トップナイフ―天才脳外科医の条件―

トップナイフになる為に、家庭も同僚さえも犠牲にして高みを目指す姿は、彼女自身の役に対する姿勢にも通ずるものがあり、凛として熱くとてもかっこよかったです。手術着だと顔が隠れてしまい、両目でしか演技が出来ませんが、しっかりとその眼力に気持ちが溢れていて、さずがベテラン女優だと圧倒されました。

仕事が出来る格好良い女性というイメージが強く、実際にそういう役が似合うし素敵なんだけど、弁護士も刑事も医者も全部同じ演技に見えます。低めで早口な口調もキリっと引き締まった表情も既視感が強くて新鮮さがなく、見飽きた感じがします。脳外科の世界という未知の分野で興味深いドラマではありましたが、主役のわりに深山の出番はさほど多くはないし、わざわざ天海さんが演じなくても良かった気がします。

やはり天海祐希さんの演技は安定してカッコいいです。彼女が登場するシーンだけ、つい食い入るように見てしまいます。ショートカットの髪型もカッコよく、役柄にも合っていて素晴らしいです。ただ、話が進むごとにだんだんBOSSや離婚弁護士でおなじみのキャラに寄って行っている感じがしたので、もう少しこのドラマ独自のキャラクターとしての天海祐希さんを見たかったなと思いました。

主役のわりに出番が少ないせいもありますが、毎回あまり印象に残りません。天海さんご自身は綺麗で格好良くて華やかな方なのに、このドラマでは主役らしいオーラが感じられないのが不思議です。クールな役どころですが、もう少し表情やセリフのニュアンスに変化をつけて深山の心の機微を表現して欲しいです。

サバサバを超えてもはやバキバキといった感じの強い医師であると同時に、色々な問題に悩む一人の人間…というキャラクターがとても自然です。宝塚で厳しい競争を勝ち抜いたトップスターとしての経験が生きているのかなと思います。

まぁずっと医療の最前線で真面目に仕事をしてきてミスが許されない厳しい仕事だって分かっているけど、お母さんとしてはなかなか厳しいね。娘にどんなに愛情があるのか切々と言っていたけどあんまり響かなかったなー。

これまで好きな女優さんの１人だったので期待していましたが、何だか…最近何をやってもどんな役をやっても似ていて、同じ様に見えてしまいつまらないです。演技が下手とは決して思いませんが、キムタクと同じような感じで、何をやっても同じになってしまう、ちょっとした癖とかがこれまでの役柄とかぶってしまって、がっかりします。更に、個人的な意見ですが、今回の髪型が全く似合っていないと思います。

サバサバと男前の雰囲気であまり女性らしい色気を感じないせいか、母親役がいつも似合わないというか、母性などが感じられず違和感があるのですが、今回くらいの距離感だと複雑な親子っぽさが感じられて良いですね。会話は余所余所しいけど、仕事中に苛立ってモヤモヤした表情を浮かべたり、「お帰りなさい」というメモを見てふっと表情を和らげるなど、深山なりに娘を大切に想っていることが伝わってきて、ちゃんと「お母さん」に見えたところが良かったです。

安定の素晴らしい演技力だと思います。天海祐希さんが深山先生を演じているから、このドラマを観ているといっても過言ではありません。深山先生の、最前線で働く女性としての強さ、そして美しさが、天海祐希さん自身から滲み出しているように感じます。

天海祐希は好きな人で女優さんで、実力もあり、このドラマでも力を発揮していると思うが……
あとわずかなところでマンネリを感じる。
感じるが、ドラマ自体は今のところ面白く見ている。
むしろ本人にはあまり葛藤もなく過去もない、シンプルな姉御という役柄の方が良かったかも。
周りにあれだけ曲者を揃えているので、狂言回しの役柄だけでも良かった。

白衣は似合うし、いかにも仕事が出来る格好良い女性でとても素敵なのですが、デジャブ感がすごい。BOSSもキントリも似たようなキャラで、個人的には表情も台詞まわしも全部同じに見えてしまい、演じ分けが出来ているように見えません。淡々とした口調とポーカーフェイスのせいか、深山の患者に寄り添い過ぎるという優しい一面もあまり感じられません。

すらっと背の高い天海祐希さんは威圧感やできる女感がありドラマの手術シーンも迫力がありました。ただ、先日まで放送していた医療ドラマと比べてしまうとやはりまだ手術シーンは劣るのかなぁといった印象です。

女医さん姿はお似合いなのですが、髪の毛をショートにされたせいか、老けたなと思ってしまいました…。あとエンディングのダンスはいらないです。もっと天才ドクターとしてカリスマっぽい姿を見たいです。なんだかんだで組織にまかれそう。

さすが天海さんというのか、絵にかいたような凄腕脳外科医のイメージを体現されてますね。患者の奥さんに対して説明している姿は、いかにも切れ者の理路整然とした要領を押さえた話し方でありながら、冷たさは全く感じませんでした。「失敗しない医者」などとは違って、その存在に生活感というのかリアリティもあって、全てが魅力的。

天海祐希は好きな女優さんですが、この深山役は、まだつかみどころが無く、天海さん自身も試行錯誤中なのかなと感じました。DV夫がひどい人だったのは腫瘍のせいかもと、家族の人に手術を煽っておきながら、いざ違ったら梯子を外したような対応をした深山は、なんだか血が通ってない気がしました。

冒頭の手術シーンからすでに格好良くて、どんな人物かまだよく分からない状態なのに「この人に任せておけば大丈夫」という頼もしさと安心感がありました。黒岩に「患者に寄り添い過ぎる」と言われていましたが、患者の家庭の事情を垣間見ても同情などの私情は挟まず、まず患者の命を救うことを大前提にしつつ、同時に家族の不安も和らげてあげる姿に深山の医師としての信念と温かさを感じました。医者役なので化粧っ気がありませんが、それでも主役だと分かる華やかさがあるところもさすがだと思いました。