ユニコーンに乗って

会社に慣れはじめたころから少し学校の先生のような喋り方が変だなと思っていました。小学校の先生になるのが夢っていうのに引っ張られすぎているような気がしました。せっかく最終回の山形での先生っぷりが良かったのに、先に出しちゃっている部分が多すぎて既存感が‥。もったいなかったです。

エプロンが似合うふわふわイケメンオジサン。
昨日何食べで共演した内野聖陽、役所広司、北村一輝、阿部サダヲに比べたら個性もインパクトもない俳優。
彼がよかったのは無セリフの
・サヨナライツカのシャワーシーン
・DRIVEMYCARのベッドシーン
声がやや甲高いし、棒読みだし、サイボーグ的な外見だから、上品で優しいふわふわでちょっと知的なオジサン役くらいしかない。
足りないのはギラギラした生々しい存在感。
彼が51才で演技派と呼ばれるのには疑問を感じる。

功のことを考えないようにと、無理をして仕事を詰め込む佐奈を「自分を大切にしてくれないのは悲しい」と諭すシーンがとても良かったです。大丈夫と強がる佐奈に「大丈夫じゃない」と何度も食い下がる姿も、心底彼女を心配しているのが感じられたし、思いの伝え方も押しつけがましさや説教くささがなく、温かくて安心感があって、だからこそ佐奈も正直に自分の本心が口に出来たんだろうなという説得力がありました。年下メンバーの中で、新人としていつも謙虚で丁寧で、大人の包容力とチャーミングさもあって、そんなキャラクターに全然嫌味がないところも西島さんならではの魅力だったと思います。

芝居に文句はありません。ただ役柄としてはとても中途半端だったかなと思います。佐奈との関係性が恋なのかあるいは父性のようなものなのか、演出上、曖昧にしないとつまらないだろうし、役者としてはどっちつかずな雰囲気を出さないといけない状況だっただろうと思います。結果としてはお互いの「ユニコーン」という、もっと曖昧なポジションになったし、本当に演じにくかっただろうなと推察します。その点を考慮すれば、西島さんはよくやったなと感じます。

次郎と喧嘩した佐奈と功を気分転換に誘うシーン、創業メンバーの会社への思いを尊重して立ち入り過ぎず、でも話をしっかり聞いて受け止めて「悩む時間は必要」とサラっと助言をするところが頼もしくて素敵でした。功たちに憧れてキックボードに乗り始めたり、功との２人飲みにちょっと照れちゃったり、年長者とは思えない可愛らしさもあって、大人の頼もしさや落ち着きとのギャップが魅力的だと思います。

中年になると新しいことに興味を持ったり、知らなかったことにチャレンジしたりするのが億劫になったりするのに小鳥さんにはそれがない。そして無理がない。eスポーツだってなんだってやってみる精神を見ていると自分も励まされます。アウトドアにはしゃいだりゲームしながら奇声を発したりと大人かわいい小鳥さんから目が離せません。

すれ違った小学生たちを楽しそうに見つめたり、海斗のSOSに気付いて背中を押し、一歩を踏み出すきっかけを作ってあげたり、教師になっていたら良い先生になっていただろうなという説得力がありました。嫌な顔ひとつせず、甲斐甲斐しく父親の面倒を見る姿も小鳥の優しい性格が伝わってきたし、佐奈たちと接する時とは違う息子としての顔が見られたのも新鮮で良かったです。ゲーム中に夢中で必殺技を繰り出したり、熱中し過ぎて叫び声をあげたり、少年のような無邪気な姿も可愛らしかったです。

キャンプの火おこしさえサラッとできてしまう、歳を重ねたからですよって謙遜していたけれど同世代としては自分には何ができるだろうかとちょっと耳が痛かった。確かに火おこしは別としても若い人のキラキラした部分はないけれど人生経験だけはある。小鳥さんの充実した笑顔に自分も自信を持って良いのかなと勇気をもらった。

待ち合わせに遅刻するくらい大量にお菓子を買い込んできたり、服装もアウトドア慣れしていて誰よりも気合入っているのが可愛らしかったです。バードウォッチングに夢中になって勝手に森の方に走って行っちゃうのも少年みたいだし、鳥の動画をお礼がてら羽田社長と息子に送ってあげる気遣いも小鳥らしくて良かった。佐奈との花火シーンも胸キュンっていうより親子のようなほのぼの温かい空気感で良かったと思います。

タクシーが急停車した時にサッと腕を出して佐奈を庇ったり、佐奈の話を聞くために駅と逆方向の道を一緒に歩いてくれたり、恐縮する佐奈に「寄りたい場所があったので」と気を遣わせないようサラっと優しい嘘をついたり、やることがスマートで押しつけがましくなくて本当に素敵。リアルではなかなかお目にかかれない人間の出来た人だし、演じる人によっては裏表がありそうだったりあざとそうに見えそうだけど、西島さんの誠実で真面目そうな雰囲気や人懐っこい笑顔が小鳥さんのキャラクターに合っていて違和感なく「小鳥さんはこういう人」って見られるところも魅力だと思います。

まさに縁の下の力持ち、知識も教養も経験もなんでも持っているのに絶対にひけらかす事をしない。謙虚な上に仕草がかわいらしい。一緒に仕事したいよね。ただ現実にはこんな心の綺麗な人いないと思うんだよね。いてほしいけど実際はいない。妖精のように見えてきたよ。

企業回りではさすがの営業スキルとコミュニケーション能力でサラッと佐奈をサポートしたり、ピッチ本番前に緊張する佐奈の背中をそっと押してあげたり、社会人の先輩・大人としての頼もしい姿が格好良くて、周りが同世代ばかりの佐奈が憧れるのも分かります。丁寧な言葉遣いや謙虚な姿勢も嫌味がなくて良いです。ビジコン決勝前の声掛けに「これが青春というものでしょうか」ってしみじみ感動してる姿も可愛らしかったです。

立場や年齢を超え自分にできることを最大限に考えてくれる小鳥さん。スーツの話も知らないことを責めるのではなくて、ひとつの知識として教えてあげるスマートなやり方に脱帽です。小鳥さんには歳をとってしまうと出てくる嫌な部分が一切ない。参考にしたいです。

投資家が突然来訪しても落ち着いた大人の対応でおもてなしして信頼を得たり、佐奈のピンチに気付いて靴壊すくらい必死に走って助けてくれたり、資金調達のアイディアを提案したりと、4話は頼もしい姿が沢山見られて格好良かったです。ハイタッチに気付けなくて「あちゃ～」って反省したり、靴底取れちゃったり、図書館でお腹が鳴って笑われたりと可愛らしい姿も垣間見れて、頼もしい姿とのギャップも魅力に感じます。佐奈を見つめる眼差しが父親のように優しくて穏やかで、下心一切感じさせないところも良いと思います。

タブレットを使いこなしていたり、スムーズにカタカナ用語が出てくるようになったり、努力が実を結んでいる姿が垣間見れたのが嬉しかったです。コラボの提案を褒められた時の心底ホッとしたような笑顔や、功と次郎のキスを目撃してフリーズする時の何ともいえない表情など、少ない出番でも小鳥のチャーミングさをしっかり見せてくれたところも良かったです。社会人としてのマナーや非常識さにイラっとしたりヒヤヒヤすることも多いドラマなのですが、小鳥の常識力と大人の対応、たまに見せる可愛らしさに救われています。

ごめんなさい。この内容のドラマに西島さんをキャスティングする理由がわかりません。小鳥は佐奈からすれば父親のようでもある年齢で、それはこの若い企業においても欠けている要素であり、今後のために必要なピースなのはわかります。でも他のキャストと芝居のテイストやレベルが違いすぎます。意外性は感じますが、正直なところ、ちょっともったいない感じも強い。これで万が一、小鳥と佐奈が恋愛に発展なんてことになったら、そもそもの設定要素が壊れるし、意味をなさなくなります。いずれにしてもこの役は西島さんではない、と感じます。

前職では‥って度々言っちゃうのは中途の悪い癖かなと思って見てたけど、単に戸惑っている様子だったのでそこまで嫌な気分にはならなかった。自分の案を押し通すのではなくやれることをやりさらりとお手本を示す、こんな大人になりたいなと思った。

信じられないくらいアナログ人間だけど、常にメモと用語集を持ち歩いて勉強して、分からないことは素直に質問して教えてもらう。今自分に出来る仕事を見つけて懸命に取り組むという前向きな姿が素敵で応援したくなります。横文字を頑張って会話に取り入れようとしたり、佐奈にハッシュタグを褒められて喜んだり、反応がいちいち可愛らしいところも魅力です。会場探しの際の営業シーンはさすがのスムーズさで、小鳥の長年の経験や営業能力の高さが感じられてとても頼もしく感じました。

銀行で嫌ってほど経営者を見てきただろうし世間の汚い部分を見てきたはずなのにすごく素直で優しいおじさんですね。なんでも面白がれる人じゃないとあんなに若い人と仕事はできないからね。ジョブズ小鳥ってネットで騒がれていたよね。お茶目なところもとても好きです。

名前間違えられても全然嫌な顔しないし、年下の佐奈たちにも見栄を張らずに分からないことは正直に言うし、ライバルの森本のプログラミング技術にもめちゃくちゃ感動してニコニコ拍手送ってるし、とにかく素直でひと当たりが良く、おじさんなのにチャーミングでとても魅力的だったと思います。西島さんならではのソフトな語り口や謙虚な態度、人懐っこい笑顔も小鳥にぴったり。若いメンバーとこれからどんなふうに関わっていくのか楽しみです。