転職の魔王様

夢の形は変わってもいいってほんとだなと思いました。いつまでも広告を作ることに憧れていて今の仕事は仮の姿だと思っているなんて、今の仕事に失礼です。仕事する姿を子供に見られてがっかりしているんじゃないかなんて思うのは悲しい。今の仕事でちゃんと輝けているのにそれに気づけないなんて人生の半分は損してますね。来栖の夢も変わりました。でも根本にあるのは人の役に立つことですよね。そこがブレなければ幸せを感じられるでしょう。千晴と来栖の明るい未来が見えて嬉しかったです。

今回の話、どうして千晴が謝る必要があったのか分からない。家庭での話し合いがうまくいってなくてゴタついただけだし、どちらかというと千晴は巻き込まれて挟まれただけだし。きちんとご家族で話し合ってご来店くださいとしか言いようがない話。夫婦だって赤の他人なんだから、相手の気持ちを思い込まないでちゃんと話し合わないとね。旦那の会社のことなら生活に直結するものなんだし、決まるまで内緒にされるのはやっぱりひっかかるかもね。こんな問題まで解決しなきゃなんて見せない方がいいと思う。

転職サービスを使ったことないから分からないけどこんなに親切にしてくれるのはドラマだからだよね？あんまり一般的ではないサービスだとこんな風にしてくれるのかと勘違いしちゃうお客さんも増えそう。今回は教師が挫折して引きこもったって話。まずあんなに優しい先生は教師になったらダメよ。子供が天使だけのはずはないんだから。好きなものって近づきすぎると幻滅したり嫌いになったりするものよ。自分の適材適所をきちんと考えないと潰れてしまうよ。

そっか、転職のお手伝いはできるけどその後は自分の足で自分の頭でちゃんと考えてやっていかなくちゃいけないものね。天使の方は職場見学までして求職者のために居心地がいいように整えてくれた。一方魔王は求職者の心の奥と向き合せ転職してからも負けないように心を鍛え方向性を定めてくれた。これを見ると甘やかすばかりが本人のためとは言い難いよね。一見厳しいように見える魔王様が悪魔と呼ばれないのはそれなりの理由があるのだとよくわかった。

これは悩んでいる人がすごく多い問題だと思う。育児と仕事の両立に悩むお母さんも多ければその数だけフォローで大変な周りの人もいるんだよね。しかもお母さんには頑張っていて偉いとか称賛の声も届くけど、フォローしている身はいつでも日陰の身なのが辛いところ。女性同士でフォローしてなんて言って逃げてる人に是非見てほしい。本気で会社に訴えましたか？なんてそのセリフはキツイな。辞めたくて辞めるわけじゃないのにさ。結局は大事な人が抜けなきゃ会社は変わらないのよ。それが現実。それでもドラマは救いがあるラストでよかった。

営業って誰も指導してくれたりしないの？そこは誇張してるの？でもそれでは新人は育たないし心折れるよね。ズルしても勝てばいいことになるからちょっと強引でもいいことになっちゃうしね。そんな汚い世界でやっていくには余程のメンタルの持ち主しか残らない。効率よく成績を上げるためには教育が大事なのに、そこを省くとは情けない企業だ。でも自分を合わせる必要はない。能力があるならどんどん起業するべきよね。第3の道が拓けた相談者さんのさわやかな笑顔がとても良かった。

そんな綺麗事あるのか？と思った。事故の直前目が合った2人にしか分からない真実っていうのがあるとは思う。それを遺族に伝えたいって気持ちは分かるけど、そこで婚約者だかなんだか知らない奴に喧嘩ふっかけられる筋合いはない。そして今度はそいつの転職活動の手助けだって？千晴の執拗なまでも追いかける様子に疲れた。人より何倍も優しいからだとしても鬱陶しいし、それこそ退会した人にまでここまでしてくれる人はいないよ。なんか綺麗事すぎて疲れた。

元カノとの再会はもう一度やり直すとかそういうのではなくて、自分の過去ともう一度向き合うことになっていてすごく現実的で良かったと思います。あの頃があったから今の自分がある、過去と今は繋がっているんだなと思いました。どうしようもない出来事がふりかかった中で傷つけてしまった元カノの幸せを静かに願っている来栖さんは素敵だなと思ったし、次こそは全力でパートナーを支えたいと思っている元カノさんも素敵だなと思いました。みんなが前を向く素敵なストーリーになっていたと思います。

合わない仕事は、人を殺す。合わない仕事は自分の心を殺し、ほかの誰かを殺すこともある。ってすごく強い言葉だけどその通りだなと思いました。職場は人生のうちで1番長く過ごす場所。そこでかけられる言葉は成長もさせてくれるけど押さえつけられることもある。上司が言ったお前はそれしかできないって言葉は呪い。見えないうちに自分がその範囲から出られなくなってしまう呪いだ。知らず知らずのうちにつけた仮面はそうそう外れるものじゃないけど明るい未来を感じさせる終わり方で良かった。

なんかこのドラマを見ていたら今の女性は大変だなとつくづく思った。ドラマでは男性がフリーだからと相手は正社員がいいと言われ、不安定な職の人とは結婚する気にはならないと言われる。俺が養ってやると言ったのは遥か昔のことか。これじゃ結婚しても一人前の稼ぎはアテにされ子供を産んでもそれは変わらないのなら女性はどんどん生きづらくなるだろう。結婚しない人が増えるのも当然だ。何から変えていけばいいのか、それすらも分からない時代になってしまったのかもしれない。

働いている人に響く言葉がたくさんあって、今働くことについて悩んでいる人に見てもらいたいなと思いました。本来食べていくために仕事をするのであって、仕事のために自分がいるのではないですよね。しかも長い時間拘束される職場は重要です。どこでもいいからなんて決めない方がいい。誰にでもいい子ちゃんだった千晴の殻を破ってくれてよかった。いじめもそうだけど、ほんとに苦しいことって親にはなかなか言えないものです。来栖さんが千晴の上司にパワハラは殺人だといってくれたのがスカッとしました。そのことに気づいていない人に届いてほしいな。