監察医 朝顔 2

ねちっこくていやらしいおばさんだった。男がその甘い蜜に吸い寄せられたらもう離さない。そんな感じが大竹しのぶさんの魅力なんだろうなと思った。朝顔ちゃん目線からすればそこはかとない怖さがあるんだろうなと。お父さん食べられちゃいそうで怖かった（笑）

いやいや、ある意味怖いですよ。
食堂の女店主と言うよりも、平さんを好きな『女』の部分が大きく出てきていると思います。
平さんを帰らせないように朝顔に嘘をついたり、平さんとの会話の中で自分を絡めようとして恐ろしさを感じます。

すごく演技が上手いのだけれども、彼女の役柄としての立ち位置がいまだによくわからなくて、混乱しながら観ている。主人公の「朝顔」にとって、いい人なのか、そうでないのか、何かを内に秘めていながら、まだそれをさらけ出していない感じがあって、すごく気になる。それが狙いなのだとしたら、改めてすごい女優さんだなあと思う。

謎な人物ですよね、美幸さんって。お母さんの親友で震災で家族を亡くした設定みたいですけれど、じいちゃんと親しいのにお父さんが引っ越すまで知らなかったのもなんか不思議。いつの間にかお父さんといい雰囲気になってて、でも、あれは人恋しいだけなのかなと思う。田舎で震災もあって、人がどんどん減っていってて、せっかくできた同年代の友達を手放したくない、そんな感情だったのかな。本当に寂しい別れでした。

しのぶさんって得体の知れない女が似合うよねー。なんかねちっこいの。同性だからか危険な匂いがプンプンする。単身赴任の旦那さんのそばには絶対いて欲しくないタイプ（笑）でも自分が朝顔ちゃんだったら？‥独り身のお父さんに寄り添ってくれるならいいか？？悩むなー。

どこか儚げで、寂しげで、誰かに頼って、大切な人に頼られて、ともに生きていきたいという感情が、内側からじんわりとにじみ出ていてとても良いです。持ち味であるのんびり、ゆったりした話し方も、彼女の置かれた状況にマッチしていると思います。

演技としてやっているのかもしれないけど、この方の喋り方が気持ち悪いです。もったり、べとっとした話し方。個性的という意味ではいいけど、少し恋心があっての男性に対するこの話し方っていうのがちょっと。。

震災で家族を亡くしたというちょっとした悲壮感が漂っている感じが大竹さんのアンニュイな雰囲気とマッチしている役柄だと思います。地方の食堂にはもったいない妖艶な雰囲気で平さんも心をなびいてしまうのでは・・と思ってしまいます。