鎌倉殿の13人

2022年10月期 2022年7月期 2022年4月期
総合評価: 4.30 / 5.0 (回答者数151人) 101 位 / 1004件中
※まだ評価はありません。
脚本・ストーリー 4.3 /5.0(86.8%) 116/1005件中
キャスト 4.5 /5.0(90.8%) 157/1005件中
演出 4.3 /5.0(86.4%) 127/1004件中
音楽 4.0 /5.0(80.4%) 180/1005件中
感動 4.0 /5.0(79.8%) 99/1000件中
笑い 3.1 /5.0(62.6%) 373/1000件中
スリル・興奮 4.2 /5.0(84.4%) 80/997件中
157コメント
47 | | 2022-04-23 17:02:25

全くもって歴史に詳しくないから上総を殺そう!となった時義時と同じくらい驚いてしまった。それはないよーと思いつつ引きつりながら鑑賞。自分の親が標的になっている義高でさえ自分なりの正義を貫いたのに、大人って汚い。そして粛清の時、場が凍りついたようにみんなの顔が引き攣る。誰もが自分の運命でもおかしくなかったからだよね。自分はスパイだったと言ってしまうのかと思ったが言わなかった。小四郎!小四郎!としか言えなかったのか、言わなかったのか。全部大泉のせいだ!

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52 | | 2022-05-03 14:10:44

義高…どうしても義時のこと信じられなかったのか。頼朝とも近く、その意思を退ける力もない。大姫の気持ちを考えるとやり切れない。その後の処分ももうめちゃくちゃで。御台所の発する言葉の重み、政子も怖くなったのではないだろうか。イケイケ感の強い義経がとうとう検非違使に任じられた。義仲よりも上行くぞー的な発言もあったし、きっと何も周りのこととか考えてないのだろうなと。義仲の上を行くということは頼朝と肩を並べるあるいは争うということと大差ないだろうし。その後の運命が少しずつ手招きしているように感じてしまう。

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7 | 2022-01-11 22:03:07

BSやNHKプラスの視聴者数が前作の何倍とか、NHKから発表があった。ファンやマスコミが、作品を持ち上げるために他作品を貶めるのは珍しくないが、NHK自身がこんなことするのは初めてだ。ドラマ班内で権力闘争でもしてるの?せっかく近年良い作品が多かったのに、こんな下品なプロモーションをする派閥があると信用を失いますよ。

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84 | | 2022-07-18 11:32:48

頼家は若さうんぬんよりも、状況を理解していない。そもそも父である頼朝を越えようとしても、初代と二代目ではやるべきことが違う。それは若さゆえの未熟というより、資質や理解の問題だろう。また御家人を信用しないなどと公に断言してしまうなんて、自分は頼朝の息子という権威は持っていても、権力の基盤は坂東武者たちによることを忘れてしまっている愚行。実際には頼家の後見は頼朝が選んでいて、外戚である北条と比企のバランスを取ろうとしたのでしょうが、いずれにせよ頼朝の死がいささか早すぎましたね。

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57 | | 2022-05-11 12:49:03

圧倒的に綺麗な景色の中でこれ以上ない凄惨な争い。反則もなんでもありの戦いの中で、幼い天皇が海に沈んで収束を迎える壇ノ浦。義経が叫んだ「止めろー!」という一言で一気に人が死ぬと言う重みが増した。安徳天皇にはその時のドラマがあるのだけれど、あくまで源氏の目線で見せているから淡白に描かれる。そのあっけなさがまた人の心にツンと冷たいものを与えた。平家、源氏どちら共が静かに手を合わせる場面が印象的。この世の無常を見事に見せたと思う。

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15 | | 2022-01-31 15:25:31

頼朝の慎重さというか優柔不断なところや、人たらしの演技、そして八重からの矢で決意した後の堂々とした振る舞い。上に立つ人というのはある種演技ができなければならないと思うのだが、ある意味適任だったのだと心にストンと落ちた。佐々木秀義の何言っているのかわからない感じがおかしくて。あの時代に入れ歯などあろうはずもなく、年取ったらみんなこんな感じだったのだろうなと微笑ましかった。四兄弟も登場し、とうとう戦さの火ぶたが切って落とされた。茄子の恨みも絡んだこの小さな小さな戦いが、まさか壇ノ浦で平家滅亡まで続くとは。きっかけなんて些細なことの積み重ねなのだと思う。

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61 | | 2022-05-20 12:34:36

時政親子が義経はピュアだからこんなことになったみたいなことを言っていたけど、そうだろうか。今みたいに人から伝え聞く情報が唯一の世の中では他人にどれだけ誠実でいられるかが鍵になるのではないだろうか。全てがこのドラマ通りじゃないだろうけど、正妻を大事にしてうまいことやっていれば闇討ちされることはなかった。戦だって汚い勝ち方ばかりするから誰もついてこない。その汚さを自分が一番よく知っているから悪い方に考えたらそれが止められず全てが疑心暗鬼になるのだろう。驕れるもの久しからず、これは誰にでも言えるかもしれない。

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16 | | 2022-01-31 15:40:48

後白河法皇が夢枕に立つシーンは映画「ステキな金縛り」のパロディなのでしょうが、今後も定番になるとしたら笑えますね。結局、頼朝の挙兵を助ける形になった八重ですが、惚れた弱味や政子への嫉妬もあるのでしょうが、心の底では父を信用していないところが重要なのでしょう。それにしても鎌倉幕府を作った頼朝のスタートが、わずか24人での挙兵だったというのは驚きです。りくも後の悪女らしさを発揮しています。ここから八重、政子、りく、実衣ら女性陣の活躍(暗躍?)も楽しみです。

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99 | | 2022-08-22 10:20:53

大病から生きながらえたというのに、誰もそれを喜んでくれず、陰であのまま死んでくれればと言われた上に、大事にしていた妻子を奪われていたのだから、頼家に同情してしまいます。本当に可哀想です。これなら北条を恨み、復讐を考えても仕方がない。それにしても泰時ではありませんが、一幡まで殺す意味があったのか、首を傾げます。比企一族が滅亡した以上、一幡の外戚関係はなくなり、残るのは源と北条の血。北条以外に彼を担ぎ出す勢力の姿が想像できません。北条という一族は、普通なら大事にすべき自分たちと権力者との血筋を、むしろ積極的に絶っていくような動きをしているように思えます。きっと歴史には残らなかった暗闘が、多々あった時代なのでしょうね。

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66 | | 2022-05-30 10:00:56

驚きの八重の死。確かに死亡フラグっぽい場面もありましたが、まさかの展開です。大姫が「葵」と名乗り、それが「源氏物語」の影響だと説明がありました。葵上は六条御息所の生霊に悩まされて死ぬわけですが、要するに北条はこれまでの悪行により、祟られて滅びるという主張であり、八重も鶴丸という名に亡き千鶴丸の面影を見て事故死したわけで、因果応報のような感じでしょうか。三谷さんとしては、ここが北条にとって、このままでいいのかと問うべき、ひとつの転換点になるように意図しているのかもしれません。

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121 | | 2022-10-17 10:57:27

冒頭の長澤さんの登場で閑話休題というような回だと思っていたら、しっかり和田と義時の確執、三浦の不信感、実朝と義時の微妙な距離など、今後の伏線となるだろう断片が盛り込まれていました。三谷脚本らしい驚きは、実朝の男色傾向でしょうか。しかも懸想する相手は泰時。さすがの義時もそれには気づかないようです。もしかしたらそれに気づいた義時が、実朝暗殺の黒幕という形になるのかもしれませんね。どんどんダークになっていく義時ですが、終盤を迎えてまだまだ大きな事件があるし、義時の変化に注目したいです。

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83 | | 2022-07-08 00:31:05

近親者を亡くした人にしか書けない話だなとつくづく思った。頼朝と共に死んでしまうのではないかと思うほどやつれた政子、義時はその時葬儀の準備をする。政子が見たら激怒するかもしれないけれど、死んでから事が滞れば名折れとなる。これも主君のため、焼き場から作る時代なら尚更だ。そして頼朝のためにと老体で水を浴びていた時政は舌の根も乾かぬうちに次の鎌倉殿で揉め出した。いろいろな角度からの頼朝の死。みんなの中の頼朝への思いが垣間見れて面白かった。

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38 | | 2022-03-28 13:49:28

義経に肩入れし、乳母がいる比企を重用する頼朝の姿は、それだけ親族の少ない身を感じているということなのでしょうが、この時代、兄弟といっても異母兄弟がほとんどで、それほど親族の情みたいなものが強かったとは思えない感じもします。息子が生まれているのに亀を寵愛し、後妻打ちを引き起こし、時政が伊豆に引っ込む結果は頼朝にとって間違いなく失策です。この一見の決着は吾妻鏡の欠文によって定かでないわけで、三谷さんの想像力にかかっている部分です。どんな顛末にするのか興味深いところです。

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33 | | 2022-03-14 12:40:54

義経は随分と変わり者に描かれていますが、まあ当時の戦に関する常道を無視していた人なのは間違いなく、戦の天才というよりも常識がないから奇襲戦を思いつけた武将なのだと思います。その面でこのエキセントリックさはありかもしれません。女たちの暗闘も始まりましたね。歴史上に名を残す悪女がそろっているし、そこは外せないところでしょう。頼朝のもとには範頼が参陣し、更には義円も現れました。義円は頼朝の軍に加わった記録はないはずですが、それだけに何らかの役回りがあるのでしょう。注目の人物になるかもしれません。

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67 | | 2022-05-30 13:41:19

頼朝とのギクシャクした関係もなくなり、どんなからかいにも動じなくなった八重さんは義時との絆もあって幸せそうだった。でも、正妻が登場間近なこともありそろそろ退場だろうとは想像していたが、ここで川で亡くなったという伝説を上手く使うとは思わなかった。とても切ないし悲しい出来事だけれど、千鶴と鶴丸という名前の似合た子どもを救うことで心の中に引っかかったものが抜けて解放されたのかもと思った。大姫は義高が亡くなってから心を病んだように思っていたが、あのような方向に表現されるとは。まじないが呪いのようにも聞こえ、少しおどろおどろしくもある。葵が大姫ならば六条御息所はどなたにあたるのだろう。葵の上がこの先長くないという意味だけでなく、因果応報の部分も含めて源氏物語を絡めてきているのだろうか。

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100 | | 2022-08-22 14:09:21

どんどんと義時が冷酷になっていく。唯一、比奈といる時だけは柔和な面持ちだったのがその関係も壊れてしまった。目を覚まし、回復していく頼家を前に北条の面々がおろおろする姿は本当に人間臭い。真実を知り、時政を成敗するように命じても誰も応じてくれないどころか、板挟みになった者が自害するという事態に。義時は自分が話を聞いてあげれば…とは思わなかったのだろうか。なすすべなく修善寺へと送られる頼家の泣く姿に、まだ大人になり切れていなかったのだと感じた。比丘尼が善哉の前に現れて北条を許すまじと説くシーンに背筋がゾクッとなった。次から次へと張り巡らされる伏線にすごいの一言だ。

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12 | | 2022-01-24 15:20:32

後白河法皇が頼朝の夢枕に立ったシーンとか、文覚がしゃれこうべを放り投げて去るシーンとか、三谷幸喜さんの笑いが炸裂していましたね。まあ賛否は分かれそうですが、登場人物が多くて、それぞれを覚えづらいよりは、各々キャラに個性があった方が頭に入りやすいし、キャラはいじっても史実を捻じ曲げてはいないので、これはこれだと思います。それにしても尼将軍北条政子らしく、八重に悠然と手を振るところは、なんともえげつない迫力がありました。

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110 | 2022-09-16 12:34:36

今まで見てきた大河ドラマの中で一番面白い。歴史を知らない人でも分かりやすく見れるんじゃないかな。

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143 | | 2022-12-05 10:54:48

気になるのは政子の言動です。実衣を助けた後、彼女は「二人きりになった」と言いました。そもそも姉妹はふたりしか出ていないので、この言葉は北条家ないし兄弟姉妹にかかっている筈です。つまりそこに義時も時房も入ってはいないことになります。更に政子は義時に「やりたいことがある」みたいなことを言っています。前後の流れからして、それは義時の好きなようにはやらせないという意味にも取れます。三谷幸喜さんが何の意図もなく、このような言動をとらせるとは思えないので、この最終盤は尼将軍政子から目が離せません。

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74 | | 2022-06-16 23:56:36

いつもの自宅とは離れた場所で狩はその頃の最大の娯楽だろう。いつもよりハメを外しまた頼朝の女好きもこうじてふらふらと、ひなのところに行ったら先に義時が待っていた。我が家の春を謳歌する頼朝の気も緩んだのか、これじゃ警護もしにくくて仕方なかっただろう。今回殺されたのは自分だったかもしれないと相当肝を冷やしたはず。みんなの明確な敵がいなくなった今仲間内での小競り合いが始まる予感。人間とはつくづく愚かなものだと思い知らされた。

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137 | | 2022-11-21 10:46:49

いつの時代も「わかる」という理解を示す言葉は、下手な同情と受け取られ、かえって感情をこじらることがあるだろうと思います。結局、実朝は義時に反発し、争いを避けようとしながら、より大きな争いを生み出したことになります。今回は義時の謀略ではなく、実朝も源仲章も結局は自滅という結果になりそうです。実朝の失敗は、争いを無くすためには、武家の棟梁たる血筋こそ有効に使うべきなのに、自らその権威を捨てようとしたこと。この義時の言葉を無視した結果の失敗は、政子にとっても衝撃になるでしょう。それが承久の乱での政子の演説につながるのかもしれません。

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34 | | 2022-03-15 12:01:36

頼朝と弟たちの間にある時と異母の壁、義経の空気読めなさや幼さ、そして出番はなかったが戦略の妙。亀のしたたかさやいやらしさ、情や業の深さ。そして全成と実衣との馴れ初めのようなものまで。今後を知る私たちから見るとなるほどと思えるきっかけがあちこちに張り巡らされていて、些細なことでも不穏な気持ちを引き起こす。奥州藤原氏の両天秤にかける振る舞いも当時としては当然だっただろうが、九郎なら一人で何とかするというのは実戦経験なくてもそれなりの兵法や知識を持っていたということを暗示しているのだろうか。あの場にいる多数の者が粛清されていく未来。大庭の最後の描き方見ても、見続けるのには覚悟がいると思った。

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132 | | 2022-11-09 11:33:12

大型船を作って宋へ渡るとか、朝廷の威光を使うとか、平家の再来のようなことを実朝が考えている。それを嫌って坂東武者は立ち上がり武家の社会を作ろうとしたのだから、古参の御家人は良い顔をしないだろう。尼御台も、政に関わっていなかったとは言え、頼朝が何をなしたのか見ていなかったのだろうか。それとも子ども可愛さに大局が見えていないのだろうか。公暁が養子としているのに、都から新たに養子をもらい跡継ぎにするというのはどう考えても公暁や乳母夫の三浦を無視しているとしか思えない。簡単に還俗できないと言うが、ならば何故出家させたのか。すべてが悪手で痛々しい。時政の余生が穏やかで幸せそうだったのが救いだった。

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78 | | 2022-06-27 10:05:20

頼朝の死がどう描かれるのが注目していましたが、定説の落馬による死というより、病死の方が近いのでしょうか。それ以上に天命が尽きたという言い方が一番相応しいのかもしれませんね。死ぬ前に見せた頼朝の比企一族との距離感と、餅を詰まらせた時に見せた北条一族との距離感と、さりげなくその対比が描き出されているあたりに、脚本と演出のうまさを感じました。頼朝の死によって、ここから「鎌倉殿の13人」が暗闘を繰り広げることになりますが、血なまぐさい歴史をどう人間ドラマとしてみせてくれるのか楽しみです。

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44 | | 2022-04-14 23:47:54

今回のちに壇ノ浦で入水する安徳天皇や、大姫と悲劇のカップルになってしまった木曽義高がきちんと描かれました。きちんと存在させることで物事の重大さ悲しさを理解させるいい演出だと思います。大人の都合で幼くも天皇になったり夫婦になったり、その挙げ句殺されたり。その時の正義や大義があったとしても何やってんだかと思います。もうちょっと欲を言えば義高と大姫の仲睦まじい様子も見てみたかったなと思います。少しでも幸せな時があったなら嬉しいな。

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90 | | 2022-08-01 08:29:01

三浦義澄が亡くなったシーンはお腹を抱えて笑った。義澄と時政は富士川の戦いでもコミカルな喧嘩シーンが印象的だった。頼朝が危篤の時も一緒だったし、亡くなるときまで一緒に行こうは今までの流れを汲んでなんだろうな。亡くなるシーンで笑いを取るなんて不謹慎とも見えるけれど、この二人だからいいのかと思いなおした。時政とりくの暗躍が目に余るようになってきた。比企能員も。コミカルとほっこりの中にピリピリが混ざり合っていて粛清の嵐が始まっていることを否応なく感じる。善児から天命という言葉が出てきたことも驚いた。神の手から零れ落ちた時が命が尽きる時と言うことなのだろう。全成が全部回収したと言って実衣となごみの時間を過ごしている描写の次に不穏なシーン。全部のつもりが零れ落ちた一体。次は全成の番なんだろうな。

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91 | | 2022-08-01 10:25:56

権力者の外戚が問題を起こすというのは、世界の歴史の中で繰り返されてきたことで、特別に時政や比企能員が欲深いわけではないのでしょうが、少なくともせつや義時のように虚心坦懐に話をすれば、頼家とて心を開くというのにね。時政たちが頼家をただのお飾りのように扱うから、話がこじれる。全成については三谷マジックで「悪禅師」らしからぬ気弱さが憎めない感じでしたが、ついに退場の時が近づいたようです。史実では実衣こと阿波局は政子に助けられますが、裏で動いたりくに対して怒りを覚える筈で、北条一族にも亀裂が入ることになりそうです。

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105 | | 2022-09-05 10:37:04

時政の暴走というより、器の問題というところでしょうか。小さな集団の頭としては人情味もあり、これで良いのかもしれませんが、大きな組織では通用しない理屈です。平清盛と変わらない専横ぶりは破滅への序章。なによりも有能な畠山を離反させる損失は大きい。情報を得ていながら、家族だからと煮え切らない義時にも問題があります。範としている頼朝はもっと果断でした。またあんな女性に手玉に取られ、懲りずにキノコを贈るのも純朴だけど成長がない。ここまでを見る限り、脚本の三谷幸喜さんは義時を波乱の中に生きた、家族思いの「凡人」として描きたいのかもしれませんね。

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24 | | 2022-02-21 12:45:48

頼朝らしさが発揮されたといって良いのでしょうか。坂東の有力者の女たちと関係を持ったのは事実ですし、それをこういうシナリオにするのは三谷幸喜さんらしいと思います。上総広常に大見栄をきるところなどは、頼朝はいう人物は案外傾いていたんだなと感じますね。武士が傾くようになるのは、もしかしたらこの辺りに原点があるのかもしれません。そして頼朝の兄弟たちである阿野全成と源義経の登場です。頼朝の兄弟は皆、激しい人生をおくるわけですが、それを考えると頼朝の二面性を極端に描いているのは、ある意味で伏線といえるのかもしれません。

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111 | | 2022-09-18 08:03:37

ついさっきまで元気で溌剌としていた我が子が旅先で急死したと聞いたら、親なら居ても立っても居られないだろう。その上お骨も返されずもう葬った後だなんて、どうやって考えたらいいか分からなくなってしまう。そんな時に犯人を匂わされたりしたら間違いなく問い詰めてしまうと思う。そして今や誰も怖くないところまで上り詰めた夫がいるとなれば、真相を暴き仇をとってくれと頼むだろう。りくから見れば至極真っ当な要求にも思えるが矛先が違う。だけどこの思い込みはなかなか矛先を変えられない。それがまた違う波紋を呼ぶ。歴史は勘違いで大きく変わる、とても興味深い。

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118 | | 2022-10-03 17:24:17

時政と義時の今生最後の会話には、義時本来の優しい性格がにじみ出ていて、泰時が批判する義時の姿は、まさに立場によって作られたものであることがよく伝わってきました。時政はそれでもりくを思う心を持ち続けていて、その無念さゆえに義時はりくを抹殺しようとしたのかもしれません。史実からみれば武勇よりも文官的な地位として台頭した北条氏ですが、鎌倉殿だった頼家すら手に掛けた可能性が高く、地位の確立には血なまぐさい闘争を繰り返した中、時政は殺されませんでした。確かにそこに義時と政子の思いがあったのかもしれません。

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62 | | 2022-05-22 22:34:03

義時がいよいよ頼朝に似てきた。闇の部分が大きくなっているのが見ていてわかる。奥州で畑仕事をしている義経のあっけらかんとした雰囲気が、あのまま過ごさせてあげたいと思わせてしまう。静の最後を聞いた義経の反応と、それを陰で聞いていた里の反応。里の言葉に思わず刺してしまった義経の心中を思うといたたまれない。静憎しで義経と頼朝の間を決定的に裂いたのは里。どこで道を間違ったのか瞬時に察したのだろう。義時が何をしに奥州に来たか、分かったうえでの義時との会話。鎌倉の攻め方を景時に託すあたり、義経が頼朝の築いた鎌倉を安泰にする方法を違う角度から探っていたとも言えるのかもしれない。弁慶が奮闘しているのを見て楽しそうにしている姿が最初の頃の義経を思い出させ、濃厚な短い一生を思う上手い演出だと思った。

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29 | | 2022-03-05 14:30:46

育ちの良さを鼻にかけている頼朝なんかに娘はやれないと引き離すのも正義、頼朝の血を引く孫は生かしておけないと殺すのも正義、再び頼朝に取られるくらいなら娘を殺すのが正義‥。愛娘なんだよね?全然思考が分からない。八重さんの後ろに立った江間二郎が不気味でした。もうすぐ八重さんとはお別れだろうか、寂しいです。一方、頼朝。政子を大袈裟に迎え政子も着飾って応える、なんて茶番。でも政子の機転で綺麗に着替えてからでほんとに良かった。亀よりは綺麗だったから。

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63 | | 2022-05-23 10:43:20

当初は意表をつかれる義経像でしたが、その最期は時代と政治に振り回された悲運の人らしく、見事な散り様でした。そして新しい義経像としてとても見ごたえがありました。さすが三谷さんだし、さすが菅田さんでしたね。里の胸中はわかりませんが、何だかんだ言って義経の手にかかることを望んだとみるべきなのでしょう。また出番は少なかったものの秀衡の存在感が素晴らしかったです。それに対して義時の立ち位置が中途半端で、首を傾げます。現状はただ頼朝の抱える矛盾を代弁するだけの存在になっています。義経と同様、この先、頷けるような展開になることを期待しています。

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20 | | 2022-02-11 23:09:34

義時はまだどちらかというと権力者や親兄弟に振り回されていていつも困り顔で主役らしく活躍することがないからそのほかの人の方に目がいく。今は江間二郎さんと八重さん夫婦に夢中。八重さんを押し付けられた形の結婚に見えたが江間二郎さんは身分不相応だと分かりながらもどうにか夫婦らしくしていきたいようで、それが分かってからは江間さんがいじらしく見えてたまらない。しゃべればすごく誠実そうで悪い人には見えない。ただ八重さんの心は佐殿どのにしか向かってない。それが痛いほど分かってしまった今回、大の大人がすすり泣きながら船を漕ぐ姿が切なかった。

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50 | | 2022-04-27 00:05:01

冷徹に誰も信じず見せしめに上総を殺して恐怖政治を始めた頼朝。戦に天才的な才能を発揮する義経。京の水が合わず失脚、命まで取られる義仲。三者三様の源氏を見せてもらいました。神として崇められるような人も所詮は人の子。人の子という温かさも残っているのだろうかと疑いたくなるほどの泥試合。ただ欲にまみれ己の願望のみで大量の血の雨が降る。疑われれば命さえ落としかねない世の中で生き残るのは時の運、疑わしきは罰せずの世の中に生まれてよかったと心から思った。

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71 | | 2022-06-11 14:38:33

征夷大将軍!!と呼ばれた頼朝、渋い顔しかしばらく見ていなかったからその顔から笑顔になったのが印象的。まさに我が世の春なのだろう。一方の義時は最愛の八重を亡くして暗闇を彷徨っている。あれだけ兄弟や協力者を殺しておきながら笑っている頼朝と、八重を亡くしたことを天罰だと思う義時の違いは興味深かった。人の屍を踏みながらでもないと偉くなれないなんて人の業は恐ろしい。義時はこのままフェードアウトしてもいいと思っているかもしれないが、放っておいてくれそうもないな。

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112 | | 2022-09-19 10:55:26

もっとも身内の死を嫌がっていたのは時政だった筈なのに、いつの時代も権力と女が人を狂わすのでしょうか、それともそれが本来の姿なのでしょうか。畠山はまだ武士道なんて言葉や思想が存在する前ですが、武士としての矜持を見せつけました。義時との殴り合いのシーンは、まさに「あなたならわかっている筈だ」と言いたいような畠山の思いを感じました。史実の方を考えれば、頼朝の外戚として力をつけた北条にとって、源平合戦で功績を上げている畠山は邪魔者だったのでしょうね。それはこの後の和田も同じです。義時は時政の代わりに政子を前面に押し出そうとしていますが、これが後々、承久の乱での政子の演説の布石につながるのでしょう。

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39 | | 2022-04-02 14:47:44

後妻打ちに義経が関わっていたというのは三谷さんの創作なんだろうけれど、意外とアリだなと思う。政子に甘える様子や加減のできないところがよりわかりやすくて。他の御家人の手前、謹慎処分にしなければならないというのも、今後目に余ることが出てきたら同じように処分しなければならなくなるというのも込みでの脚本なのだろう。歴史の結末を知っているものとして、知られていない間の部分をどう上手く違和感なく埋めてくるかというのも大河ドラマの楽しみの一つ。実衣が少し軽々しい人物に描かれているのも後々なるほどと思えるところに着地できるのだろうと思っている。大江が最後に言いかけた続きが誰の何なのだろう。ドロドロの血で血を洗うこの時代のドラマを楽しみにしていられるのは本当に描くのが上手いのだと思う。

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101 | | 2022-08-26 13:10:35

善児と入れ違うように冷酷になっていく義時。千鶴丸や義時の兄も殺しておいて今更殺せないとは言わせたくはない気持ちも分かる。あの頃は何にも思わず幼子だって殺していても、トウを育てる過程で愛情や人を思う気持ちというものを知ってしまったのだろう。善児擁護派もいるかもだけど、今更そんな顔されてもって感じ。死んで地獄で謝るしかないと思う。一方の頼家はかわいそうだったね。あのまま何も知らずに死んでいればこんなに苦しまなくて済んだのに。みんなの前に座った実朝が全てよ。あれが望んだこと。北条の良く深さが良く分かった。

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40 | | 2022-04-02 20:52:56

最初は頼朝の不貞を知ったりくがちょっと政子を動揺させたいとか意地悪な気持ちで告げ口したことから始まった。そして後妻打ちのことも乗せてしまった。そのやり方に乗ってしまった政子からドミノのように人のちょっとした悪意が上乗せされてあれよと言う間に家を一軒壊すほどの勢いを持ってしまった。
なんか昔話のような話。だけど今生きている人の中にもそんな気持ちが残っていないだろうか。だからといって悪いのは不貞を冒した頼朝なのは変わらないのだけれど、いろんな戒めが含まれているようで深いなと思った。

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86 | | 2022-07-23 15:54:08

わずか18歳というべきかもう18歳と言うべきか。今で言うイキっている頼家に頭を下げなきゃいけない御家人たちは大層不満だっただろう。そしてみんながみんなどう操るかを探っていたのではないだろうか。そんな空気にまた反発して、自分の言うことを聞く若い衆を纏わせていく頼家と古株たちの差はどんどん開いていくだろうな。これも頼朝の失策のうちの一つ、後継者を育てることをしなかった罪は重い。世襲なら幼い頃から教育していくべきだったと思う。

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64 | | 2022-05-24 18:21:54

愛すべき人たちが次々と亡くなっていく
まるで新撰組!の粛清みたいだな…と思いながら見ている
義時は頼朝化していくんだろうか
見続けることができるんだろうか…と不安になるけど、そこは三谷さんの脚本
きっと空気孔も作ってくれているのでしょう

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96 | | 2022-08-15 11:30:36

これで良かったではなく、これしかなかったという義時の感想は、まさしくそうなのでしょうね。そして義時が徐々に頼朝に似ていくのは、まだ武家の法が頭領の言葉ひとつだった時代、やむを得ないことだったのかもしれません。泰時の父に対する反発は、後に彼が御成敗式目という武家における最初の法を作るフリになっているのでしょう。そして北条の思惑は、頼家がそのまま亡くなっていれば、すんなり成就したのかもしれませんが、得てしてこういうものです。この辺りは史実通りですが、その史実もどこまで本当なのか、考えさせられるところです。

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58 | | 2022-05-16 11:00:28

相手は暇に飽かして政争を企む後白河法皇。頼朝がそこを置いて義経を責めるのは、やはり内心どこかに兄弟の情よりも天才義経に対する怖れがあったのだと思わざるを得ません。少なくとも伊予守に任じたのに、慣例を破って検非違使を兼任させた法皇の意図を、頼朝も義経ももっと敏感に感じるべきでした。そこが法皇と頼朝という、同じような政治的人間なのに、権謀術数にたけた朝廷人と武骨な武士の違いというところで、そんなところからも朝廷政治と武家政治が袂を分かつのを感じさせるところが、見事だなと思います。いずれにせよ変人義経がしっかりと最後は悲劇のヒーローになっているところもさすが三谷さんです。

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9 | | 2022-01-17 15:01:25

頼朝が義時に本心を告げますが、まあお調子者で慎重さの欠片もない兄の宗時よりも、義時を選ぶのは懸命だし、当然というところでしょう。それよりも見どころだったのは、政子と八重の対面です。あの強引ともいえる政子の駆け引きは、すでに政子が頼朝の本心に気づいているからだと思います。八重がどんなに頼朝を慕おうとも、伊東家は頼朝を支える気はないし、それが出来ないのならば退場しろというような気迫が感じられました。小池栄子さんはやはりなかなかの女優さんですね。

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106 | | 2022-09-07 18:54:31

ひさしぶりに義時の穏やかな顔を見た気がする。和田家での鹿鍋でのやり取りは本当に久しぶりの温かい団欒の描写で、義時にとっても実朝にとっても良い時間だったのではないか。義時の嫁取りは、文官からの提案であったけれど、それは暴走している時政と対抗できる義時とのパイプを強くする意図があるのだろう。八田がわかって太鼓判を押したのか、意図なくなのかよくわからないが、のえはずいぶんと表裏がありそうだ。その本質を見てしまった泰時はどう動くのだろうか。畠山との亀裂、京都での平賀や仲章の不穏な動き。またまた険しい顔ばかりになっていくのだろうな。

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46 | | 2022-04-18 13:15:21

とうとう上総広常の最後がやってきてしまった。ちゃんと双六のシーンも入ってたし、鎧から頼朝を思う気持ちが書かれた書付が出てくるのも入れてくれて、その上でいろんな思い渦巻くお話に仕上がっていてすごく引き込まれた。上総介の義時を見る表情、そして頼朝を見て絶望する表情。そして血だまりの中の無念の表情。どうにもできなかった義時の苦しそうな涙。そして周りの驚きと呆然とした空気。力を持つ人望のある人物は敵にした時に恐ろしい。しかし、一番頼朝を打算なく味方でいたのは上総介だったのではと思わせる書付。握りつぶし、謀反人であったと弱々しい声で言った頼朝が一番この結果に後悔していたのではないだろうかと思った。もしも上総介が生きながらえていたら歴史はどう変わったのだろう、そんなことを思ってしまった。

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25 | | 2022-02-24 00:18:46

いつ死んでもおかしくない戦乱の世で人の首をみやげにするような男たちの思考は全然分からないけれど、知らせがいつまで経っても来ないから仏門に入ろうと思っていた政子や死んだ子のことで父を恨む八重の気持ちは今も同じでよくわかる。中でも頼朝の子だからと言って自分の孫に手をかけた父とそれを擁護する兄にはびっくりした。もう一生父とは思わぬと言った八重さんがかっこよかった。男ってほんとに馬鹿だ。一度くらい子供を産めるようにしておいたらこんな争いもなかっただろうな。

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113 | | 2022-09-20 15:13:17

どういう経緯で義時が討伐側につき、重忠がどう退場するのかが気になっていた。三谷さんはすごい話にしたなと思う。あの戦場にいた者すべてが戦いに義がないことを知っていて、でもどうしようもない状況も悲しみも苦しみも描かれていた。何もかもわかっている相手だからこそ、泰時を狙うことで義時を誘い出し一騎打ちになった。床板を壊すぐらいの重忠に殴られて義時があれくらいで済むとは思えないが、きっといろんな思いを乗せて殴り合ったのだろうな。義時のとどめを刺した瞬間ハチの巣になるのは確実だし、それよりも殴り合ったことで納得して後を託せたと理解した。先に逝った者の思いまで背負って、義時がまた一段と恐ろしく大きくなったように感じた。

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