸が痛くなったり、公判での横溝の姿をキラキラと憧れの眼差しで見つめていたり、感情がそのまま顔に出てしまう素直さがとても良いですね。照井にキツく当たられても笑って受け止めるし、真中相手でも自分の意見をしっかり伝えられるようになってきたし、人柄の良さやまだまだ成長出来そうっていう伸びしろを自然に表現しているところも上手いなと思います。屈託のない笑顔も魅力的です。

色んな角度から物事を見ることが出来て、悪いと思ったら素直に謝れて、相手の気持ちに寄り添うことも出来る。こういう人が弁護士になってくれたら良いなあって思える好青年を嫌味なく自然に演じていてとても良いですね。真中に意見を求められた時に口に出せないところも、成績の悪さゆえの気後れや自信の無さが伝わってきて良かったです。

あのまえだまえだの弟さんですよね。イケメンに育ったけれど愛嬌もそのままですごくかわいいです。大人と子供の中間って感じがほっとけない子犬のようで、そして表情が豊かなので目が離せません。フッと明るくなったり暗くなったりするところがうまいですね。

学生たちが皆ピリついていて感じが悪いので、桐矢の明るい笑顔や素直さに触れるとホッとします。「良いヤツ」って言葉そのまま体現したようなキャラがよく似合いますね。優秀な真中に向ける卑屈な視線や表情も、成績下位の桐矢のコンプレックスを感じさせて良かったと思います。