顔だけ先生

好きなこと最優先した結果、たまたま問題を抱えた生徒に刺さっただけ。そばにいた亀高先生の方が真剣に生徒に向き合っていた。最終回でそれに気づいたからこその「良いだけ先生」に繋がったのではないかと勝手に思っています。

最初は生徒に軟禁されて制服を着せられて禅問答のようなやりとりに限界を感じて泣き出したのかと思ったら、自分の生徒がこんな風に思っていたって分かって教師の奥深さに怖くなって泣いたってところかな？クラスのあちこちで拗らせた子が多くて収集つかなーいと思っていたところに涙で収束ってなんか意外でした。遠藤先生が教師の奥深さや魅力を再確認したのは分かったけれど、気になっていた過去は全然明らかにならなくて消化不良で終わってしまった。

タイトルが内容に合ってない作品でした。最初から最後まで遠藤は顔だけではなかった。面倒を起こしたり勝手に行動したりと好き勝手して、でもちゃんと伝わった生徒には好かれて評価も上がっていった。教師たちから見たら何なんだと言わんばかりだった人が遠藤を擁護するようになるなんてやっぱり顔だけじゃできないよ。教師だって一人の人というのも伝わってきたし、子供はやっぱり特別に弱い。人と違うことを一人でするのは怖いけどみんですると楽しくて堪らない。常識を破るってそういうこと。遠藤の力はすごかったけど、遠藤だって何も考えてないわけじゃない。タイトルが違ったらもっと魅力的な作品になっていた気がしました。

あいかちゃんの反抗期ってとこですかね。ま、自分だけ成長してないとか自分だけ未熟だとか思ったのはいいことよ。成長の証。親の言うことや先生の言う通りにしていたらチアのセンターになるほど成功していたんでしょ。自分の努力だってあったはず。言う通りにしていて成功ばかりだとそりゃ信じちゃうしわざわざ別の道は歩かないよね。でも反抗期を迎えて脱皮できそうでよかったじゃん。そういう自我がちゃんと芽生えてなくて自分が何者かわからない時のSNSってキツい。今の若者はいろいろ大変だなと思ってしまった。

最初はお母さんが誉めてくれるだけでよかった。それが励みになって周りの友達からもすごいと言われるようになるともっと気分が良くなった。まったく知らないファンまでできてネットでも話題になったらもっともっと楽しくなった。でも肯定や誉め言葉だけではなく否定や批判を目にするようになったら、自分の今までしてきた努力をなかったことにされたように感じた。それに加えて遠藤の影響でクラスメイトが変化していく。自分は否定されてることを続けなきゃいけない？と悩むのは自然なことだった。SNSは便利だけど悪い面もある。誉められたいからやるんじゃなくて自分がやりたいからやるに変えれれば、ツイッターは必要ない。この年頃の子達に刺さってほしいストーリーでした。

見方が変われば多数も少数も変わるってことは分かった。先に多数派に有利な餌を公約に掲げた坂本の勝ちは目に見えていた。みずきちゃんは最初から負け戦をやらされた感が強いけどよく頑張ったと思う。っていうか生徒会長ってそんなに学校の予算とか校則に口出していいんだっけ？そんな生徒会長は荷が重すぎるしちょっとありえないかなと思いました。遠藤先生の不可解すぎる行動にはついていけません。なぜサンタクロースを捕獲したいと思ったのか。そもそもいると思ってるのか。ちょっと精神鑑定してもらってください。

サンタクロース捕獲装置って何さ。捕獲の意味がわからない。人を捕獲したらそれは拉致で犯罪でしょ？サンタクロースを"人"と判断するかは知らないけど、学校で作るものじゃないわ。子供でもなのにどこに設置するというのか。ボケるならちゃんとオチをつけてほしい。
少数派でもそれが自分の意見なら仕方ない。もちろん多数派に軽くあしらわれてなかったようにされることもあるかもしれないけど、だからって多数派に移れるなら自分がないのと一緒。否定されたくないから多数派は楽だけど疲れると思う。人の目なんてどうしたって気になるんだから、したいことした方がそこに価値(？)が生まれるのかなと遠藤を見てて思いました。

不思議なドラマなんですけど、貫地谷しほりさんの圧倒的な演技力に魅せられます。

話があっちこっちいって全体的に何が言いたいのかよく分からないドラマで見ていて疲れる。遠藤先生もいちいち不思議なテンションで掻き回すから鬱陶しい。でも、親友にお誕生日ありがとう！って言うのはいいね。この世に生まれてきてくれてありがとうって言われるってこの上なく幸せなことだよね。そしてそんな言葉を言える存在がいる方も幸せ。2人とも幸せな気分になれる日があるなんていいな。大人になってから親友ができるなんて羨ましいと思った。

馬鹿にしてる相手から愛情なんてもらえないのは当たり前。今どきは承認欲求という言葉をよく聞くけど、自分は他人に対して上から辛辣な言葉を好きなだけ浴びせるのに、自分は褒めてほしい！批判はいりません！という人が多い気がします。学生なら尚更この考えが強いのかも。
翼がミュージシャンとしてではなく俳句でもなんでも他のことで誉められて満更でもなさそうだったのは誰かに認めてほしかったから。さらにモチベーションが上がるなんて単純だなと。
亀高と早坂が結果仲直りできてよかった。遠藤の占いが当たりすぎて怖いなと思いました(笑)

勝手に決められたルールの中でも楽しんだもの勝ちという遠藤の考え方はすごい。でも子供の頃に親にお金儲けのためにテレビに出させられ、スタッフに言えと言われたことを言ったら"人殺し"のレッテルを貼られてしまった佐川が誰の力も借りずにそんな考え方ができるわけがない。遠藤にも辛い過去があったから価値観を変えれた。山路の娘がいたのはちょっとできすぎたけど、真実ではなかったことを知れただけでも佐川には大きな変化だし、手を差し伸べてくれる人ができたなら変わっていけると思える終わり方はよかったです。

うーん、遠藤先生のポジティブシンキングもいいけれどネットにいいように編集されて流されても平気っていうのはちょっと違うかなと思いました。思い詰めすぎている子の脅しに屈しないっていうのはいいとしても決して平気ではないからね。佐川さんは親に利用された形で小さい頃からの消せないデジタルタトゥーがある。それはほんとに不幸なことでやっぱりどんなにかわいいと思っても子供を使ってネットに出るべきではないよね。今は気持ちが前向きになって良かったけど、一生ついて回るのかと思ったら不憫になった。

小林の真っ直ぐで純粋な告白に感動しなきゃいけないんだろうけど、無理でした。
最初は3年生の担任なのに妊娠なんかしてとか相手は誰なんだとか川相のパワハラとモラハラとマタハラに苛々したけど、相手が生徒なら話は180℃変わる。退職を示唆されるのは当たり前というか、なぜ自ら辞めずに出産して産後に復帰できると思っていたのか(？)加藤の行動がまったく理解できませんでした。生徒の子だと最終的に認めちゃってたし犯罪を認めたようなもの。辞めるとはいえこれがネットにでも拡散されたら大問題になるのに、ハッピーエンドみたいな終わり方でドン引きした。

どうして遠藤先生は人の話をきちんと聞けないの？ちょうちょを追いかけたりしながら人の話を聞くってほんとに意味不明。話はきちんと聞いてるし自分だけは違う目線を持っているって自信満々なところがイライラして話にこっちが集中できない！！人の恋愛にいいも悪いもないけれど、やっぱり相手が生徒なら避妊くらいはちゃんとしないと大人として配慮がないなと思いました。でも最後の告白は良かった。人生で一度はあんなに愛されたいよね。

遠藤先生の発言が気持ち悪い。社会の問題提起をしたいのだろうが
結果特定意見に持っていこうとしていてモヤモヤする。

芋にたいは完全に意味不明だったけど、突発的に思った"死にたい"を口にしても書いても思ってもそれは綿音の自由だよというセリフはとても良かったです。
思春期の子の考えを大人の意見で潰したって何も解決しない。同調して共感して認めてあげる。それができるが遠藤だけというのはかなり問題だと思うけど。
遠藤の過去を聞いたら、楽して生きよう、好きなように生きようとする遠藤を否定できなくなりました。生きていたら家族だって友達だって誰一人自分の思い通りにはならないのに仕事や人間関係が気遣いもなく上手く回る筈がない。上手くいかないことばかりで死にたいと口にするのは寧ろ自然なことなのかも。

死にたい‥なんてちょっと心が弱くなれば誰だって考えること。現状を変えたいリセットしたいそんな心の表れなんじゃないかと思う。思春期で明らかな原因がない場合は心が疲れたサインくらいに思ったら元気になれるかな。亀高先生は先生になって何年目なのかな？子供たちと接していれば結構出てくる問題だと思うけど、一方的に自分の意見だけで死ぬ気はないと決めつけて違うという生徒の気持ちは聞かずに気持ちが分からないと嘆くってヤバくない？あのまま焚き付けられたと勘違いした生徒が死んでしまう可能性だってあるよね？対応が怖かった。

悪いことをしたら謝る、世間にではなく当人に。こんな当たり前のことが今の時代できてない。
遠藤は教師としてはどうかと思うけど、学校にこんな存在がいて、ほしい言葉やあえてほしくない言葉を言ってくれたらどれだけ空気が変わるのかと思った。正攻法だけが解決の道じゃない。教師の言うことなんか正しくて耳を塞ぎたくなるのが学生で、そんな中で声が届くのは遠藤の精神年齢が低いから？遠藤からそんな言葉が出るとは思っていなかったと意外性があるから？馬鹿に最大限付き合ってさらにその上をいくから？いろんな理由がありそうなところがこの作品の魅力だと感じました。

小さい頃の力関係って絶対なところがあるからね、嫌だって言っても泣いてもやめてくれないしつこさがある。それをいじめだと思うかを判断するのはやられていた側の方で、中村先生の方ではない。突然歌を歌ったり木に登ったりする小学生みたいな悪ガキは案外悪いやつではなくてびっくり。意地悪してやろうってより発達障害寄りの生徒だね。それを過保護に護ろうとするから直らない。大仰な謝罪会見なんてほんとはなんの意味もなくて当事者同士のわだかまりを取り誠心誠意謝ることが1番だよね。大人も、素直に！いい回でした。

市川が"母親に頼る生活から解放された"と言ったとき、みんなより先に大人になった自分に酔っているように感じました。行政の支援を受けて"高校卒業"という最低限の学歴を持っておくべきなのに、未来の話をする一方で今しか見えてない市川を亀高がしっかり説得しなかったのは、教師としてどうなんだろうと感じました。市川が大人の世界で上手くいかなくって、学校で問題を起こしたから再度関わりができたけど、絶望して家にこもっていたら本当に幽霊になっていたかも。
クラスの友達との縁も切れずハッピーエンドはやっぱりドラマだなと思いました。

今回はようやく遠藤先生の出番って感じでしたね。亀高先生も他の生徒も知らない生き方を知っている唯一の人。こういう時って安全地帯から出たことない人に進言されるくらいイラつくものはないからね。でも卒業まであと半年なら今後のためにも高校は卒業しても良かったんじゃないかな。制度を説明できる機会にもなったと思うし。落ち着いたら学び直しなんてそうそうできるもんじゃないしね。ただ亀高先生が就職先を一生懸命探してくれたのはよかったよね。

顔だけってほどイケメンでもなく、ボクシングで世界チャンピオンになりたいと言いつつ体はしょぼい。ただただ気に触ることを言って歩いている男‥。物語が展開するようなヒントをポロッポロッと適度なところで言うだけの先生。授業も取っ掛かりとしてはいいとしてもあれだけでは親は納得いかないよ。勉強で1番は尊敬されて美しさで1番はダメなのか？とかスポーツの例えがあったけど、そこでしか輝けない子もいるのも事実。そもそも個性を尊重するオンリーワンを目指すならいろんなコンテストがあっていいと思うけどね。

外見は思春期の子達にには相当な問題。男前コンテストとかまだあるんだとか、男前の基準って何？とか少しもやもやしました。
朋也が筋トレしてメイクもして努力してる自分を仲間だと思ってた人たちに否定されたら哀しいだろうけど、変わっていく過程で自信がついたのか尊大になり言葉遣いも変わって、園芸部のこともしなくなったらそれは呆れられても仕方がないと思った。
結局朋也の努力は実ったけど、誰かが"元々イケメンだったのに何もしてなかっただけ"というような発言をしててそうだなと感じました。卑屈になる前に努力するか諦めろという選択は大変だけど必要。

千里の好みだから仕方ないんだけど、個人的にタイトルの"顔だけ"に神尾さんは負けている気がしてしまいました。それに顔だけと言いながらいちいち自分の意見を挟んでくるし、それが正論というのにもやもや。顔だけじゃなくて筋の通った考えもしっかりもってるのはキャラ設定的にどうなのかと思いました。
坊主にした生徒への対応は怖かったです。親は推薦のことしか頭になく、千里はあんなにみずきの話を聞こうと言っていたのに本音は校長面接でがっかり。
クラスメイトというかみずきに友達がいなかったような流れもいじめの始まりみたいで不快でした。

なかなか野性味あふれる顔だけ先生だね。いろんな好みがあるから私にはかっこいいと思えないけど（笑）いきなり髪を坊主にしちゃった女の子の話。なかなか面白かったけど、クラスメイトがいきなり坊主になったからってあんなに避ける？事情を聞く子が全然いないことにびっくり。先生たちも今は虐待とか疑うのが先なのでは？それか本人のメンタルケアとか？それなのに面接の印象が悪いからウィッグとかさ。その子の外見しか見てないじゃん。教師の親への言い分もなんだか薄っぺらく聞こえた。