新宿野戦病院

ヨウコの指示に毎回「Yeah！」と英語で返事するところが、ヨウコがまごころに馴染んでる様子が感じられて好き。娘の動画を見ながら「また会えなくなる」としょげている姿や、発熱した奥さんを診察する時の低く優しい声音など、まごころの仲間たちには見せないパパの顔、夫の顔が垣間見れたのも新鮮で良かったと思います。

コロナ禍と重なって気持ちが重たくなるシーンが多かったので、一人だけグループLINEに招待されてなかったり、お決まりのようにヨウコにハグして貰えなかったりという、相変わらずの横山らしさがルミナ前の日常を思い出させてくれてホッと気持ちが楽になったのが良かった。ウイルスに神経質になったり、自宅に帰れなくてイラついたり、何かとナーバスになる姿もリアルで良かったし、享とヨウコのキスを目撃した時の反応もチャーミングで面白かったです。

カンファレンスでの「逆撫でる顔」のくだりが最高でした。周りの演者さんたちも素で笑ってた気がする。本人は大真面目で真剣に嘆いてるんだけど、やたら芝居がかった神妙な顔つきや口調、台詞の間が絶妙で、皆が思わず吹き出してしまうのも納得の面白さでした。

プール帰りの浮かれた格好でトリアージ現場に登場する間の悪さや、またもや白木に既婚者であることを忘れられてるなど、色々残念で不憫なのは相変わらずだったけど、不慣れな享に代わって手慣れた様子で火傷の処置をしたり、怪我の具合も的確に判断したりと、情けないだけではないベテラン医師としての頼もしさを覗かせるところが格好良かったです。

患者さんが亡くなって皆しんみりモードになってるのに、唐突にしのぶの話題を持ち出す空気の読めなさが横山らしかったです。思っていた反応ではなくて動揺する姿や、白木に交わした会話を忘れられて前回のデジャヴか？ってくらい同じ内容のやりとりを繰り返すなど、毎回扱いがちょっと雑で、つい応援したくなるような良い塩梅の情けない雰囲気を醸し出しているところも味があって良いなと思います。

過去にした会話を忘れられて3回も同じ話をさせられたり、啓三に認識されてなくて「誰だ、てめえは」って怒鳴られたり、今回も不憫で気の毒で、でもその何ともいえない情けない表情や反応が面白くて良い味出してました。花火大会でせっせと双子ちゃんのお世話をするパパの顔が垣間見れたのも新鮮で良かったです。

スキンシップが激しいという皆のヨウコ評に「そうかなあ」と一人納得いかない様子なのが、先週の不憫な扱いを思い起こさせてジワジワくる。全然笑わそうとしてないし、本人は至って真面目なのにちゃんと面白いのが凄い。いつ見ても患者さんへの接し方が老若男女問わず優しくて、今回もソファで横になるシゲさんと目線を合わせるように屈んで声をかけたり、聞き取りやすいようにゆっくりと大きな声で話したり、ヨウコに問診してもらったり、短いやりとりの中でもさりげない気遣いがいくつも見て取れて、横山の面倒見の良さや思いやりのある性格が感じられて良かったと思います。

岡本に一緒に映画に行くのを拒否られたり、スタッフ全員と熱いハグを交わすヨウコに自分だけハグしてもらえず、握手して背中バンバン叩かれてたり、何かと扱いが雑なところが可哀想なんだけど、その不憫さが何とも横山らしくて笑ってしまいました。女の子の心音を２つ分聞き取るのはお手柄だったけど、彼女の症状を併せ見てもそれが胎児のものだと分からず「この子、心臓が二つある！」とドヤ顔で報告する天然さも面白かったです。

「入院患者もいないし良いんじゃない？」と苛立つ享に煙草を１本あげたり、ヨウコの言葉を受けて物思いに耽ている時も田島にその場を離れるよう促して一人きりにしてあげたり、サラっとした気遣いを見せる姿が格好良くて、横山の優しい性格が感じられて良かったです。お医者さんにしては頼りなくて、自分の担当医になったらちょっと不安で嫌だけど、職場にこういう人が一人いてくれると良いよなあってその人柄の良さはとても魅力に感じます。

どんな患者にも慈悲深く温かい言葉で迎えるところがこの病院の意義を表しているようだ。まごころ病院の良心なのだろう。どんな患者が来ても驚かないで受け入れるのもこの病院の特徴。いろんな患者が出入りするから気にもしていない様子。医師としては頼りなさそうなとこほも人間臭くていいだろう。

オーバードーズしたマユに「お腹いっぱいでしょ」「よく頑張ったね」と声をかけたり、処置に怯える少年に「大丈夫、大丈夫」と優しく話しかけて肩を擦ってあげたり、患者さんの不安を和らげようと気さくに話しかける姿が良いですね。初めての病院に運ばれて不安な時に、こういう先生がいてくれるとホッとするだろうな。病院のHPをリニューアルするたびに、一人だけ扱いがどんどん雑にされていく不憫さも横山のキャラに合っていて面白かったです。

血だらけで苦しんでるホストに「こんなこと自分でするのは馬鹿だよ～」と突っ込んだり、処置中にギャラ飲みとパパ活の違いについて真剣に語り出したり、緊張感ゼロの独特な緩さが面白い。何処かいい加減で無責任そうな空気を醸し出してるかと思いきや、重症の難民が運ばれてきた時には「こんな苦しんでるのに放っておけない」と率先して処置に協力する医師らしい姿を見せたり、両極端な顔を違和感なく一人の人物としてちゃんと見せてくれるところがさすが上手いなと思いました。