半分、青い。

ナレーションだけでどんどん年月が経過していく雑な脚本ですが、滝藤さんはちゃんと見た目を変えて、脚本には描かれていない楡野家の変化を表現していてその丁寧な芝居・表現力に頭が下がります。白髪が少しずつ混じっていたり、髪の分け目を変えて薄毛になっておでこが広くなったように見せていたり、１人の父親が年を取っていく様を無理なく自然に表現していると思います。

鈴愛の結婚式で、目をキラキラ輝かせて嬉しそうに笑っている姿が宇太郎らしくて素敵でした。花嫁の父親にありがちな号泣したり必死で涙をこらえて仏頂面をしているのではなく、娘の結婚式という初めての体験を心から楽しんでいるような雰囲気があって、宇太郎の好奇心旺盛で少年のような一面が感じられました。

滝藤さんの目の演技が上手いなといつも感心して見ています。結婚の挨拶に来た涼次を瞬きもせずマジマジと見つめたり、涼次が口を開こうとするとパッと目を見開いたり、たまに目が泳いだり、台詞がなくても宇太郎の極度の緊張感がしっかり伝わってきて、見ているこちらも一緒にドキドキしてしまいました。

鈴愛の結婚を聞いた時の取り乱し方が絵に描いたような男親の態度で笑えました。どんな仕事してる人か、ちゃんとしている人なのか、どこで会ったのかなど知りたいことが山ほどあって収集つかなくなってる感じが必死な表情から伝わってきて、鈴愛への愛情が感じられたのも良かったです。

過保護過ぎるくらい鈴愛を心配する晴と違い、「自分の名前で本まで出て御の字や」と明るく振る舞うおおらかさが魅力的です。鈴愛のコミックスを大切そうに手に取ったり、たまに見せるしみじみとした表情でちゃんと鈴愛への愛情を表現していて、決していい加減な父親に見せないところがさすがだと思います。

鈴愛のコミックスをいそいそと本棚に並べる姿が本当に嬉しそうで宝物を眺める小学生みたいだったのが、少年っぽさのある宇太郎らしくて微笑ましかったです。本棚を見つめる時の満足げな表情も、立派に成長した鈴愛を誇りに思っていることが伝わってきて良かったです。

鈴愛がデビューしたらお店の本棚を全部鈴愛の本だらけにすると語る時の楽しそうで嬉しそうな笑顔がとても良かったです。久しぶりの登場となりましたが、変わらぬ明るさと鈴愛への愛情が感じられて、故郷に帰ってきたようなホッと安心出来るような気持ちになれました。

鈴愛のお父さんですが、晴さんを大切にしている印象が強いです。

娘のことは妻に任せて、自分は妻を大切にすることで家族を幸せにしている、という印象です。

愛する晴さんに任せておけば、鈴愛はいい子に育つ、そんな感じで、鈴愛と接しているように思います。

妻任せとはいえ、関わっていないわけではないので、いつも鈴愛の味方、そんな印象です。

晴が東京に行ってしまったからと、羽根を伸ばして昼間から酒を飲んで浮かれている姿がお調子者の鈴愛を彷彿とさせて良かったです。やっぱり親子なんだなと改めて実感出来て、鈴愛と一緒のシーンは減ってしまったけど家族のつながりや愛情が感じられてほんわかと温かい気持ちになれました。

鈴愛と電話する晴の横でワクワクと嬉しそうに順番を待っている姿が良かったです。受話器に耳を近づけて何とか鈴愛の声を聞こうとする姿が何ともお茶目でチャーミングで、鈴愛への愛情が感じられて温かい気持ちになれました。

34話で鈴愛の不在に沈んでいる晴を気遣うシーンがとても良かったです。台所に立つ晴の背中を心配そうに見つめる眼差しから優しい旦那さんぶりが伝わってきましたし、敢えて鈴愛の話題には触れずに子供みたいにつまみ食いをして晴を和ませてあげる姿もとても自然で、2人の互いを思いやる良い夫婦関係がにじみ出ていたと思います。

出会いの説明がなくても、なれそめが想像できるくらいステキな夫婦に見えるのは、宇太郎の持つ人に対する愛情が滝藤賢一からあふれているからだと思います。外見的に中村雅俊の息子というのはやや不自然ですが、娘からけむたがられない父、という親子関係はとても自然です。

33話で晴と鈴愛の話を背中ごしに聞いているシーンがとても良かったです。寝たふりをしているから表情はそんなに変わらないけど、キュッと噛みしめるように閉じた口元や潤んだ瞳から鈴愛と離れる寂しさや大きくなったんだなと感慨深げな宇太郎の気持ちがしっかり伝わってきました。

32話で鈴愛に「いつでも帰って来い、ずっと味方だからな」と告げるシーンが良かったです。鈴愛に背を向けて涙で目を潤ませる姿が印象的で、必死で寂しさをこらえているのが伝わり鈴愛への深い愛情を感じることが出来ました。鈴愛の泣き顔を見ないようにしているのも、男親の照れくささが感じられて良かったです。親元を離れても自立してもいつまでも親にとっては子供なんだなと見ていて温かく切ない気持ちになりました。

映画「関ケ原」で、秀吉を演じていたが、その演技の迫力には度肝を抜かれた。それがこんなダメ夫の役をするなんて、そのギャップと演技の振り幅の広さに驚いた。間違いなく演技力の高い人だと思う。

28話で鈴愛が遠くに飛んで行ってしまうと泣く晴を慰めるシーンが印象的でした。「そんなに遠くに飛べない、すずめやもん」と優しく晴の肩を抱いてあげる時の表情が本当に温かくて包容力があって、晴への深い愛情が感じられたのが良かったです。

若菜にウルウルした瞳で見つめられて、デレデレして髪を整えたり喋り方が2枚目モードになるシーンが宇太郎っぽくて面白かったです。すぐその気になったり調子に乗ってしまうところが鈴愛と親子だなと、見ていて微笑ましかったです。「デレデレするな」と言わんばかりに後ろから晴に抓られるシーンでは顔を真っ赤にして本当に痛そうに体をよじらせていて、さすが演技が細かいなと感心しました。

若菜との電話シーンが良かったです。ちょっと感情的になり過ぎな感じもしましたが、鈴愛のことを本当に大切に思って心配しているのが伝わってきました。若菜に電話を切られてしまい、「やってもうた」と呆然とする姿も印象的で、鈴愛の夢を壊してしまったかもしれないという後悔と、これで東京行きを諦めさせることが出来るかもという安堵が混ざったような、何とも言えない表情をしていたのが良かったです。

滝藤賢一さんは、すごく好きな俳優さんの一人ですが、
ロン毛がキンチョウ ティンクルのオカマキャラ設定とダブって駄目です（笑）。
「なんでこうなるの」です。
いまいち、どういう夫婦キャラ設定なのかも、いまのところわかりません。

22話で晴と鈴愛の将来について語るシーンが印象的でした。干渉し過ぎず程良い距離感で鈴愛を見守っていて、「あいつと一緒におったら面白い、飽きない」という台詞の言い方がとても温かくて、鈴愛の障害もちょっと変わり者のところも丸ごと全部理解して愛しているのが伝わってきました。宇太郎にとって鈴愛は自慢の娘なんだなと感じられ、ほんわか温かい気持ちになれる良い演技だったなと思います。

今までは物静かで、狂気な一面を持つような役柄、それも悪役が多かったですが、今回、食堂をきりもみする陽気な大将もしっかりキャラになじんでいるという印象です。以前テレビ番組で「素の自分で演じている」とコメントしていましたが、まさにすごく演技を楽しんでいると思います。

鈴愛が初デートに行くと知って心配したり焼きもちを妬くのかと思いきや、「モテたのが嬉しかったんやな」としみじみしたり、自分のモテ自慢に発展したり、宇太郎のちょっとズレてて呑気な性格をコミカルに演じているのが良いですね。鈴愛のズレ具合と似ていて、親子だな～って説得力があって面白いです。

設定が悪いのかも、ですが、なんだか、あの髪型も、顔のしわも、松雪泰子のダンナの設定には無理があるように思います。ほんわか、松雪泰子を包んでいる、支えているという夫の演技なのでしょうけど、合わないように思います。鈴愛とのかかわりでは、よいお父さんという雰囲気は出ていますが、夫という目でみると、どうも浮いた印象をもってしまいます。

今まで滝藤さんの役であまりいい役を見たことがなく、嫌味ったらしいとか、声を張り上げて怒鳴るみたいなイメージしかなかったんですが今回ちょっとお茶目な普通のお父さん役が見られて嬉しいです。80年代風のロン毛スタイルも似合ってました。役でこんなに印象が変わるんだと思わせてくれる方です。とても演技が上手だと思います。

物語が昭和時代を描いており、街並みや服装も70年代のようなもの。なんといっても似合う。とにかく似合う。
ちょっと抜けているところもありつつ、しっかりと家族を見守り、店を守る姿がとても好印象。
涙の演技もとても自然で、画面に少ししか写っていない場面でも表情の作り方がとてもうまい。

店の経営難を心配する晴と対照的に、現実が見えていない宇太郎のおめでたい性格をコミカルに演じていて良いですね。晴が作った売上グラフで遊び始めたり「しっかりしてくれよ」と思うような台詞や行動ばかりで呆れはしますが、滝藤さんのコミカルでお茶目な演技のおかげで不思議とイラつくことがなく、そういうちょっといい加減な面も宇太郎の魅力に感じてしまいます。

和子にお茶を出す時にさりげなく浮かべる笑顔や、和子に当たってしまう晴を「晴さん」と穏やかに諌める姿、鈴愛と律の大作お披露目の際のキラキラ目を輝かせて喜ぶ子供みたいな一面など、台詞や出番は多くなくても豊かな表現力で温かくてお茶目な宇太郎を魅力的に演じていると思います。エキセントリックな役柄のイメージが強いので、こんなに優しい笑顔が似合う方だとは知りませんでした。

いつも優しく家族を見守るとても親近感のわく、いいお父さん役が似合っています。奥さんのことをすごく大好きな様子も、なんか人柄が出ている感じがして、とても穏やかな気持ちにさせてくれる役者さんだと感じています。

独特な個性的な顔立ちをしているので、ちょっとした演技でも目立つ印象です。特に目がくりっとして常に驚いてるような顔なので、気弱な演技がより似合って面白いです。華奢な体型なので、頼りない演技がより上手に見えます。

病院で鈴愛の耳について説明を受けるシーンが良かったです。瞬きをせず目を見開いたまま涙を必死でこらえる表情から宇太郎のショックの大きさが伝わってきましたし、キュッと唇を噛みしめる姿が「どうしてこんなことに…」という悔しさや憤りを感じさせました。感情的になる晴をなだめつつ、主治医の説明を必死でメモする姿から、父・夫としての頼もしさが感じられたのも良かったです。

廉子の口真似を始めたり晴と鈴愛のケンカを面白がって見ていたり、子供と距離が近くてコミカルで自由な雰囲気が漂う演技が、谷原さん演じる弥一と対照的なお父ちゃんぶりで良いと思います。どちらのお父さんも魅力的です。いつも個性の強い役が多い俳優さんですが、鈴愛への話しかけ方なども自然ですし、普通のお父さん役も似合いますね。

主人公の父親役であるが、印象が少し薄い。コミカルといえばコミカルかもしれないが、それも中途半端。毎回それなりの時間、ドラマに出ているが立ち位置がよく分からない。基本的にはいい役者さんだとは思うが、父親役は似合ってないと思う。

鈴愛の3枚分足しても100点にならない答案用紙を面白がって笑い飛ばしたり、答案の裏に描かれた落書きを「上手い…」としみじみ感心したり、鈴愛のお転婆で無邪気な個性を尊重する器の大きなお父さんぶりがよく似合っていて素敵です。方言も温かみがあって自然で上手いと思います。

これまで全くチェックしていなかった俳優なので名前を聞いても分からなかったが、初日の演技を見て面白いと思った。プロフィール写真を見てイケメンだと思ったが、今回はお父さん役をコミカルに、全く違和感なく演じていて「うまい！」と思った。プロフィールで出演作品を確認し、「実力派バイプレーヤー」との評価を見て納得した。

最初誰だろうとわからなかったのは長髪の滝藤さんを見たのが初めてだったからで、今までとはがらりとイメージが変わりましたが、
なかなかお似合いの髪型なので気に入っています。人の良いパパぶりや松雪さんとの息のぴったりな夫婦という設定もほのぼのしていて落ち着いて見ていられますね。
今まであまり人のいい夫で父親役というのを見てこなかったのでこういう滝藤さんも素敵だな、と思います。
私生活で子だくさんの父親でもあるのでそういうのも影響しているのかもしれませんね。

昭和時代の雰囲気と服装が良く似合っていて、違和感の無いのが素晴らしく思います。
また、昭和の頑固な男から、高度経済成長の時代に入り優しさある男に変化したのを見事に演じていると思いました。
妻が出産した時にかける「ありがとう」という心に響く言葉には、多くの女性視聴者を虜にしたと感じました。

見た目は全然若くないんですが、そんなことはどうでも良くなるくらいコミカルで味のある良い芝居をしていると思います。「名前はあいつに決めさせてやりたい」と難産だった晴を気遣ったり、晴のお膳を片付ける時の優しい表情だったり、端々に晴への愛情を感じさせ、良い旦那さんぶりを自然に表現していると思います。廉子との久美子のくだりのコメディみたいな慌てっぷりも面白かったです。

第一話を見ましたが、あの年齢設定はかなり無理があるなあ、という印象でした。何歳の役どころなのか知りませんが、第一子が生まれるくらいの「若夫婦」の夫役としては、ちょっと「いくらなんでも」です。優柔不断でいい加減な性格の感じの役柄はよく合ってますけど。

主人公の父親役の方ですが、母親役の松雪さんとのやりとりが自然で良かった。
思いがけない妊娠が分かったときに、自分の意見を貫き通さずに、母親の意思を尊重してそれを見守っていけるような穏やかな役柄だと感じました。

ずっとオロオロしていたのに肝心の鈴愛の産声を聞いた時は「え？え？」と訳が分かっていないようなコントみたいな反応だったのが面白かったです。鈴愛と対面した時の「ありがとう、晴さん」と涙する優しい夫の姿とのギャップが最高でした。コミカルさの中に宇太郎の温かさや人の良さが滲み出ていて、滝藤さんの新たな魅力が見られた気がします。

悪役や個性が強烈な役が多い俳優さんですが、晴のお腹を嬉しそうに撫でたり、陣痛で痛がる晴を心配したり、彼女に向ける笑顔が優しくて温かくて、こういう愛情深い普通の旦那さん役も違和感なく出来るんだなあと、バイプレイヤーぶりに改めて感心しました。ロン毛のクルクルヘアも時代を感じさせますし、妙に似合ってて良いですね。