やんごとなき一族

最終回でも「ホント成長したよね」と佐都に言って突っ込まれてたけど、同じ嫌味っぽい台詞や上から目線な発言も、佐都を敵視してた時と全然違ってちゃんと「仲が良いからこその冗談」に聞こえるところが良いなと思いました。以前と違って言葉に棘がないし、冗談だって分かってもらえるっていう信頼感や安心が伝わってくる。もっと2人の仲良し義姉妹ぶりが見たかったです。

婚家ではうまくいってなさそうなありさ。結婚してからしょぼくれた表情が多かったけど健太とサトさんの緊急事態には結婚する前のいつもの表情が復活していた。自分の悩みよりも人のために動いている方が元気になることってあると思う。力強い味方が来たみたいで頼もしかった。

健太の記憶が戻らなかったどうしようと弱気になる佐都を励ますシーンがとても良かった。「佐都さんのこと忘れるなんてあり得ない」ときっぱり言い切る姿が、気休めや慰めというより有沙自身がそう確信しているように聞こえて心強かったし、健太という最大の味方がいない中、優しく佐都の心に寄り添う姿がとても頼もしかったです。

結婚前は自由気ままなわがまま娘で婚約中は幸せいっぱい夢いっぱいだったのに、結婚してから見るありさは全然幸せそうじゃない。いつも伏し目がちでトボトボ歩いている。結婚に夢も希望もなくなっちゃうなー。目線や歩き方など言葉に出さなくても素直なありさらしく、すぐに心が読める仕草が素晴らしい。

妊娠のプレッシャーをかけられて、俯いて元気のない表情を浮かべている姿が辛かったです。あんな楽しそうに「自分が作った料理で育てたい」って理想の親子関係を語っていたのに、全然幸せそうじゃなくて、久美や佐都にむける縋るような視線が助けを求めているようんで見ていて切なくなりました。佐都と2人でケーキを食べるシーンでは、健太にしていたように佐都のケーキの苺を取っちゃう姿が見られて、佐都を本当の姉のように慕って心を許しているんだなって伝わってきてほっこりしました。

心がザワつくシーンが多い中、有沙の幸せそうな笑顔やキラキラとした幸せオーラにかなり救われました。佐都と一緒に料理を習うシーンも、冗談を言い合って和気あいあいと楽しそうで、本当の姉妹のように仲良しな姿が微笑ましかったです。「佐都さんちみたいな親子らしい親子になりたい」という言葉も、6話のお茶会で真っ先に良恵に拍手を送った姿を思い出させてグッときたし、幸せな家庭を築く気満々な前向きな様子が見られて嬉しかったです。

あんなに大騒ぎしたのに兄の心配をよそに婚約者といい感じになっちゃうところがありさっぽくていいですね。ちゃっかりしている妹って感じ。お茶会で一番初めに拍手しだしたのはありさ。素直ないい子なんだろうなと思いました。

あんなに嫌がってたのにすっかり香川と仲良くなって婚約までしちゃう切り替えの早さが有沙っぽい。あの大騒ぎがなかったかのような浮かれっぷりがいかにもワガママ末っ子って感じだけど、強がりじゃなくて本当に幸せそうな笑顔が見られてホッとしました。お茶会で良恵が笑いものにされるシーンでは、決して笑わず心配そうに良恵を見守っていたり、良恵の見事な対応に笑顔で真っ先に拍手を送るなど、佐都と関わるシーンが少なくても2人の絆の強さが感じられる場面が多くて感慨深いものがありました。

俊也のことが本当に大好きなんだなと伝わってくる、穏やかで幸せそうな笑顔がとても可愛かったです。だからこそ俊也がお金をあっさり受け取った時の絶望した表情や連れ戻された時の虚ろな目がより強く印象に残って、切なくて胸が苦しくなりました。佐都にこれまでの態度を素直に謝ったり、「自分のためにここまでしてくれる人がいるって分かっただけでも幸せ」と前を向く決意をしたり、ただのワガママお嬢様ではない強くて凛とした素顔が垣間見れたのも良かったです。佐都の手を取って「ありがとう、お義姉さん」って優しく微笑む姿も2人に芽生えた絆が感じられてグッときました。

佐都が作ったねこまんまを「貧乏くさい」って一蹴したり、かと思えば別の日には「佐都さんにしか作れないから」とねこまんまをリクエストしたり、ワガママな性格全開なところが絵に描いたようなお金持ちのお嬢様って感じで良かったです。いくら腹が立ったからって人の頭にケーキぶちまけるなんてしないと思うけど、そういうヒステリックで感情そのままに行動する子供っぽいところも甘やかされた末っ子らしさがよく出ていました。生意気だけど、何だかんだ佐都と健太に甘えてるところが可愛らしくもあり憎めないキャラだなと思います。

佐都にクルーザーの片づけを頼む時の甘えたような声や上目遣いの表情が可愛らしくて、佐都がつい引き受けてしまうのも分かります。どう振る舞えば相手を動かせるか熟知してるところが末っ子の妹っぽい。お金持ちのワガママ娘という雰囲気がよく出ていると思います。

キョロキョロと動く目で家庭内のやばい雰囲気を察知して周りを伺っているお嬢様。何不自由なく自由気ままに過ごしているように見えて1番家族の心の動きに敏感なのかも。かわいくわがままだけじゃないところが垣間見える。

佐都に対して無神経でキツいことも言うけど、意地悪というより思ったことをそのまま口に出してるだけっていう感じがするのが悪意全開の美保子との違いがあって良いと思います。男兄弟の中で唯一の女の子、しかも末っ子で特段甘やかされて育ったんだろうなという生意気でワガママそうな雰囲気も似合ってます。