トットちゃん！

守綱が亡くなった後も、ふさぎこむことなく前向きに明るく自分の人生を楽しむ姿が生き生きとしていて美しく、観ていて元気が出ます。著書のインタビューを受けている時に「印税が貰えるのが嬉しい」とかお金の話ばかりしていましたが、松下さんの持つ品の良さと穏やかで優しい語り口のおかげで全然下品にならないのが良かったです。

トットちゃん役が子役さんから清野さんに代わった頃は、いつまでも若い演技のままなのが気になっていましたが、最近はメイクも控えめになって白髪も作り、話し方も年配者特有のゆったりとしたテンポに変わり、声も低く落ち着いたものになり、長い年月の経過を感じさせる演技を見せてくれていると思います。

まだ若い女優さんですが、年齢を重ねた演技がとても上手だなと思いました。松下奈緒さんは、実年齢のわりにとても落ち着いた雰囲気があるので徹子役の清野菜名さんと並んでもお母さんに見えます。強くて上品で愛情深く、黒柳徹子さんはこんなお母さんに育てられたのかなと想像できる気がします。

42話から髪型がボブになったり、声のトーンがより低くて落ち着いたものになったり、話し方も以前よりゆっくりになったり、年月の経過を表現する様々な工夫が見られるのが良いですね。松下さんのしっとりと落ち着いた品のある演技が、トットちゃんの若さや天真爛漫な魅力をより引き立たせてくれていると思います。

美人で上品な妻役を演じさせたらこの人の右に出るものはいないなあと改めて思いました。声や話し方のトーンやしぐさなど、どれも完璧で欠点が見つかりませんでした。誰からも愛されるし親しみやすい雰囲気を醸しつつもやっぱり高嶺の花で簡単には近寄れない女性という難しい役柄を、見事に演じきっていました。

黒柳徹子さんの母、朝役を演じているのですが、いつもながらに安定感のある演技です。たくましいお母さんながら品があるという役柄にとても合っていると思いました。家族のどんな行動にも愛を持って接している感じがにじみ出ていると思います。

松下奈緒は、、、現代もので上手いと思ったことが正直ないのだが、この朝さんといい、昔やってたゲゲゲの女房といい、時代ものがピタッとはまる女優さんだな。
あと朝さんをみてると、老いの表現も絶妙で、上手いな、と思う

トットちゃんが子どもの頃は、守綱の代わりに働いて母親と父親の両方の役割を担った｢動」の演技が多かったですが、最近はトットちゃんと守綱を見守る「静」の芝居が多く、それが落ち着いたおおらかさが感じられる松下さんの雰囲気と合っていて、今の演技の方がより魅力的に見えます。

戦争中は値切り交渉までやってのけるチャキチャキ逞しい朝さんでしたが、平和になってからはその逞しさにしっとりとした落ち着きが備わり、しっかり年月の経過を感じさせるお芝居をしていると思います。多くは語らなくてもトットちゃんを見つめる優しく温かい表情から、彼女を信じて応援する朝さんの深い愛情が伝わってきます。

包容力と落ち着いた雰囲気があって、トットちゃんや守綱さんを優しく包み込むような温かさと母・妻としての大きさが感じられるのが良いですね。家族を見つめる眼差しや笑顔が温かくて幸せオーラが溢れているので、朝さんの笑顔を見ていると私も心がほっこりします。

松下奈緒さんの上品で落ち着いた雰囲気が大好きです。とっとちゃんもとてもかわいいですが毎回松下奈緒さんの出番を楽しみにしています。最近は出番が減ってしまって残念です。

守綱が帰ってきてから華やかさと美しさが増し、その場にいるだけでパッと場面が明るくなるオーラがあります。朝さんのマドンナ的な美しさや戦争中の苦労を感じさせない優雅な雰囲気が松下さんの持つお嬢様っぽい持ち味にマッチしていると思います。演技力は微妙ですが役には合っていて、しっかり者で逞しく、チャーミングなママを魅力的に演じていると思います。

トットちゃん役が清野さんに代わったのに、松下さんの演技がいつまでも若い時のままなのが気になります。2人並んだ姿はまるで姉妹のようで、高校生の娘がいるお母さんには見えません。年月を表現する演技力がないのであれば、せめて髪形やメイク、喋り方などを工夫する努力をして欲しいです。

青森に疎開してから、さらに表情がキリっとして逞しさが感じられ、父親と母親の両方の役割を担っていくという朝の覚悟が感じられました。背が高くて華があるので疎開先で外国人に間違われるエピソードも納得出来ますし、やはり美しいので「東京から来たべっぴんさん」と村で噂になるのも説得力がありました。

主役の母親役なのに、主役であるかのよう。トットちゃんより母親の方が今後どうなるのかの方が気になる。また、母親がトットちゃんとどう暮らしてきたのか、どう育ててきたのか、旦那さんとの夫婦生活、個性豊かな乃木坂クラブの人たちとの関わりが面白い。

北海道に里帰りをする回で、襖越しに父親に声をかけるシーンがとても良かったです。落ち着いた声と話し方で10年の歳月が感じられましたし、涙の流し方も綺麗で感情的になり過ぎない演技が良かったです。もうこれで生涯会うことはないかもしれないという覚悟と父への愛情が「いつまでもお健やかに」という一言に込められているように感じ、切なくて観ているこちらも涙が止まりませんでした。

顔はきれいなのですが、背が大きすぎるのが、女優としてはマイナスポイントだと思います。そして、どうしようもないのが、演技力が低くて、どの役を演じても同じようにしか見えず、朝ドラの頃からほとんど進歩していないように見えます。

もともと落ち着いた雰囲気のある女優さんなので、母親になってからのほうがより自然な演技をしていて良いと思います。トットちゃんを見つめる優しい眼差しが特に魅力的です。暖かいお日様のような包容力が感じられます。トットちゃんと歩くと時にそっと背中に手をやったり、話をするときにトットちゃんの目線までかがむ仕草など、子どもたちとの接し方がとても自然で、そんな様子からも優しいお母さんらしさが感じられて良いですね。

元々松下奈緒が好きなのですが、表情が豊かで、特に笑顔が好きで見ていてかわいかったです。
山本耕史と松下奈緒の演技が特に上手だなと思って見ているのですが、長身と優しい笑顔が今回の母親役にとてもあっていると感じています。
また、ちょっとした動作も上品で見ていて綺麗な所作が多く、松下奈緒の人柄が垣間見れるようで素敵だなと思います。

しっかりと家計を支えていて、守綱にも自分の意見をはっきりと伝えて正面きって喧嘩もするけれど、かかあ天下っぽさを感じさせないのは松下さんが持つ品の良さと前に出過ぎない控えめな雰囲気のおかげだと思います。決してでしゃばりに見えず、一生懸命守綱を支える姿が可愛らしく、いじらしく、シイナさんやアパートの住人が手助けをしたくなるのも分かります。

上品なお嬢さんらしい当事の言葉遣いを自然にこなしていて違和感がないのが良いですね。もともとクラシカルな雰囲気のある女優さんなので、昭和初期の衣装もよく似合っていると思います。大声で歌を歌う姿もコミカルさと可愛らしさのバランスが良く、守綱に一目惚れされるのも納得出来ます。自分の意志を持ち、困難も自力で乗り越えていく朝の明るさと強さを、豊かな表情と目力でしっかり表現していると思います。