サギデカ

可愛い❤️

今宮が何故、犯罪者の加地に感情移入し、すぐに涙を流すのか不思議で、こんな刑事が存在するのかと疑問に思いました。
しかしドラマの中盤で、自分の親が事業に失敗して借金を抱えて、今宮自身が少女時代に老女の孫の振りをして電話させられ振り込め詐欺に加担した犯罪者の家族だったことが判り謎が解けました。
自分の過去に対するトラウマに苦しみ、犯罪者の中に、自分の存在を見てしまうのだと解釈しました。
だから、取り調べ室で、容疑者を罵倒するのでなく、静かに諭すように問い詰める異色の刑事の姿には新鮮味がありました。自分に好意を寄せる廻谷とバイク友達になり、「そんなあなたが好きでした。」と嬉しそうに言った時の好意を寄せる表情には驚きましたが、次の瞬間、「だから、毎日、ささやかに生きている人達を顔も見ずに傷付けることは絶対に許せません！」と言った時の相手を刺すような表情の変化は、説得力があった見事な演技でした。
一番、印象的だったのは最後に、今宮が拘置所の加地に面会に行き、今宮が嬉し涙を流して、加地が刑期をおえるまで加地のスマホを保管して、「待っている」と答えた時のの表情は、ともすれば誤解されかねない、犯罪者と刑事という垣根を超えた恋人同士のような心の触れあいが感じられて、微笑ましかったです。

最終回の木村文乃の演技はひどかった。
学芸会かと思うほどの幼い棒演技で、台本のト書きを文字通りやりましたー、っていう感じだった。
裏に隠された悲しみとか憤りとか罪悪感とか、そういったものが一切見えなくて、薄っぺらかった。
違う人が演じていたら、もっと重厚なドラマになっただろうと思うと、残念過ぎる。

見ていて決して楽しいドラマではありませんが、心にずっしりと響いてくるドラマです。
そんな中で演じる主演の木村文乃さんの役も、知らず知らずのうちに自分の悲しい生い立ちが、詐欺犯罪の捜査に関わる側の人間になっていってしまったのだと思うのですが、悲しい切ない部分をうまく演じていらっしゃると思います。
決して派手でないお顔立ちが彼女の強みかもしれないですね。どんな役もすんなりとこなしてしまうのが凄いと思います。

暗い役、本当によく似合ってる。振り込め詐欺に対してイライラする様子や加地の気持ちがわからなくて困惑する様子がよく伝わってくる。職場にカレがいて付き合ってたころの雰囲気がほんのり出てきたりするときの表情が可愛くていい。

前回の衝撃的な告白が事件への執着に繋がっていて、しかも｢やるならピンポイント｣と加地に迫った手前、被害の拡大に責任がかかるという苦しい状況が伝わってきたね。自責の念と加地を信じたいという複雑な気持ちが入り交じる描写が何とも良かった。

非常に面白いドラマだ。二項対立（警察＝善　犯人＝悪）ではないので、わかりにくい面はある。特に重い過去を背負いながらも、健気に活躍する主人公今宮夏蓮、木村文乃は過去にもこのような役を演じたことがあり、はまり役だと思う。

初回からこの人はどうして加害者に肩入れするんだ？なんだか危なっかしい刑事さんだと思ってたので、第三回の放送で今宮の過去を知って合点がいきました。私にとって、正直100％は共感できるキャラクターではありませんが、今宮の儚くて危なっかしいところは、充分伝わってきました。

表面上はそつなく演じているし、どこがどうとは言えないのだが、薄っぺらい。脚本に書かれている以上のバックグラウンドが見えない。前に、弟の冤罪がきっかけで裁判官をやめた役を演じていた時もそう思ったのだが、表面はきれいにできているが、裏に回るといかにもハリボテっていう感じがする。
声が悪いのかも知れない。日本の女優さんに多いのだが、声に年齢相応の深みがなくて、幼く見えてしまうタイプ。
特に、青木崇高と一緒の場面を演じていると、青木が美味いだけに、そのへんの拙劣さがはっきり見えてしまって、主人公なのに、頑張れって応援できない。

こういう使命感あふれる女性刑事役を自然にこなせるのはさすがです。

熱い刑事さんなんだけど、どこか木村文乃さんの女性らしさがのこっていて、無理やりぶっきらぼうに演じていて違和感があります。サギデカではなく、交通安全取り締まりとか、警察音楽隊のメンバーだといい感じだったではないでしょうか。星２つ。

素直で仕事にホットだけれど、素ではだらしなかったり口が悪かったりしている人間味があふれる夏蓮のキャラクターを、木村文乃がよく演じているなと思いました。人助けしようとして犯罪者になってしまった老人に、心から同情している様子がよくわかる演技でした。

バリバリのキャリアを誇っているようでいて、詐欺グループの「かけ子」に自己主張をされると、つい金持ちから奪えなどと本音を出してしまうような、感情豊かな演技がよかったです。木村文乃ならではの、現実味に溢れた女刑事でした。