光る君へ

道長に急に話を振られた時の「今、絶対話聞いてなかったでしょ」って顔が良かった。完全に自分は無関係って気を抜いているヘラっとした緊張感ゼロの表情で笑ってしまいました。何歳になってもずっと変わらないほんわか癒しキャラでいてくれてホッとします。

病で寝ている道長に必死で自身の潔白を訴える姿が面白かったです。道綱が出てくるとホッとして心が和む。自分の立場が悪くなるからというのではなく、良い弟だと思ってること、ずっと味方でいることをちゃんと分かって欲しいという、道長を大切に思うからこその行動だって伝わってきたのも良かったです。

道長が帝の譲位について口にした時、戸惑ったり憤ったりと一同に緊張が走る中、1人「東宮様と離れられるのは嬉しいけどなあ」と呑気に笑っている姿が道綱らしかったです。こんなに無邪気で人当たりの良い道綱にすら苦手に思われてしまうんだなあと、三条天皇の厄介さをより印象強くさせていたのも良かったと思います。

東宮様に「頼りにしている」と言われた時のはにかんだような嬉しそうな笑顔や、恐縮しながら返盃する姿が道綱の人柄の良さや素直さを感じさせて良かったです。取り入ってやろうみたいなガツガツ感が一切なくて、東宮様に信頼される説得力がありました。時代劇っぽくない口調だけど、そういう軽やかさや力みの無さも道綱のキャラクターに合っていて良いと思います。

「同じく」という台詞が実資や右大臣のそれとは全く重みが違うというか、あんまり分かってないよね？っていう雰囲気が滲み出ているのが道綱らしくて良いですね。除目のシーンで一人だけニコニコと満面の笑みを浮かべていたり、キョロキョロと周りを見渡して落ち着きがなかったり、ただ座っているだけの芝居でも道綱らしさがちゃんと感じられるところも良かったです。

毎回視聴者の代わりに疑問に思うことや、ややこしい心理戦・政権争いの背景を実資に質問してくれるけど、それがわざとらしくなく、いかにもな説明台詞的やりとりにならないところが上手いなと思います。「そっかあ」とか「ゆとりかぁ」など、子供みたいに無邪気な相槌も道綱らしくてチャーミングだし、実資の説明に頷いたり、何か考えるように視線を上に向けたり、ちゃんと話を聞いて理解しようとする姿勢がみられるところも、道綱の素直さや人柄の良さを感じさせて良かったです。

読経と呪詛祓いの悲鳴が飛び交う修羅場を目の当たりにしてドン引きしつつも、ちゃんとその場に残って祈祷に参加するところが、良き兄、叔父さんって感じがあって良かったです。出世争いの邪心を一切感じさせず、ただ純粋に弟と姪っ子のために祈りたいという気持ちが伝わるところも道綱らしい。御子が産まれたと聞いた時のパアっと明るい、心から嬉しそうな笑顔も良かったです。

火事に遭った斉信に「運が悪かったよね」「良かったらうちに来て良いよ」と慰めの言葉をかけるシーン、子供みたいな軽い口調と言葉選びが道綱らしくて良かったです。その後、自分の家も火事に遭ってしまい、斉信と同じような魂が抜けたみたいな虚無顔になってしまう姿も、すごく気の毒で不謹慎なんだけど面白くて笑ってしまいました。

除目の儀の後、不穏な空気を察して「左大臣様の意見はなるほどと思った」と道長を庇う姿が、平和主義の良いお兄ちゃんって感じがして良かった。アホっぽくて頼りないけど、昔からずっと変わらない道長への裏表のない友好的な態度は見ていてホッとすりし、どんな時もその態度が周りに流されずブレないところも格好良いです。

伊周に「譲られよ」と迫られた時の反応が道綱らしくて良かった。周りが渋々といった感じだったり仏頂面だったりと不快感丸出しな中、一人だけ怒りの感情ではなく「ここに座るの？」と戸惑った口調で動揺する姿がおっとり優しい道綱の人柄を感じさせました。右大臣と実資が道長を責める発言をした時に「左大臣様を責めるのはどうなんですか」と庇う姿も、道長の大変さを道綱なりに理解していて味方でいてくれる頼もしさと兄弟愛が感じられて良かったと思います。

甥っ子たちの舞を「さすが道長の息子だね」と嬉しそうな笑顔で見守る姿が良かった。マウントや意地の張り合いとか優劣を付けるとか、ドロドロした大人の事情は一切関係なく、ただ純粋に頑張って稽古を重ねてきた甥っ子たちの晴れ姿を楽しむ姿が実に道綱らしくて、そのほんわかした空気感にホッとして癒されました。

道長の危篤に狼狽えて「だよね」しか言えなくなっている情けない姿が道綱らしくて良かったです。道長の生死がどれだけ多くの影響を与えるのか、先をしっかり読んでいる実資との対比も面白くて、最近一緒にいる場面も多いし、正反対な2人だけど良いコンビっぷりだなあって見ているとほのぼのした気持ちになります。

彰子の裳着をニコニコ笑顔で見守ったり、よく見えるように時折首を伸ばしてみたり、姪っ子の晴れ姿を喜ぶ叔父さんの顔が垣間見れたのが新鮮で微笑ましかったです。何の策略も企みもなく、ただ単純におめでたい場を喜んでいる姿も、道綱の人柄の良さや小難しい政の駆け引きとは無縁の生活ぶりが伝わってきて良かったです。

お菓子を手に取って嬉しそうに眺めたり、パクっと口に含んでニコニコの笑顔になったり、小さな子供みたいに無邪気な姿が可愛らしかったです。周りが真剣に政の話をしていても我関せずといった感じで全く無関心なところも、昔から変わらぬ出世欲ゼロな道綱らしさ全開で良かったと思います。

陣定で「同じです」とちゃっかり実資の意見に便乗しちゃうところが何も考えていない道綱らしかったです。自分の番が回ってくる直前の「くるぞ、どうしよう」と言わんばかりの焦った表情やキョロキョロ定まらない視線も、授業中の小学生みたいで面白かったです。

陣定のシーン、皆が神妙な顔つきで真剣に話し合っている中、一人だけ「だよね～」と相槌しか打っていないのがいかにも道綱って感じで笑ってしまいました。一応、眉間に皺とか寄せてるけど、何も考えてないんだろうなあって良い感じにアホっぽさが伝わってくるのも良い。年月が経ち、立場が変わっても初登場時と変わらないぽわんとした無欲で人が良さそうなところが上地さんの雰囲気と合っていて役にハマっていると思います。

伊周が話をしている間、一人だけ目の前の御膳をキラキラした表情で見つめている姿が子供みたいで可愛らしかったです。チラチラ伊周の様子を窺う姿も「もう食べて良いのかな？話いつ終わる？」という気持ちが態度に出過ぎていて、その素直な反応に笑ってしまいました。どんな時もマイペースで無邪気で、内裏には他にないキャラクターでドラマの良いアクセントになっていると思います。

本当に道長たちと血のつながりがあるのか？って疑いたくなるくらい、情けなくて緊張感ゼロなキャラが良い味出してます。アホっぽい喋り方も権力争いとは無縁の世界で生きてきた、のんびり・マイペースな性格が感じられて良いと思います。ピリついたシーンが続く中、道綱が登場するとフッと張り詰めていたものが緩むような、ホッと出来るところも魅力に感じます。

同じ藤原家にありながら、権力から少し遠いところに居て自由な感じがする。あまり賢いようには見えないけれど、意外と浮き沈みが少なく世を渡っていけそうな感じが上地さんにぴったりだと思う。