あなたの番です

各話の最後が毎回急展開で、途中で飽きることなく最後まで夢中になって観ていました。
個人的には結末は結構シンプルだったように思いますが、ストーリー中に散りばめられた細かい演出によって視聴者の考察を促し、より多くの人をドラマに熱中させた功績は称賛に値すると思います。
私自身も、ドラマを1話観終える毎に自分なりに推理してみて、その後ツイッターで他の人たちの考察を、「なるほど、そういう考えもあるんだな、面白いな」と思いながら見ていました。
ただ、皆さん言ってますが、最終話は一気にまとめようとし過ぎて伏線回収しきれていない部分もあったので、そこは残念でしたね。

最後まで犯人が分からず、伏線もたくさん残っているので、どんな結末になるのかずっと楽しみに待っていました。
犯人は想定していた人でしたが、犯行動機がなんのひねりもなく、間に挟まれた二階堂にも共感できなかったので、少しあっけなく感じてしまいました。
また、伏線が未回収の部分もあり、終わり方も、「え？これからどうなるの？」っといった内容だったので、少し残念でした。
しかし、回収された伏線部分については、納得いくものだったので、過去分を見返したいなと思える演出は良かったです。

交換殺人ゲームの黒幕はだれだと、色々考察がありましたが、やっぱり黒島ちゃんがサイコパスで殺人の大半を犯していたと知って、私的には納得でした。
ドラマの最初の方は、はっきりいってつまらないなと思っていましたが、横浜流星さんが二階堂役で出だしてから、話が面白くなってきたと思います。
怪しい人間が、黒島ちゃん、尾野さん、江藤さんなどに絞られていく中、翔太が仲間と思っていた二階堂に一時は裏切られる場面は、最高に謎が深まって次を観るのが待ち遠しかったです。
結局、好きな黒島を何とかしたいという思いから協力してしまっただけだったので、ほっとしましたが、西野七瀬演じる黒島ちゃんがサイコパスに目覚めていくさまが、過去の扉編でよくわかり、次へとつながる恐怖でなかなか面白かったです。

これだけ多くの魅力的なキャラクターを生き生きと動かした連続ドラマは、これまでなかったと思う。
中心軸を手塚夫妻に据えつつ、とりまく住人たちの性格設定と人物背景を良い塩梅に掘り下げて、相互に無理なくからませてくる手腕に脱帽です。
緊迫した中にも滑稽さが、あるいは残酷な中にも優しさがにじみ出ていたりと、次々と興味をそそる作劇で視聴者を飽きさせない工夫がすごい。
中盤でひと区切りを設け、物語にメリハリを付けたのもさすがですね。
また、日本の探偵ものや刑事ものでありがちな、冷ややかなツッコミで笑いをとったり、人をおちょくるような笑いがなかったところも好き。

huluオリジナルストーリーもすべて観終わってみて思うのは、ラスボスである黒島ちゃんの人物設定はもっと堅実に作って欲しかったな。
・中学一年で一度殺しの味をしめたのに、２年間何もしないまま心中を図る。
・闇の部分が覚醒したあとなのに、DV彼氏なんかに翻弄される。
・自分の死を望んでいながら、犯行を隠蔽し殺人を続けてしまう。
…などなど、掘り下げるほどによくわからない人物になってしまいました。
とりわけ彼女の行動で解せなかったのは、彼氏の作り方がわからなくて奮闘する件と、DV彼氏にされるがままだったところかな。

私は「伏線の回収」とかにはあまりこだわらないほうですが、huluオリジナルを観たら黒島ちゃんの、より不可解な点が際立ってしまったのが残念でした。

俳優、演技、脚本どうあれ久しぶりに全話見るほど、続きが気になった！という意味で星5です！

全く推理しない主人公。動機も意味不明。キャストが良かっただけに残念。