『光る君へ』での三浦翔平 (藤原伊周役)の演技はどうでしたか?あえて2択で評価してみて下さい。
三浦翔平 (藤原伊周役) は 「2024年10月期 勝手にアカデミー賞」にノミネート中 (→ 今、何位?)
本来ならば権力の中枢にいる筈だという妄執がすごいですね。 もし父親の道隆の思い通りに道兼ではなく、すぐ伊周が関白を継いでいれば、道長の出番はなかっただろうと思うし、中関白家の没落は伊周というよりも、道兼が原因だったんじゃないかな。だから恨むべくは道兼だろうに、原因よりも目の前にいる道長を恨むのは、人の性なのでしょうね。 三浦さんの芝居ですが、若くして期待された御曹司らしい自己肥大化したエゴとか、我の強さの反面、打たれ弱く、大局観のないただ頂点に立ちたいということしか興味がない視野の狭さなど、内面が見える演技だったと思います。
死を待つほど弱りきった時でも「俺が何をした」と呟いたり、道雅への遺言が「左大臣に従うな」だったり、最期まで過去の栄華と道長への逆恨みに囚われている姿が悲しくて切なかったです。自業自得だなと思うし同情もしないけど、死の間際に家族と輝かしかった過去を思って涙を流す姿は胸にくるものがあり、伊周なりの家族への愛が感じられて良かったと思います。
人を呪わば穴二つとはよく言ったもので道長を呪詛しているはずが伊周に効いているような憔悴っぷり。親王にも心配されるくらいなのに自分は大丈夫と思っているところが最高にヤバい。とうに違う道を行ってしまったんだなと悲しく思う。
床に這いつくばって呪詛する時の虚ろな表情やしわがれた声、木札を嚙み砕いたり「何もかもお前のせいだ」と呻くように叫んで笑いながら道長を呪う狂気に満ちた姿、狂ってどんどん堕ちていく演技が凄くてグッと惹き込まれてしまう。自業自得で本当にどうしようもない人なんだけど、哀れで何処か憎みきれないというか、救われて欲しかったなっていう思いも芽生えてしまう不思議な魅力があるところも良いなと思います。
目を見開いて瞬きをせずに話す姿が、伊周の普通ではない心理状態を物語っていて良いですね。一見落ち着いた佇まいや淡々とした口調も底の知れない不気味さがあって、感情剥き出しで怒鳴り散らしているよりよっぽど怖い。道長の思惑通り、帝や貴族たちの前で敦康天皇の後見であるとドヤ顔で口にするシーンも、先の先が読めない、人徳がないゆえに立ち回りや根回しが出来ない伊周の残念さが滲み出ていて良かったと思います。
意味深な企み顔と裾から覗く赤い紐で「もしや?」とは思ったけど、まさかまだ呪詛を続けていたとは…。こぼれ落ちそうなくらいカッと大きく見開いた目や一心不乱に呪い続ける姿が、伊周の凄まじい執念と道長への強く深い憎悪と嫉妬を感じさせたのも良かったです。
嫉妬に狂った姿は醜い。それが三浦さんのように非の打ちどころのない端正な顔でもそうなるから恐ろしい。いつもは道長に刃向かう気なんてないような涼しい顔をしているのに中身はドロドロとした気持ちでいっぱい。こんなはずではないとずっと思ってきたのが伝わります。
隆家への「お前を恨んだことはない」という言葉に嘘はないように見えたけど、不気味な笑い声やカッと見開いた眼差し、感情とは裏腹な妙に穏やかな声のトーンなど、何を考えているか分からない怖さや厄介があって、隆家の懺悔や兄を心配する思いが全然響いてなさそうに感じられる演技がとても良かったです。これからまだ懲りずに何かやらかしそうだなあって視聴者をソワソワさせるところもドラマの良いスパイスになっていると思います。
実の息子からも甥からもあからさまに嫌われているのが、昔から人望のない伊周らしい。息子に「父上の復讐の道具にはならない」と反抗された時に悲し気な表情を浮かべてショックを受けている姿も、過去の自分の行いを棚にあげて何なんだろうて呆れてしまいました。時折見せる意味深な眼差しや何かを企んでいるような表情などで不穏さを漂わせているのも良かったです。
除目の儀で道長の発言から不穏な空気になった時のニヤっとした悪い微笑みが良かった。全然懲りてないし反省してないし、完全に吹っ切れてる隆家とは違って意識も物事の見方も何もかもが昔のままで止まってるんだなあって伝わってきました。脅威になりそうっていう恐れではなく、またいらんことして面倒起こしそうっていう雰囲気の方が強く感じられる小者っぽさが滲み出ているところも良かったです。
道綱に「譲られよ」と席を空けるよう迫る時の勝ち誇ったような、見下すような表情と態度が昔と全く変わっていなくて、何年経ってもどんな目に遭っても成長しない人なんだなあって呆れてしまいました。父上の権力や帝の定子への愛のおかげで地位を得ていて、伊周自身には何の能力もないけど、そのことに本人は全く気付いてなさそうな雰囲気があって、そこが滑稽さや惨めさをより際立たせているところも人物造形が上手いなと思います。
親身になって帝に語り掛けるしおらしい口調や表情が、やたら芝居がかっていて白々しくて、隆家が呆れたような表情になるのも納得。3年経ってもまだ道長への呪詛を続けているしつこさと執念深さも、それだけ強く念を込めて呪っているのに何年経っても成果が表れない残念さも伊周らしくて、あまりの成長の無さに笑いがこみ上げてしまいました。
幼い息子への八つ当たりのような厳しい稽古、現実的な隆家に向ける蔑むような眼差し、かと思えば利用出来そうな清少納言にはコロっと態度を軟化させるなど、相変わらずの人間の小ささとクズさが表情や視線のちょっとした変化だけで伝わってくるのが良かったです。道長を呪詛するシーンも、取り憑かれたような見開いた眼差しや狂気じみた空気がヤバさ全開で恐ろしかったです。
雄叫びをあげて定子の死を嘆き悲しむのは分かるけど、そこからの左大臣への逆恨み展開は思考回路が本当に謎過ぎて、どこまでいっても中身空っぽで愚かな人だなと、腹を立てるを通り越して不謹慎だけど呆れてちょっと笑ってしまいました。正統派二枚目も出来るけど、見た目と中身が反比例しているこういうクズ男もよく似合うし上手い。これからまた色々と面倒を起こしそうな雰囲気をプンプン漂わせていて、画面に映るだけでハラハラしてしまいます。
定子が御子を出産した時の「これで帝も自分たちを無碍には出来まい」とドヤる姿が相変わらずで、先がちゃんと読めている隆家との差がより鮮明に感じられたのが良かったです。見た目だけはとても美しく、それが余計に中身の残念さを際立たせているところも三浦さんだからこそ醸し出せる個性だなと感じます。
もうこれ以上無いってくらい株を下げまくってるのに、登場するたびにさらにそれを更新していく人も珍しいし、それをしっかり演じられるのも凄い。中宮に嫌味を言う時の表情の醜さや、少納言に釘を刺された時の居心地悪そうな顔など、綺麗な顔立ちなのに内面の醜さや狡さをちゃんと表情に滲ませることが出来るのも上手いなと思います。
散々みっともない姿を晒してきたのに、呼び戻された途端、以前のような余裕ぶった態度に戻っている図々しさや神経の図太さが凄いし、そのいけ好かない表情や口調がすごく上手い。道長が辞任を申し出た時の表情も、我関せずというようにも、チャンスを窺っているようにも、どちらとも取れそうな不穏さを滲ませていて良かったです。
長旅でぼろぼろになりながらも病床の母に会いたいがためにやってきた伊周は子供のように半べそで体の割に中身が子供でやれやれって感じ。だけど母に会いたい気持ちは本物なんだろうなと思ったし健気だとも思った。こんなカッコ悪い役も少しの可愛さがあって憎めなかった。
これまでのように大声を出して激昂するのではなく、縋るような必死な様子で母上に会わせて欲しいと頼む姿が、これ以上無いってくらい哀れでみっともなくて、自業自得なんだけどちょっと気の毒にも見えてきて、公任がつい情けをかけてしまう説得力がありました。亡くなった母を目の当たりにして崩れ落ちる姿や、憔悴しきった様子も胸が痛かった。ラストの泣きながら何かを憎悪するような表情を浮かべる姿も、何やら不穏な空気を醸し出していて印象に残りました。
出家したと嘘をついたり、その嘘がバレると「煩い!」と叫んで逃げようとしたり、「嫌だ嫌だ」と地面に寝転がって駄々をこねたり、やってることが子供過ぎて、スンと気取っていた1年前の姿とは別人のように見苦しくて情けなかったです。なりふり構わぬ暴れっぷりや涙で潤んだ縋るような眼差し、無精ひげでやつれた表情、栄華を極めていたキラキラと美しい姿からの転落っぷりも見事で、躊躇なくとことん無様に情けなく演じる姿は見応えがあってとても良かったと思います。
今まで中身はないのにスンとしたおすまし顔で乗り切ってきた伊周。一皮剥けばってところがここ2回ほど続けて出てきて面白かったです。自分で自滅したのにまだなんとかなるのではないかという甘えが見えて根っからのおぼっちゃまなんだなと思いました。
処分が下っても聞き入れず「何処にも行かぬ」と駄々をこねて叫ぶ姿が、絵に描いたような挫折を知らぬプライドの高いお坊ちゃんそのもので惨めで情けなかったです。隆家が腹を括って受け入れているから余計に内面の幼さやメンタルの弱さが際立つ。シュッとしたイケメン役だけじゃなくて、こういう人間臭くて格好悪い役も中途半端にせずしっかり演じ切るところに好感が持てます。
眉目秀麗で女性たちに憧れの眼差しで見つめられていた爽やかな登場シーンから、回を追うごとに与えられる立場に中身が追い付いていかず、プライドばかりが高くなっていく姿がタイトルにもなっていた「驕れる者」を体現していて良いですね。定子に「御子を産め」と迫ったり、大声で怒鳴り散らしたり、狂気じみたエキセントリックな演技も迫力があり見応えがありました。
出てきた時は聡明そうなイケメンだなと思ったけど中身が父親そっくりで笑ってしまう。妹に皇子をうめ〜と迫るところもほんとにそっくり。父と兄におんなじ顔で迫られる妹が不憫でならなかった。お澄まし顔してればなんとかなる程度じゃ出世は厳しいだろう。
本来ならば権力の中枢にいる筈だという妄執がすごいですね。
もし父親の道隆の思い通りに道兼ではなく、すぐ伊周が関白を継いでいれば、道長の出番はなかっただろうと思うし、中関白家の没落は伊周というよりも、道兼が原因だったんじゃないかな。だから恨むべくは道兼だろうに、原因よりも目の前にいる道長を恨むのは、人の性なのでしょうね。
三浦さんの芝居ですが、若くして期待された御曹司らしい自己肥大化したエゴとか、我の強さの反面、打たれ弱く、大局観のないただ頂点に立ちたいということしか興味がない視野の狭さなど、内面が見える演技だったと思います。
死を待つほど弱りきった時でも「俺が何をした」と呟いたり、道雅への遺言が「左大臣に従うな」だったり、最期まで過去の栄華と道長への逆恨みに囚われている姿が悲しくて切なかったです。自業自得だなと思うし同情もしないけど、死の間際に家族と輝かしかった過去を思って涙を流す姿は胸にくるものがあり、伊周なりの家族への愛が感じられて良かったと思います。
人を呪わば穴二つとはよく言ったもので道長を呪詛しているはずが伊周に効いているような憔悴っぷり。親王にも心配されるくらいなのに自分は大丈夫と思っているところが最高にヤバい。とうに違う道を行ってしまったんだなと悲しく思う。
床に這いつくばって呪詛する時の虚ろな表情やしわがれた声、木札を嚙み砕いたり「何もかもお前のせいだ」と呻くように叫んで笑いながら道長を呪う狂気に満ちた姿、狂ってどんどん堕ちていく演技が凄くてグッと惹き込まれてしまう。自業自得で本当にどうしようもない人なんだけど、哀れで何処か憎みきれないというか、救われて欲しかったなっていう思いも芽生えてしまう不思議な魅力があるところも良いなと思います。
目を見開いて瞬きをせずに話す姿が、伊周の普通ではない心理状態を物語っていて良いですね。一見落ち着いた佇まいや淡々とした口調も底の知れない不気味さがあって、感情剥き出しで怒鳴り散らしているよりよっぽど怖い。道長の思惑通り、帝や貴族たちの前で敦康天皇の後見であるとドヤ顔で口にするシーンも、先の先が読めない、人徳がないゆえに立ち回りや根回しが出来ない伊周の残念さが滲み出ていて良かったと思います。
意味深な企み顔と裾から覗く赤い紐で「もしや?」とは思ったけど、まさかまだ呪詛を続けていたとは…。こぼれ落ちそうなくらいカッと大きく見開いた目や一心不乱に呪い続ける姿が、伊周の凄まじい執念と道長への強く深い憎悪と嫉妬を感じさせたのも良かったです。
嫉妬に狂った姿は醜い。それが三浦さんのように非の打ちどころのない端正な顔でもそうなるから恐ろしい。いつもは道長に刃向かう気なんてないような涼しい顔をしているのに中身はドロドロとした気持ちでいっぱい。こんなはずではないとずっと思ってきたのが伝わります。
隆家への「お前を恨んだことはない」という言葉に嘘はないように見えたけど、不気味な笑い声やカッと見開いた眼差し、感情とは裏腹な妙に穏やかな声のトーンなど、何を考えているか分からない怖さや厄介があって、隆家の懺悔や兄を心配する思いが全然響いてなさそうに感じられる演技がとても良かったです。これからまだ懲りずに何かやらかしそうだなあって視聴者をソワソワさせるところもドラマの良いスパイスになっていると思います。
実の息子からも甥からもあからさまに嫌われているのが、昔から人望のない伊周らしい。息子に「父上の復讐の道具にはならない」と反抗された時に悲し気な表情を浮かべてショックを受けている姿も、過去の自分の行いを棚にあげて何なんだろうて呆れてしまいました。時折見せる意味深な眼差しや何かを企んでいるような表情などで不穏さを漂わせているのも良かったです。
除目の儀で道長の発言から不穏な空気になった時のニヤっとした悪い微笑みが良かった。全然懲りてないし反省してないし、完全に吹っ切れてる隆家とは違って意識も物事の見方も何もかもが昔のままで止まってるんだなあって伝わってきました。脅威になりそうっていう恐れではなく、またいらんことして面倒起こしそうっていう雰囲気の方が強く感じられる小者っぽさが滲み出ているところも良かったです。
道綱に「譲られよ」と席を空けるよう迫る時の勝ち誇ったような、見下すような表情と態度が昔と全く変わっていなくて、何年経ってもどんな目に遭っても成長しない人なんだなあって呆れてしまいました。父上の権力や帝の定子への愛のおかげで地位を得ていて、伊周自身には何の能力もないけど、そのことに本人は全く気付いてなさそうな雰囲気があって、そこが滑稽さや惨めさをより際立たせているところも人物造形が上手いなと思います。
親身になって帝に語り掛けるしおらしい口調や表情が、やたら芝居がかっていて白々しくて、隆家が呆れたような表情になるのも納得。3年経ってもまだ道長への呪詛を続けているしつこさと執念深さも、それだけ強く念を込めて呪っているのに何年経っても成果が表れない残念さも伊周らしくて、あまりの成長の無さに笑いがこみ上げてしまいました。
幼い息子への八つ当たりのような厳しい稽古、現実的な隆家に向ける蔑むような眼差し、かと思えば利用出来そうな清少納言にはコロっと態度を軟化させるなど、相変わらずの人間の小ささとクズさが表情や視線のちょっとした変化だけで伝わってくるのが良かったです。道長を呪詛するシーンも、取り憑かれたような見開いた眼差しや狂気じみた空気がヤバさ全開で恐ろしかったです。
雄叫びをあげて定子の死を嘆き悲しむのは分かるけど、そこからの左大臣への逆恨み展開は思考回路が本当に謎過ぎて、どこまでいっても中身空っぽで愚かな人だなと、腹を立てるを通り越して不謹慎だけど呆れてちょっと笑ってしまいました。正統派二枚目も出来るけど、見た目と中身が反比例しているこういうクズ男もよく似合うし上手い。これからまた色々と面倒を起こしそうな雰囲気をプンプン漂わせていて、画面に映るだけでハラハラしてしまいます。
定子が御子を出産した時の「これで帝も自分たちを無碍には出来まい」とドヤる姿が相変わらずで、先がちゃんと読めている隆家との差がより鮮明に感じられたのが良かったです。見た目だけはとても美しく、それが余計に中身の残念さを際立たせているところも三浦さんだからこそ醸し出せる個性だなと感じます。
もうこれ以上無いってくらい株を下げまくってるのに、登場するたびにさらにそれを更新していく人も珍しいし、それをしっかり演じられるのも凄い。中宮に嫌味を言う時の表情の醜さや、少納言に釘を刺された時の居心地悪そうな顔など、綺麗な顔立ちなのに内面の醜さや狡さをちゃんと表情に滲ませることが出来るのも上手いなと思います。
散々みっともない姿を晒してきたのに、呼び戻された途端、以前のような余裕ぶった態度に戻っている図々しさや神経の図太さが凄いし、そのいけ好かない表情や口調がすごく上手い。道長が辞任を申し出た時の表情も、我関せずというようにも、チャンスを窺っているようにも、どちらとも取れそうな不穏さを滲ませていて良かったです。
長旅でぼろぼろになりながらも病床の母に会いたいがためにやってきた伊周は子供のように半べそで体の割に中身が子供でやれやれって感じ。だけど母に会いたい気持ちは本物なんだろうなと思ったし健気だとも思った。こんなカッコ悪い役も少しの可愛さがあって憎めなかった。
これまでのように大声を出して激昂するのではなく、縋るような必死な様子で母上に会わせて欲しいと頼む姿が、これ以上無いってくらい哀れでみっともなくて、自業自得なんだけどちょっと気の毒にも見えてきて、公任がつい情けをかけてしまう説得力がありました。亡くなった母を目の当たりにして崩れ落ちる姿や、憔悴しきった様子も胸が痛かった。ラストの泣きながら何かを憎悪するような表情を浮かべる姿も、何やら不穏な空気を醸し出していて印象に残りました。
出家したと嘘をついたり、その嘘がバレると「煩い!」と叫んで逃げようとしたり、「嫌だ嫌だ」と地面に寝転がって駄々をこねたり、やってることが子供過ぎて、スンと気取っていた1年前の姿とは別人のように見苦しくて情けなかったです。なりふり構わぬ暴れっぷりや涙で潤んだ縋るような眼差し、無精ひげでやつれた表情、栄華を極めていたキラキラと美しい姿からの転落っぷりも見事で、躊躇なくとことん無様に情けなく演じる姿は見応えがあってとても良かったと思います。
今まで中身はないのにスンとしたおすまし顔で乗り切ってきた伊周。一皮剥けばってところがここ2回ほど続けて出てきて面白かったです。自分で自滅したのにまだなんとかなるのではないかという甘えが見えて根っからのおぼっちゃまなんだなと思いました。
処分が下っても聞き入れず「何処にも行かぬ」と駄々をこねて叫ぶ姿が、絵に描いたような挫折を知らぬプライドの高いお坊ちゃんそのもので惨めで情けなかったです。隆家が腹を括って受け入れているから余計に内面の幼さやメンタルの弱さが際立つ。シュッとしたイケメン役だけじゃなくて、こういう人間臭くて格好悪い役も中途半端にせずしっかり演じ切るところに好感が持てます。
眉目秀麗で女性たちに憧れの眼差しで見つめられていた爽やかな登場シーンから、回を追うごとに与えられる立場に中身が追い付いていかず、プライドばかりが高くなっていく姿がタイトルにもなっていた「驕れる者」を体現していて良いですね。定子に「御子を産め」と迫ったり、大声で怒鳴り散らしたり、狂気じみたエキセントリックな演技も迫力があり見応えがありました。
出てきた時は聡明そうなイケメンだなと思ったけど中身が父親そっくりで笑ってしまう。妹に皇子をうめ〜と迫るところもほんとにそっくり。父と兄におんなじ顔で迫られる妹が不憫でならなかった。お澄まし顔してればなんとかなる程度じゃ出世は厳しいだろう。