おじさまと猫

原作でははっきり姿が出てこないのだが、そうそう、こんな感じだろうな、と思うことができた。独特な存在感があり、この人の言葉なら耳を傾けてしまうだろうな、という印象が強い。見ていると何故か泣きそうになってしまう。

ほんわか柔らかな笑顔と穏やかで優しい口調が物静かで紳士的な神田さんとお似合いで、神田さんにとっては可愛くてたまらない、陽だまりみたいに温かく愛しい存在だったんだろうなと見ていて切なくなる良い演技だったと思います。この人を失ったら火が消えたようになって、心も沈むだろうなという説得力もありました。回想シーンがなく、写真だけの登場という回もありましたが、それでも毎回しっかり印象に残るところもさすがだなと思いました。

回想シーンにでてくる彼女とおじさまは、本当に幸せそうで、彼女を失ったおじさまの心の穴がいかに大きいかを感じさせる。切ないが、こういうシーンが度々流れることで、この穴をうめていく、おじさまとふくまるの日々がとても愛おしいものになるのに一役かっていて、彼女の演技がいきている。

いかにもおっとりしてそうな雰囲気が、パパさんの奥さんにピッタリという感じ。穏やかな人柄を思わせる優しい笑顔に、見ているだけで癒される。夫婦は似てくると言うけれど、パパさんとは醸し出してる温かな空気感がそっくりで、これ以上ないほどお似合いの二人。

朗らかで明るくて可愛らしくて、神田が今でも愛し続けているのも納得の魅力的な奥さんでした。回想シーンで猫が飼いたいという時のワクワクと楽しそうな姿も可愛らしかったです。短いやりとりでも2人の仲の良さや互いを想う気持ちが伝わってきて、見ていて切なくなりました。