ミラー・ツインズ Season1

ウルウルした目で思い出の本を読んでいたり、暗い部屋で膝を抱えてうずくまっていたり、悲劇のヒロインに浸ってる感が強くてちょっとイライラしていましたが、勇吾の共犯だとバレる恐れがあるのに危篤の春江に勇吾の話をしたり、駆け付けた勇吾に抱きつくシーンは「勇吾と一緒に生きていく」という里美の強い覚悟が感じられて良かったです。

圭吾に「吉崎英里さん」と呼びかけられた時の表情が印象に残りました。目を見開いてはいたけどすごく驚いたという雰囲気ではなく、「とうとうこの日が来た」というような諦めと後悔が入り混じったような顔をしていて、正体がバレる覚悟が出来ていたように感じました。圭吾と初めて会った日のことを思い出す時の辛く切ない表情も良かったです。

会話中も圭吾から目線を外していたり、ボロを出さないように慎重に言葉を選びながら話したり、いつもと様子の違う圭吾に戸惑う里美の緊張や不安が表情や仕草一つ一つから伝わってきて、観ているこちらも息がつまるような緊迫感のある演技が良かったです。

勇吾が自分を疑ったり、脅すような口ぶりで距離を詰めてきても怯えずに毅然としていて、それが彼が自分には決して手をあげないと確信しているように感じさせ、2人の強く深い絆が伝わってきます。一方で勇吾に「圭吾にはもう二度と会うな」と言われた時に動揺したり、圭吾に「会いたい」と言われた時に迷って辛そうに頭を抱えたり、圭吾に本当に惹かれ始めてるのも感じられ、揺れ動く女心が見ていて切なくなります。

圭吾をおびき出す電話をした時に後ろめたそうな表情を浮かべたり、勇吾を追う圭吾を複雑そうに見ていたり、将来の話をされて一瞬パッと目が輝いたり、台詞になくても圭吾と勇吾の間で気持ちが揺れ動いて葛藤している様子がしっかり伝わってくるところが良かったです。勇吾と食卓を囲んでいる時の幸せそうな笑顔が印象的で、本当は復讐よりもこういう平凡な普通の生活がしたいんじゃないかなと、復讐に燃える勇吾との気持ちの温度差も感じられました。

圭吾からの着信に気が付いた時の冷たい眼差しが印象的で、里美の本当の顔が垣間見れた気がしました。圭吾といる時も勇吾といる時も、どこか陰があって寂しげな雰囲気が漂っているところも、子供時代の壮絶な過去を感じさせて良いと思います。

こういう二面性を持った女性役がよく似合いますね。圭吾を見かけて嬉しそうに駆け寄る姿や彼を心配する健気な姿がとても可愛らしかったので、あれが全部彼を騙すための演技だったのかと思うと「女って怖いな」とゾッとします。勇吾に話し掛ける時ののちょっと低めの声や強めの眼差しも独特の色気があって良かったです。

毎度同じような役柄ばかりで正直つまらないが、今回もはまり役で良い芝居を見せてくれたと思う。別のドラマで少し違う役柄も見たが、演技が下手なのか?見慣れてないせいか?しっくりこない時もあった。だからこそ、こんな役の仕事しかないのかも...今回のドラマでも世の女性をイラつかせる演技がピカイチなので間違いないと思う。とは言えやはり、演技力はとにかく勉強不足感が否めない。

裏表のある顔を演じるのは一人二役と同じで難しいとは思うが、もう少し双子の彼女としての葛藤や演じ分ける苦悩を見せてほしい。なんでも理解して包み込む優しい彼女の部分と復讐を誓い、20年も隠れてきた弟を必死に支える彼女の部分をはっきり見せて、その上で一人の女としての苦悩を感じさせるような演技をしてほしかった。

最初は騙すつもりでいたようだけど、刑事の兄にどんどん惹かれているのがよくわかる。まさか弟をかくまっているとは思わなかったけれど、兄と会っているときは、弟のことが気になり、弟といるときは兄が気になりで、女心がよく表れている。兄にプロポーズされたときは、本当に嬉しそうだったから、最終的には、兄のほうに行くのかなと思う。兄を裏切っておきながらどうなるのか毎週楽しみ。

双子に挟まれて、揺れ動く感情がありありとわかるので、とても感情移入がしやすいです。心配している振りのはずなのに、心の中で本当に心配していることがわかる演技で、心が苦しくなります。かわいくて、少し残酷なところも持ち合わせていて、それでいて心の葛藤が見え隠れしています。その葛藤を演じるのって大変だと思いますが、見事に演じきっており、心を揺さぶられます。

第一話で圭吾の彼女、第二話で勇吾の彼女であり、誘拐現場から一緒に逃げた過去を背負う同士。圭吾に前では明るい彼女、勇吾には尽くす女、違った面を上手く演じているし、彼女なりの戸惑い表情などでうまく表現していると思う。