ブラッシュアップライフ

麻美が帰省した時の嬉しそうな笑顔や「“松”買っちゃった」と奮発したお寿司を見せるはしゃいだ姿が可愛らしかったです。メイクや髪型などの見た目だけでなく、声のハリや話すテンポ、仕草などでしっかり年月の経過を表現しているところもさすが。実家に帰って来た時のような温かさと安心感のある雰囲気も素敵でした。

「さ、食べましょ」とか「肘つかないの」など、アドリブかなってくらい自然でサラっとした台詞まわしがリアルで良いですね。とても自然体で日常の一コマって感じがする。ガチガチに緊張してバージンロードを歩くお父さんを見てクスっと笑う姿も、そのあと「頑張って」と応援するような眼差しで見守る姿も、温かくて愛情深くてとても良かったです。

朝ごはん食べながら、お父さんのウォーキングがいつまで続くか話すシーンがすごくリアルでした。食べる手は休めずにお喋りに花が咲くっていう光景が家族の食卓ならではという感じで良かったです。ジャージまで買ったんだから１か月は続けてくれないとっていうのも家計を握る母らしい。何てことない日常のシーンなんだけど、ほのぼのと温かい気持ちにさせてもらえます。

ミタコングの前で娘と先生のやりとりを見守る姿がほんとに保護者でした。娘のやったことは褒めることだけど、先生の前では一歩引いて口を挟まずなんなら娘が粗相しないように見ている感じ。ゲームボーイアドバイスを返してもらうところでは一瞬にして事態を飲み込む感じ。母でした（笑）

家を訪ねてきたミタコングへの対応が、学校の先生を前にした保護者そのものって感じで良かったです。少し畏まった相槌や佇まいがとても自然で、台本を感じさせないリアルなお母さんっぽさがありました。お父さんがプレゼントされたマッサージ機を羨ましがったり、同じものが欲しいと強請る姿も可愛らしかったです。

良い感じに生活感があって、笑顔が優しく温かみがあって、出番は少ないけど良いお母さんっぷりが伝わってきました。赤ちゃんの麻美をあやす時のハイテンションっぷりや、離乳食を食べる麻美を嬉しそうに見守る姿、どれも数秒のシーンだけど、麻美が愛情たっぷりに大切に育てられてきたことが十分伝わってきて、あんな一瞬の気の緩みで命を落としてしまった麻美を思うと切なくなってしまいました。