おちょやん

台本を書く一平の後ろに家庭の風景の一部のように少し映り込むだけなんだけれど、子どもが生まれてからの灯子ちゃんは少し疲れていて暗い感じがしていた。でも今日の灯子ちゃんはフワッと柔らかくて温かい雰囲気があって、やっと一平が落ち着いて良い台本を書くのだと、それを暗示しているように感じた。

同じ女性としてゾワっとするトウコを迷いなく演じたのはすごいと思った。真面目で一生懸命なところも本物だと思うし、一平さんを追いかけてしまうのもほんとだと思う。めちゃくちゃ矛盾してるのって人間そのものだよね。トウコなりのこんがらがったなりのありのままがよかった。

子が祝福されて生まれてきて欲しいというのは、親なら思うことだろう。でも、この状況。それをタテに千代に謝罪するのは少し違うのではと思う。子どもという無垢のものを突き付けて許せというのは半ば脅迫じみていて、とても身勝手に感じた。一平とのことは上下関係もあり抗えなくても仕方のない部分もあるのかと思っていたが、母になる自覚と共に強くなったということなのだろうか。表情と言っていることが乖離していて少し恐ろしくなった。

透明感のある雰囲気で、顔立ちも可愛らしい。健気で性格も良さげ。
もし栗子のような嫌な女だったら「泥棒猫！」って憎めるのに、そうじゃないから、妻側から見るとある意味『たちが悪い』です。
その分、一平の女癖の悪さが余計に際立つんですね。
ところで小西真奈美さんと似ているのは気のせいでしょうか？

一平君との話の内容が、とてもとてもつらくて。軽々しくなりそうなお金の話でも、芯が強いしっかりとしたお嬢さんだと感じることができて、余計に状況がにっちもさっちも行かない苦しさを感じた。一人で全部引き受ける覚悟と華奢な感じが痛々しかった。