ザ・トラベルナース

こちらも育ちが出たのでしょう。浅田さんと違ってお辞儀の仕方や立ち振る舞いがとても綺麗で素敵でした。車椅子の患者さんの元へ駆け寄るときも少し屈んで目線を合わせ上品で思いやりに溢れた行動が随所に見られてよかったです。

院長に久鬼の治療をしてほしいと直談判するシーン、必死な表情と頭を深々と下げる姿が印象的で、目の前の重病な患者を助けたい、久鬼の命を救いたいという強い思いが感じられてグッときました。患者さん思いで仲間への愛情も深くて頼りになる理想の上司ですね。若いナースたちと寮でワイワイご飯を食べる姿や恋バナにキャーキャー言ってはしゃぐ姿など、オフでのお茶目で可愛らしいところも親近感が湧いて良かったと思います。

苦しむ久鬼を心配して、一緒になって肋骨を抑えて痛そうな表情を浮かべる姿が愛川の優しい性格や患者さんに親身に向き合うナースとしての姿勢を窺わせて良かったです。皆に次々と指示を出したりダメ出しをする姿も頼もしくて、そこにいるだけで安心感があって、無事に病院に復帰出来て良かったなと思いました。

いつも眉を下げて申し訳なさそうに、胃が痛そうにしている姿が印象的なので、院長や事務長にブチ切れるシーンは見ていてスカっとしました。過去の看護ノートをしみじみと愛おしそうに眺める姿や、眠れない礼くんの背中を擦ってあげる時の優しい表情、ナースたちへの的確な助言、「この人に担当してもらいたいな」と思える頼もしさや包容力があってとても素敵でした。あの久鬼が「愛川部長の代わりはいません」と院長に宣言したり、那須田が深々と頭を下げて敬意を表する説得力が感じられたのも良かったと思います。

寮でお酒を飲みながら森口たちと恋バナしてる時のわちゃわちゃした感じ、新鮮で可愛らしかったです。土井の占いがズバリ的中した時の動揺っぷりや誤魔化し方が下手なところも、普段の頼りがいのある姿とギャップがあって親近感がわきました。他のナースたちと年齢差があるし、仕事では厳しい面もあるけど、寮の食卓のシーンなどオフでは全く違和感なく若者の輪に溶け込んでいて、和気あいあいと盛り上がる姿も素敵だなと思います。

点滴を間違えた向坂を指導するシーンが印象的でした。落ち着いた静かな語り口で言葉一つ一つに重みがあって、ヒステリックに怒鳴るよりもよっぽど深みがあって心に響くものがありました。患者さんの命を預かる責任の重さ、覚悟など、愛川の看護師としての信念が感じられたのも良かったです。向坂の肩を抱いたり背中をさすったり、ミスをして動揺する向坂の心のケアを怠らないところも愛川の温かい人柄が感じられて良かったと思います。

浅田さんと打って変わって主に院長室での立ち振る舞いがとても綺麗です。お辞儀の仕方がすごく上品で、その深さからドクターへ頭が上がらないことがうかがえました。その所作でその場のヒエラルキーが一目で分かり、素晴らしかったです。

院長や傲慢な医師たち、次々辞めていくナース、スタンドプレイが多い久鬼に無愛想な那須田、問題だらけの人たちに囲まれて常に平謝りして胃が痛そうな姿が印象的。浅田さんが演じている事務長のような役も似合うけど、こういう中間管理職の悲哀に満ちた演技もハマりますね。病院では常に眉が下がっていて申し訳なさそうな表情を浮かべてるけど、寮に戻ると声のトーンもちょっと低めになって表情も力みがなくなってリラックスしているのが伝わってきて、オンオフの切り替えが上手そうなところもメンタル鍛えられたベテラン看護師らしくて良かったです。