片想い

最初は「こうすけ」が「こうすけ」を演じるのかーと思っていましたが、最終回の穏やかなのに奥底に決意が感じられる話し方に心を打たれました。このために本当に痩せたのかな？ってくらい体調が悪くなっていく様もリアルでとても良かったです

最終回は中尾が主役だったといっても良いくらい、素晴らしい演技をしていたと思います。殺人を犯す時の狂気の表情、自首をすると話す時の悟ったような穏やかな顔、自殺の直前にライターの火を見つめる覚悟を決めたような眼差し、どれも本当に印象的で、どの表情にも美月への深い愛情が感じられました。

声を荒げたり感情を爆発させることはないですが、穏やかな表情と静かな語り口の中に強い信念と美月への思いが込められていて、毎回素晴らしい演技をされていると思います。出番はそれほど多くないですが、存在感があってドラマのキーマンとしての役割をしっかり果たしていると思います。

落ち着きのあるやさしい語り口や美月に向ける温かい眼差しから、美月の一番の理解者ということが伝わってきます。父親や兄のような包容力も感じられ、美月を絶対に裏切らない、西脇たちにとっても頼れる存在という雰囲気が感じられるのが良いですね。原作を知っているので、いつも全てを悟っているような寂しげな表情をしているところもさすがの表現力だなと感心して観ています。

桐谷さんや国仲さんが若く見えるせいか同級生には見えないんですが、原作ではとても重要なカギを握っている人物なので、演技派の鈴木さんがキャスティングされたのは納得出来ます。表情もあまり変わらないし、落ち着いた口調で淡々としていますが、言葉ひとつひとつに重みがあって美月を守りたいという強い思いが伝わってきます。