虎に翼

寅子の同窓生の中の「黒一点」というべき轟ですが、彼の存在が寅子たちの訴えるものが単に女性問題というのではなく、マイノリティや社会的弱者の問題だということを明らかにする存在です。よねとのコンビも見事だし、ムードメイカーとして雰囲気を変えようとする心遣いもできる、本当にいい奴です。

演じる戸塚さんですが、学生時代の轟と卒業後の轟、そしてカミングアウトした後の轟と、三度の変化がありました。最初の変化はわかりやすく大きく、次の変化は劇的だけど繊細に。そのバランスの取り方は難しいし、見事だったなと思います。そして轟の気遣いのできる優しさを感じさせる芝居も単に表情だけでなく、腰が軽く、動きを交えることでも表現していました。

口が過ぎるよねの代わりに頭を下げつつもよねにいけ！と言った漢気がかっこいい。よねの操縦の仕方もお手のもので2人の付き合いの長さを感じることができる。信頼関係があってこそのやり取りだからこそしっくりくるんだね。

初期のバンカラ風の男子がどう同性愛者に結びつくのかと思っていましたが、轟さんの告白を聞いて納得。無意識のうちに男性であることを自分で演じていたのかもしれませんね。複雑な内面を感じながらも相手を思いやることを忘れない懐の深さがいろんなところで感じられます。

遠藤さんを紹介した様子がもう本当に若い頃の轟君のままで。潔いほど男前。清々しくて、いろいろ大変なことはあるんだろうけれど幸せなんだなと、生きていてくれてよかったなと思った。この方も自分の好きな自分で居続けていると思う。ある意味よねさんと同じで、それを本当に過不足なく素敵な人物に演じてくれている。戸塚さんの演じる轟君が大好きです。

やっぱり君は生きていて良かった！と思う気持ちでいっぱいです。同期と会うたびに涙を流して大喜び。それほど生きて会えることが奇跡な時代だったのですよね。よねとのコンビも板につき腕を引くタイミングが絶妙です。

よねさんとのコンビがサマになってきました。同じ教室で学んでいた頃は級友としての距離しかなかったけど、今はよねのどんな態度にも動じずフォローしたりつっこんだりとうまく対応していると思います。バディ感出てきました。

最初は嫌味なやつぐらいにしか思っていなかったけど、ハイキングで張り切って山登りをしたり率先して女性の荷物を持ってあげたりとメキメキいい部分が出てきて花岡をビンタした今日が最高潮。轟ファンがどんどん増えています。その快活さや素直さがとても好きです。