光る君へ

双寿丸を厄介者扱いしてたのに「あんたの飯が上手いから」って褒められると満更でもなさそうに喜んでる姿が面白かったです。ニコニコ嬉しそうにするのではなく、慌てたような口調で表情もちょっと不機嫌そうなままなところも、思いがけず突然褒められて調子が狂ってる様子が伝わってきて良かったです。

お腹いっぱいなら出ていけと双寿丸を追い出そうとする時の圧が凄い。双寿丸への強い警戒心と、大切な姫様をお守りしなければという賢子を大切に思う気持ちが伝わってきました。遠慮なくモリモリご飯を食べる双寿丸に呆れたり、忌々しそうに眉間に皺を寄せたり、台詞がなくても、メインで画面に映っていなくても、百面相みたいに表情がコロコロ変わるところも面白くて、常にいとらしさを忘れない細かな演技がとても良いなと思います。

双寿丸のことをあからさまに警戒して牽制する姿が、彼のことを下に見ているんだけど表情や口調にコミカルさがあって見ていて嫌な気持ちにならないのが良かった。まひろの時にも色々あったし、そりゃあ先手を打って釘を刺しておくよなあと、いとのこれまでの様々な経験と苦労を思わせたのも良かったと思います。

思ったこと何でも口に出すけどコミカルさと愛嬌があって憎めないし、故郷に帰ってきたような温かさもあり、いとが出て来るだけでホッとする。惟規の出世を抱き合って喜び合う姿や亡くなった時の慟哭も、自分の息子のように大切に育ててきた惟規への深い愛情が伝わってきてグッと胸にくるものがありました。

惟規を若様若様と呼び甲斐甲斐しくお世話をしていたいと。いつも愛おしそうにとても大事に育てているところを知っているからこそ今回のような結末は見ていられない。号泣というか叫ぶように泣く姿が痛々しい。身を引き裂かれる思いとはこういうことだろう。