わろてんか

どうしても藤井隆にしか見えない。毎回、「あ、藤井隆がまた演技してる。」と思って観ていました。何がいけないんだろうかと考えてみたのですが、たぶん見た目がいつもと変わらない感じだからと思います。もう少し、髪に手を加えるとか眉毛とか変えてもらったら、ドラマの登場人物としてなじんだのではないかと思います。

そもそも、多数のドラマ経験のある藤井さんなので、演技自体は納得のレベルといった感じがします。
最初は、ただのだらしない芸人だったところが、だんだん頼りがいのある作家になっていて、その移り変わりの自然さが、さすがだと感じています。

このドラマ、この人なしでは成立しないのではないかと思わせるくらいの貢献度です。主力メンバーに関西人がいない中、この人のネイティブな関西弁がドラマにリアリティーを与えているように思います。芸人から作家に転向した後のほうが、藤井さんの隠れた知性を垣間見ることができます。

藤井隆さんの存在感が最高いい味をだしています。
表情の豊かさが、他の役者さんにはないものかあり、セリフのないシーンでも、今回はどんな顔、表情しぐさをしているかついつい注目してしまいます。発話しなくてもこんなに視聴者を楽しませてくれる俳優さんはなかなかいないと思います。

藤井隆さん演じる、この万丈目の「後ろ面」という芸は、まったく面白くありません。ドラマ内の寄席でもあまり受けていないようです。そんなスベリ気味の役柄は藤井隆さんにぴったりだと思います。

芸人として売れない時期のやさぐれた感じや、うたこさんの尻に敷かれてる感じが面白かったです。うしろ面一筋でいくと宣言したところは、ちょっとかっこよかったです。

凄く器用な方だと思いますが、今回のドラマに関しては制作側の過度な期待が逆に彼の良さを潰しているのではないかと思います。
今回の役柄は彼の本来の面白さ、個性、人柄が上手く引き出されていません。実に勿体ないキャスティングだと思います。
結局は彼にお任せ的な演出に疑問が残ります。

ドラマ自体は脚本が悪いのか、演出が悪いのかイマイチ盛り上がりにかけてて、笑わそうとしてるけど、あまり笑えなくて、でも藤井隆さんで、笑いのスパイスが何とか出てる感じだと思います。

芸をやってもスベる役どころ、がんばってらっしゃいますね！
とても演技力のある芸人さん…というか半分俳優さんですが、その良さがあまり出てないような気がして残念です。
オモシロ演技だけじゃなくて、シリアスなのもいいのにな〜、勿体無い。

もともと吉本新喜劇のイメージが強い方ですが、本当に素晴らしい演技力の持ち主だと思います。おかしな役から不思議な役、そしてシリアスな役まで違和感なく様々な顔を使い分けて見事です。真面目さが演技から伝わってきます。