西郷どん

こんなに上手な俳優さんだったんですね。脇役でも嫌みなく光っていました。

無念の死でしたが、大きな愛を持っている人柄が人相ににじみ出ていて、沢村さん自体を好きになりました。くぐもった声なので上手い役者というイメージはなかったですが、目の奥の優しさが伝わるので、人柄が役に投影されているのだと思います。立ち姿も凛としてステキなので、清潔感のある賢い役柄がお似合いだと思いました。

あの独特な薩摩なまりの言葉が一番上手に感じました。セリフがない部分でも目の動きや動作など、
細かい部分まで行き届いた演技に魅了されました。
切腹のシーンは本当に辛く、鈴木亮平さんを同じ位号泣してしまいました。

こんなに早く亡くなってしまうとは、本当にショックです。門下生たちを本当に暖かく見守り、彼らからも慕われ、いつも穏やかに笑っている赤山は、良心そのものでした。
沢村さんが鹿児島出身ということもあり、やはり方言は誰よりも上手でした！「ほあ、飲まんか〜！」とか、何気ない言葉づかいにさえ愛情を感じました。
あぁー、赤山ロスが半端ない。もっと長く出ていて欲しかった。こう思うのも、あの切腹シーンの渾身の演技があったからこそですけれど。
素晴らしい最期でした。

沢村さんは、赤山靱負に適役でした。若い人たちに希望と勇気を与え導く姿は、吉之助たちの心のよりどころだと思いました。しかし、切腹となってしまいました。切腹前、吉之助たちと酒を酌み交わす姿は気丈で泣けてきました。

4話で切腹となりましたが、惜しい人を失ったと心底悔しく思える温かさと誠実さが感じられる素晴らしい演技だった思います。話し方が上から目線ではなく、子供相手でも同士のような距離の近い接し方が赤山の懐の大きさを感じさせましたし、相手を気遣う優しさが表情から伝わってきました。薩摩言葉も自然で台詞が聞き取りやすいところも良かったです。