TOKYO MER～走る緊急救命室～

指示ができるただ一人の医師になっても、やったことない手術だろうが目の前にいる人にできることをしようという強い意志が目に宿っている気がして、その成長具合に感動しました。

比奈先生自体は1話からどんどん成長してきて、最終回でも喜多見チーフや音羽先生が不在の中、メンバーに指示を出したり奮闘していて頼もしくなっていて良かったけど、中条さんの演技はこの緊迫シーンと早口の専門用語台詞だらけのこのドラマには向いていなかったなと思います。まず演技が他のキャストに比べて未熟過ぎるし、活舌が悪いせいか難しい台詞をやっと喋っている感じがして聞きづらいし、マスクや防護服を着ているとさらに聞き取りにくい。棒読み演技のせいか、中条さんが喋ると一気に場面の緊張感が薄れる感じがするのもイマイチでした。

やっぱり喋っているときより、言葉を発さずに悩むシーンや涙を流すシーンのが見映えがするなと感じました。涼香を助けられなかったことを悔やむ気持ちと喜多見を思う気持ちが混じったような表情はとても良かったです。

何かあると口をきゅっとさせていろんな感情を表現しているみたいですが、表現の幅がなくあまり伝わってきません。笑顔で黙って立ってるときが一番映えるって女優さんと言えるのかな？

指示に従ってキリッとした表情で、治療に当たる姿はとても凛々しく見えます。最初の頃の内股でピーピーうるさかったのが嘘みたい。ちゃんと医師に見えるようになってきた変化もいいなと思いました。

長めに話すシーンがあると滑舌の悪さや棒読みっぽさが目立って、周りのキャストとの差を感じてしまいますが、今回くらいの出番ならそれも気にならず良かったと思います。現場にも慣れてきて尻ごみしたり戸惑うことがなくなってきたし、自分の決断にしっかり責任を持って患者と向き合う様子が頼もしく、成長を感じさせます。回を追うごとに動きも表情もどんどん変わってスポンジのように色々と吸収する弦巻の姿が、医療業界ベテランの他のMERメンバーと良い対比になっていると思います。

山中でのオペシーンでは夏梅と徳丸への指示に迷いがなくてテキパキしているし、状況判断も早いし、以前のオペシーンとは別人のように頼もしくしっかりしていて医師としての成長が伝わってきました。「頑張れ～！」と必死で声をかけながら心臓マッサージをする姿も喜多見を彷彿とさせ、彼の姿を見て日々学んでいるんだなと感じられたのが良かったです。

かなり動けるようになっているし、口調にも迷いや「どうして私が…」というような不貞腐れた感じがなくなって弦巻先生の内面の成長と覚悟が伝わってきます。演技も初回より上手くなってきてる気がする。弦巻先生と共に中条さん自身も進化していて応援したくなりますね。エレベーターが開いた後の医療シーンもスピーディーでテンポが良く、MERのメンバーとしてちゃんと戦力になっているのが感じられました。

4話はMERと循環器外科を兼務している弦巻先生だからこその活躍ぶりで、医師としての成長が感じられて良かったと思います。MERと連携出来るように自分のマイクを高輪先生に貸したり、事故現場に行って心臓を受取り病院まで届けたり、今自分が出来ることを自分で判断して率先して動く姿は患者から逃げていた2話とは別人のように頼もしくて、覚悟ってこうも人を変えて成長させるんだなと実感しました。MERの面々と世間話をしてる姿も弦巻先生の馴染みっぷりが感じられて微笑ましいです。

文句を言わなくなったし、覚悟が出来たからかそれなりに動けるようになってきたし、皆と世間話をしたり馴染んできたのは良いんだけど、「喜多見に反発する」という他のメンバーとは違う設定が消えたせいで全然目立たなくなった気が…。3話は夏梅がメインの回だったから仕方ないかもしれないけど、綺麗でスタイルも良いのにあまり存在感がないし、かと言って演技が上手いわけでもないし、別にこの役中条さんじゃなくても良いよなあって思ってしまいます。

中条さんがどうとかって話とは別として、こないだまでゾンビ相手に優秀な看護師だった人が今度は頭でっかちな研修医ってさ。ちょっとごっちゃになっちゃうからやめてほしい。研修医ってほどの初々しさもないし。もうちょい若い新人でもよかったかな。

言われてるほど下手とは思わない。うまいとも思わないが。
山ちゃん脚本のドラマで高校生役をやってた時は大人っぽすぎて物凄い違和感だったが、年齢層相応の役をやると本当に美しい。下手な部分もルックスで全てチャラにしている。
スタイルも菜々緒と並んでも負けてないか、寧ろ勝ってる。菜々緒は顔が長い。

一生懸命なのは伝わるんだけど、やっぱり周りとの演技力の差が大き過ぎて1人浮いてるのが残念です。棒読みな上に舌っ足らずなのか台詞もやっと喋っている感じで聞いていてヒヤヒヤするし、表情も「この感情の顔を作ってます」という表面的なものに見えて、緊迫したシーンも緊張感や必死さがイマイチ伝わってきません。せっかく演技が出来る人を集めているのに勿体ないなと感じてしまいます。

喜多見チーフの強引なやり方も、MERの存在自体も反対で、そこに配属されていることが嫌で仕方ない研修医の弦巻さん。衝突事故の加害者を優先して救助することが納得いかなかった彼女は、救急救命の現場が苦手なのかなと思っていたけど、彼女なりの信念や理想が強くあるのかな。

演技力のある俳優揃いの中で、一人だけ学芸会レベルというか力不足が隠せない感じ。彼女がセリフをしゃべってると、そこだけテンポが崩れて弛んだ空気感が漂う。
役柄的にも、MERの診療体制に不満を感じてブーたれてるような雰囲気なので、他のメンバーに比べて余計に浮いた感じもするのかな。

演技の上手いベテランの主要キャスト陣の中ではまだまだ棒読み感や不慣れさがありますが、逆にそこが緊迫した現場に圧倒されている感じや喜多見のやり方やMERに馴染めない雰囲気とマッチしていて良かったです。事故の本当の原因を知った時の動揺した顔や、喜多見を見る時の不満げな視線など、コロコロ変わる表情も心の変化が伝わってきて良かったと思います。