ミステリと言う勿れ

この役ぜんぜん合ってない。ミスキャスト。見ていてただイライラする。

どういう順番で撮影しているのか分かりませんが、まだちょっと自信なさげで頼りなくて、ちゃんと4か月前の風呂光に見えるところが良かったです。今の行動的で積極的な姿とは全然違っていて、風呂光の成長ぶりが実感出来ました。ジュートに運ばれる猫田を見つけた時の焦りや動揺っぷりもこちらまでドキドキしてくるくらいリアルで良かったです。

整に対してこんなにはっきりとした恋愛感情を抱くとは思っていなかったし、必要ない展開だと思うけど、伊藤さんの演技は好きです。ライカとたこ焼きを食べる整を見かけた時のハッとした表情や、後ろ髪引かれつつパトロールに戻る姿など、切なくて健気でとても良かったです。整と「友達」になった時の気持ちを切り替えたようなすっきりした表情も印象的でした。

演技云々の前に、ミスキャストだと思う。どんぎつねか永野芽郁さんが合ってる。

停電で閉じ込められた時に、こうしてる間にも何か事件が起きるかもと何とか外に出ようと試行錯誤する姿が頼もしかったです。じっと待ってるだけじゃないところに風呂光の成長が感じられました。どう考えても絶対届くわけないのに天井にジャンプしたり、木の箱を踏み台にしてみたり、意外と向こう見ずだけど行動的で今出来ることをやろうという前向きな姿勢が見えたのも良かったです。

ストーリー的には整との恋愛は必要ない気がするけど、整とライカの関係を気にしたり、「もじゃもじゃ」って嬉しそうにプレゼントのマフラーを買う姿は恋する女の子という感じが初々しくて可愛らしかったです。整に「メリークリスマス」と声をかける時の勇気を振り絞ってるような表情もドキドキ感が伝わってきて良かったです。

整くんに目を覚ましてもらって刑事としてどんどん成長している風呂光さんを見ていると勇気が出ます。彼女はもう一段階進んで恋に目覚めたか？刑事に使う洞察力で整くんに女の影があるかどうか見てしまうなんて悲しいサガだね（笑）ちょっと節目がちなところがまたかわいい。

整が書類にサインをするあの短時間に、脇にあったお見舞いの花とそこに指輪が入ってることまで確認してるなんて意外と観察力が鋭い。牛田にも同業者だって気付かれてたし、表情も口調も1話とは比べものにならないくらいしっかりしているし、どんどん刑事らしくなってきているのが感じられて良いですね。整に彼女がいるか確認するシーンも可愛かったけど、今くらいの距離感がちょうど良いので、個人的には恋愛感情は持たなくても良いかなって思います。

回を追うごとに自信と警察官としての自覚が強くなっているのが感じられます。整に手際よく事件について説明したり、自分なりに暗号を解読して爆弾の仕掛け場所を特定したり、その特定場所が間違っていた時も、これまでならもっと動揺して落ち込んでいたと思うけど、「ここじゃないならどこだろう」と次どうすべきかを思案したり、捜査に積極的な姿が多く見られたのも頼もしかったです。

受動的から能動的になるって思うより簡単ではない。長年、私なんてって気持ちでいたら言われたことだけミスなくやろうと思ってしまうだろう。その呪縛から解けたばかりだから頭フル回転でいろいろ考えてみる風呂光さんがリアル。もっともっと成長するだろうな。

女だから軽んじられる社会で奮闘する風呂光を演じるなら子役の頃からまさに叩き上げられてきた紗里さんならうってつけだと思ってたけど、ドラマを見て適役と感じた。
原作より風呂光がフューチャーされてると思うけどそれがドラマ化の一つの狙いかな、と。

とっても魅力的な役だなと思います。男だらけの中で、自分だけ浮いていて…ちょっと状況が違っていても、それに近いものを体験したことがある人は多いはず。その心もとなささや、それでも前を向く感じが無理やりな感じでなくとても好感も共感も持てます。風呂光の成長物語も同時進行で見られそうで、この先も楽しみです。

伊藤さんの芝居で、原作よりもより風呂光という存在が浮かび出てくる感じがします。伊藤さんはほんの一瞬で憂いのある表情をつくれる女優さんです。某写真スタジオのＣＭでも、彼氏とのシーンで一瞬にして憂いを浮かべていました。それは芝居技術として案外、難しい。主役ではないので出番が限られる中、短い時間で説得力のある表情を見せられるのは素晴らしいと思います。それが出来るから、わずか2話で脇役である風呂光の成長を、しっかりと伝えることができたのだと思います。

自分なんか‥と狭い空間に閉じ込められていた気でいたけど、ほんとは鍵が開いていたって感じかな？そこから飛び出した風呂光さんは自分の足で歩き出した。凝り固まった考え方をほぐしていくのは大変だけど、自分の頭で考え足で見つける。とてもイキイキしてきた姿に勇気をもらった。

1話ではあんなにオドオドして自信無さそうだったのに、現場に連れて行って欲しいと青砥に直訴したり、どうして現場に連れて行ってもらえないのか自分で考え、現場や関係者の聞き込みに行き、結果的に被害者とバスの経路の共通点に気付いたりと、風呂光の成長ぶりが感じられてとても頼もしかったです。擦れるように弱々しかった声が段々と太くしっかりした声に変わってきているのも、彼女の内面の変化が感じられて良いと思いました。

俯きがちで声もボソボソして自信なさげな姿から、整と出会って少しずつ変わっていく過程を目の動きや声の大きさ、目線の高さなどで丁寧に繊細に演じていたと思います。整に「風呂光さんに逮捕されたい」と言われた時の真っすぐ迷いのない視線と「はい」というはっきりした答えもとても良かった。個人的に元気で気が強そうなイメージのある女優さんだったのですが、こういうキャラクターも上手いですね。今後、風呂光が整たちとどう関わって、どんな風に変わっていくのかとても楽しみです。

なんか最近とっても可愛くなったと思うのは私だけでしょうか？結構ぐいぐいいく役の方が見慣れていたので大人しめなキャラは新鮮です。自信がなく目線も上げられなかった風呂光さんが久能くんの言葉でどんどん変わっていくのがとても良かったです。