アバランチ

頼りなさげな総理から一転して、羽生が狙撃されているのに逃げるより羽生がなにか伝えようとしていることに目を向けていたのが印象的でした。病院で羽生に話を聞いたとき、大山と話をしたときの姿は頼れる総理でした。

これまで「この人が総理で大丈夫なの？」ってシーンばかりでしたが、最終回は国民の声にしっかり耳を傾ける総理らしい姿を見せてくれて格好良かったです。羽生が何かを渡そうとしていた事もちゃんと察していたし、自ら羽生に話を訊きに行って大山を更迭したりと行動力や決断力もあって頼もしかったです。「大山さん、やり過ぎちゃったね！」と強い口調で言い捨てるシーンもスカッとしました。

バカ殿感があってなかなか笑えた。

でも、アバランチに救われたというのは伏線になってるだろうから、最後にちょっとだけかっこいいとこを見せてくれそう。

職質される総理って面白過ぎる。総理大臣なのにこの人1人だけいつまでも何にも知らず蚊帳の外って感じだけど、ハラハラばかりだと見ていて疲れてしまうし、このマヌケっぷりがシリアス展開のドラマの中で良い緩衝材になっていると思います。ホント、何で総理大臣になれたんだろう。スピンオフで見てみたいくらい彼の半生が気になります。

大山がいるからこの人は総理でいられるんだなとわかる人間性の酷さが凄い。人と食事しててトイレ行ってくるからの警報で、地団駄踏んでここから出ようという自分だけ助かればいいみたいなやつ。すごく軽くて最低な雰囲気を簡単に出しているように見えました。

危機感ゼロでご機嫌に食事をしている姿や非常ベルが鳴った時の慌てっぷり、最終的に羽生たちに道路に置き去りにされるなど全体的にマヌケっぽくて残念な姿が、シリアスで緊迫感のあるシーンと対比になっていて良かったです。何も知らない無能そうな感じがよく出ていて、大山のラスボス感が際立つところも良いと思います。

総理とは思えない無防備で緊張感のない雰囲気があって、うっかり失言したり粗相をしそうな頼りなさを感じさせます。この人が総理大臣で大丈夫なのか？と不安になるくらい威厳もなくヘラヘラしていて、大山の真意や思惑に全く勘付いてなさそうなところも良かったです。

写真撮影に応じる時の人当りの良さそうな笑顔や気さくな雰囲気が良くも悪くも普通のおじさんっぽいというか、総理大臣らしい貫録や緊張感、リーダーシップが全く感じられなくて、陰で大山に「あんな総理」呼ばわりされる説得力がありました。どこかボ～っとしてるような頼りない雰囲気がよく出ていて、大山の隙のないキレ者っぷりをより際立たせているところも良いと思います。