虎に翼

あさイチのプレミアムトークで思い出しました。優三さんの変顔。寅子の全力顔じゃない優しくてもう少し緩い変顔。優しくて悲しくて寂しい顔。その中でも少しでも相手の気持ちを和らげようと頑張った感じ。優三さんが忘れられません。

声を聞けばいつでもあの柔らかな笑顔が浮かんできます。遺書の朗読もとても優しい気持ちが溢れていて、自分が守れない悔しさと自分がいなくなってからの2人の幸せを願う気持ちが十分伝わりました。あんなの見たら泣けちゃうよね。

回想シーンや写真に出てくるだけでも、優三さんの想いや優しさが伝わってくる。優三さんとしてこちらに響く演技をされていたからこそだと思う。

寅子に遺言のように話し掛けているシーンも素晴らしかったし、別れの泣き笑いの顔も良かったけれど、今日の寅子の思い出の中で寅子の背中をそっと押す言葉を重ねるシーンは本当に涙なくては見れなかった。優しくて温かくて、そして何より想いが愛が深い。言葉の一つ一つが丁寧で、とても大切にセリフをおっしゃっていたように感じました。

戦病死か。残念です。優三は寅子に愛を教えたといって良いでしょう。法に携わる人にはある種の厳格さが必要でしょうが、その奥には深い愛情がないとダメだと思います。人を知ることなく、人をシステマティックに裁くのならば、ＡＩでもいい。だから優三が果たした役割は大きいものだと思います。演じた仲野さんですが、相変わらず軽妙でありながら、しっかり奥深さのある芝居だと思います。言い換えると人間臭い芝居です。それこそ優三というキャラに求められるものであり、素晴らしかったと思います。

ゆみを愛おしそうに抱きしめて寅子の作ったお守りを大事そうに握りしめた。こんな人が兵隊に行ったら武器を持ち人を殺すのかと思うとやるせない気持ちになります。優しい優しい変顔は寅子を最後まで笑顔にしこれからの幸せを願っているようでした。素敵な笑顔でした。

いつでも柔らかな笑顔で寅子を癒してくれる優三さん。その笑顔のままで寅子を励ますだけでなくいなす場面もありました。寅子だって正しいことばかりしているわけじゃないと分からせる場面。決して上からではなくみんなを平らに見るように話すから寅子も聞けたのかなと思いました。こういう人がそばにいてくれるって幸せだなと思います。

寅子へのプロポーズは今までで最大級の緊張だったのだろう。お腹も大変そうだったし、それを頑張って乗り切ったのは頭の中に何時ぞやらの寅子の変顔が浮かんだのだろうか。本当に心配したくなるほどの顔で、コミカルなんだけれど軽くなり過ぎない絶妙な塩梅で感心する。

猪爪家の窮地をこれまでの恩に報いるため一生懸命動いて助けてくれる優三さんの姿がとても印象に残りました。真剣に寅子を支える目は書生としてだけではない含みがあるような気がしてワクワクします。これから優三さんがもっと頼もしく成長してくれるんじゃないかなと期待しています。

緊張のせいでお腹が緩くなった時のあの表情の数々。顔芸何連発かわかりませんが大いに笑わせていただきました。深刻な状況なのにあの表情で少し気持ちが軽くなる。きっと寅子もそうだっただろうなと思った。

寅子ちゃんを見つめる目がいつも真剣で、まさか恋心があるのか？と疑ってしまいます。家の中では居候なので大きく動くことはできませんが、いつも寅子ちゃんを見守っているように感じられてドキドキしてしまいます。