石子と羽男 そんなコトで訴えます？

スーツを着て法廷に立つという「ザ・弁護士」な姿が最後に見られて嬉しかったです。気負うことなく普段通りまったり穏やかな雰囲気なのも綿郎らしくて良かったし、嫌味な相手弁護士に「先日はご助言ありがとうございました」とやり返すシーンもスカっとしました。弁護士としてのプライドと信念が感じられて格好良かったです。

ひったくりにあって落ち込む硝子に「証拠よりこっちの硝子の方が俺は大事なんだよ」と硝子の頭をくしゃっとするのが本当に大事な娘にするような仕草で心が温かくなりました。その時ばかりは小さな子供のような硝子ちゃんを宥めるお父さんでしたね。

さださんのあったかい言葉とゆったりとした口調が、とても安心できて役にぴったりで、本当に良かった！

小学生の頃からさださんのファンですが、コンサートやテレビで拝見するまんまのさださんだなぁ、とあまりに自然な演技？に、毎回ビックリしつつ楽しませていただいてます。
もっと長く続いてほしいドラマです。

感情的になって怒鳴る依頼人に対しても「はい、はい」と冷静に穏やかに接するところが綿郎らしい。適当に気休めを言ったり怒りに同調することもなく、ただ相手の怒りを受け止めるという姿勢が、単なるお人好しではない弁護士としての責任感の強さを感じさせました。石子とのタメ口トークもすごく自然だし、2人の間にあった壁が9話では全く感じられず、ちゃんと親子してるなあってほっこりしました。

友達だからと「ごめんなさい価格」で仕事を引き受けようとする相変わらずのお人好しっぷりが綿郎らしかったです。石子との電話中、都合が悪くなると電波が悪いフリして電話切っちゃうところも手慣れていて、いつもこうやって誤魔化して格安で仕事持って来ちゃうんだろうなって説得力がありました。石子と仲直りするシーンもグッときました。特に「お父さんは座ってて、私が持ってくるよ」と久々に石子にタメ口で話しかけられた時の一瞬ハッとして、徐々に嬉しさを噛みしめるように笑みが広がる表情が「お父さん」そのものでとても良かったです。

ひなのグリーンピース嫌いに気付いてそっとより分けてあげたり、「チャーハンおかわりしてくれたんだよ」と喜んだり、当たり前のように相手に寄り添う温かさや優しさが素敵。大人は信用出来ないと荒んでいるひなが心を開いて頼るようになるのも分かります。「美冬の友人としてお金を貸す」という形で賠償額を全額肩代わりするところも、すごく自然で全然押しつけがましくなくて、根っからのお人好しっぷりが感じられて良かったです。

何をしていてもホントに自然体で演技という感じがしないリアルさがあって、実際にどこかにいそうな気がしてきます。事務所の経営より人助けを優先しちゃうお人好しで人情味のある性格も、さださんの優しい口調や温かい雰囲気に似合っています。硝子との微妙な距離感も気になりますが、大庭がくれた茄子のぬか漬けを二人で取り分けるシーンは笑い合ったり茄子の大きさに突っ込んだり、ほのぼのと楽しそうで普通の親子らしさが感じられてほっこりしました。

居住まいがとても自然ですよね。流れるように自由にキャストの周りをすり抜けて普通に生活している（笑）どの動きにも角がなくほんとにそこにいるかのようなお芝居にびっくりしています。滑舌もいいし主役を邪魔しない、素晴らしいです。

帰りが遅い石子を心配する大庭たちを笑ってあしらう余裕を見せていたのに、いざ帰ってくると大急ぎで玄関まで出迎えに行く姿が可愛らしくて、年頃の娘を持つお父さんって感じでほっこりしました。潮崎に「お義父さん」って呼ばれるのは断固拒否っていう徹底した姿勢も好き。羽男に自分と石子の距離感について話す時の、笑ってるんだけどちょっと寂しげな表情も切なさが感じられて良かったです。

町弁として信頼はあったけど、人が良すぎて経営状況は火の車。離婚して母親についていった娘が、いろいろあって手伝いに来ている。そのシチュエーションがすっと入ってくる雰囲気があります。どこか自然体で、作って演技をしているという感じではありませんが、かつて莫大な借金を背負って映画監督までやったさださんだけに、楽しそうに演じているところが、この役柄に合っています。娘を「石子」と呼ばれる女性にしてしまった責任みたいなものを、どこかで感じているようなので、この先、父としてどんな顔を見せてくれるのかも楽しみです。

絵実に話しかける口調がいつも以上に穏やかで温かくて、彼女の不安を少しでも和らげようとする綿郎の優しさが伝わってきました。夜遅くの依頼にも対応して力になってくれるし、絵実にとってどれほど心強かったろうなって思います。台詞でしか出てこなかったけど、過去の事故でもこうやって姉妹に親身になって寄り添って尽力してあげたんだろうなって説得力があったのも良かったです。

行き詰った硝子にアドバイスするシーン、口調も柔らかくてサラっとしていて全然押しつけがましくないところが良かったです。硝子が自分で閃けるようにそっと導く感じが綿郎の人柄を感じさせました。ちゃんと硝子の理念に反しないよう配慮してるのもさすがで、数年しか一緒に過ごしてなくてもちゃんと娘の性格や思考を理解しているんだなと父の愛情が感じられたのも良かったと思います。

1話で潮崎に「おとうさん」って呼ばれるのをめっちゃ嫌がってたけど、2話では元妻を「おかあさん」って呼ばれるのも嫌がっていて、その頑なさが面白かったけど、どこか距離を感じさせる親子でも、そういう何気ないやりとりでちゃんと父としての愛情が伝わってきたのが良かったと思います。追加料金を貰わずに瑛子の力になってあげるところも綿郎の人情味や人の良さが感じられて良かったし、そりゃ事務所の経営もピンチになるよなっていう説得力がありました。

まったり穏やかな雰囲気が、早口でまくしたてるようなやりとりをする石子と羽男の賑々しさと良い対比になっていると思います。事務所をクビになった羽男を雇ってあげたり、いつの間にか大庭もバイトに入れてあげてるし、お人好しで困ってる人を放っておけない性格も優しそうな見た目や空気感に合っているし、出番は多くないけどほど良い存在感で良い味出してました。親子にしては距離のある石子との関係性も気になるし、ただの良い人では終わらなそうな雰囲気もあって今後の活躍が楽しみです。