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結婚式の余興VTRなのに「週刊熱波」の宣伝を挟むちゃっかりしたところが曽我編集長らしくて笑っちゃいました。たまに見せる鋭い視線や怪しげな雰囲気も印象深くてドラマを盛り上げていたし、舞台仕込みのよく通る声とリズミカルな台詞まわしも心地よくて、出番は多くはないけどしっかり存在感を示していたのもさすがでした。小手さんや吉田さんとの演技巧者同士のアドリブ合戦をもっと沢山見てみたかったです。

街中で囮作戦をしてる海造に鉢合わせた時の嬉しそうな笑顔や、記念撮影大会をちゃっかり仕切ってる姿がお調子者の曽我らしくて良かったです。ゲスい感じや軽さがイマイチ好きじゃなかったけど、張り詰めた緊張感が続く8話では、このおちゃらけた感じがすごく有難かった。ただただ楽しそうに海造や集まってきた人たちと盛り上がる様子が、重苦しい気持ちを少し軽くしてくれた気がします。

人としてどうなんだろうっていう下衆発言や空気の読めない感じが苦手だったけど、釈放されたこころを「びっくりしたよ～」とすんなり受け入れて普通に接する姿を見てちょっと見直しました。数秒のやりとりだったけど、ちゃんとこころへの信頼が感じられたのが良かったです。真犯人に嵌められたのにイマイチ反応が鈍いこころに「怒れ、怒れ」「お前が犯人捕まえるんだよ」と煽るところも、スクープ狙いの敏腕編集長らしさがあって良かったと思います。

こころが五十嵐親子と親密な関係だと知っているのに、吸血鬼の扮装をして「犯人はやっぱり吸血鬼だった」と大はしゃぎしたり、まつりの死もあって周りの社員も沈んだ顔をしているのに「独占インタビューが取りたい」と一人盛り上がってたり、見ていて不愉快になる空気の読めなさや無神経っぷりが曽我のクズさを際立たせていて良かったと思います。吉田さんとのやりとりも、ベテラン舞台役者同士の濃厚でクドい演技合戦が面白かったです。

真正面から取材して真実を伝えたいと訴えるこころを一蹴し、まつりの男関係にフォーカスした特集を組もうとしたり、人が殺されてるのに「吸血鬼は実在した！」と大はしゃぎして喜ぶなど、少ない出番でも曽我の下衆さをしっかり印象付ける演技がさすがです。たまに見せる眉間に皺を寄せた意味あり気な表情も気になるし、「ひょっとして怪しいかも？」というあからさま過ぎないアピールと匙加減も上手いなと思います。

エキサイト西田の凶行に「ジャーナリズムへの冒涜だ」と激怒する姿が印象的でした。仲間を襲われた怒りはもちろん、どんな内容であれ「真実を伝える」という報道に携わる人間としてのプライドが感じられ、いつもの飄々とお気楽な姿とギャップがあって格好良かったです。

会議シーンの緩急自在な台詞まわしが見事でした。舞台仕様でオーバーだけどやり過ぎず、声を張ったり囁いたり、短いシーンでもグッと惹きつけられるような印象深い演技がさすがで、そのテンションの高さから吸血鬼の存在に興味津々な曽我のオカルト好きな一面が垣間見れたのも良かったと思います。